10月8日、クライマックスシリーズ(CS)が開幕する。パ・リーグのファーストステージはソフトバンク(2位)とロッテ(3位)の対戦となった。今シーズン、両チームの直接対決はソフトバンクの16勝8敗1分。舞台となるヤフオクドームでは6勝4敗1分。現役時代、CSに3回出場し、2010年には「史上最大の下克上」の立役者となった解説者の里崎智也氏に、両チームの戦力を比較してもらった。
まずは、過去のパ・リーグのCSファーストステージの戦績を見て驚いた。2位チームのファイナル進出はわずか2度しかないのに対して、3位チームはじつに7回を数え、しかも6年連続で勝ち抜け中なのである。
「日本の場合、2位チームのアドバンテージはほとんどありません。本拠地開催といっても、相手チームのファンが1~2割はいますし、応援団の場所も確保されていて、アメリカのように完全敵地にはなりません。それに試合前の練習時間は少ないですが、ここまでくればそんなに必要ないですし……。強いて挙げるとすれば、3位チームはずっと先行が続くということ。でもそれも大きな問題ではありません」
そして里崎氏は「ファーストステージは2勝すればいいので、絶対的エースがいるチームが圧倒的に有利」と言う。
ここで、CSファーストステージで先発として登板する可能性が高い投手たちの直接対決での数字を見てみたい。
■ソフトバンク
千賀滉大/4勝0敗 防御率2.36
和田毅/3勝1敗 防御率2.48
バンデンハーク/2勝0敗 防御率1.20
武田翔太/2勝1敗 防御率5.40
■ロッテ
涌井秀章/2勝2敗 防御率3.60
石川歩/1勝3敗 防御率3.95
唐川侑己/0勝1敗 防御率4.22
スタンリッジ/0勝1敗 防御率6.30
「ロッテには防御率1位の石川と、涌井がいます。2戦目までを考えれば五分だと思います。ただ、3戦目までもつれてしまうと、ソフトバンクが圧倒的有利になります。ロッテは3戦目に唐川かスタンリッジ……。ロッテにしてみれば2連勝で終わらせたいところでしょう。とはいえ、シーズン終盤の涌井のピッチングを考えたら、すんなり2連勝するのは厳しい感じがします」
続いて里崎氏がもうひとつポイントに挙げたのが、キーマンとなる選手の復調具合だ。最初に名前が挙がったのが、ソフトバンクの柳田悠岐だった。
今シーズン、柳田はロッテ戦で打率.366、5本塁打、21打点と、得意としている。しかし、9月1日の西武戦で右手薬指を骨折。なんとかCSには間に合いそうだが、どこまで回復しているのかはわかっていない。
「出場するにしても、守備につくのか、それともDHでの出場なのか。打ったときに痛みはないと言っていましたが、投げることに支障はないのか。スローイングに影響があるのであれば、得点圏に走者がいて柳田選手のところに打球が飛ぶと走られまくります。DHに入るのではあれば、誰が守備につくのか。それだけでも全然違ってきますよね」
一方のロッテは、戦列を離れていた救援陣が次々と復帰。春先を支えた強力リリーフ陣が戻ってきた。しかし、里崎氏は次のように指摘する。
「名前だけ戻ってきても意味がないんですよ。内(竜也)は4月の頃は150キロを連発していましたが、復帰後は145キロ前後ですからね。西野(勇士)にしても同じことが言えます。万全の状態で戻ることが大事なんです。4番のデスパイネもレギュラーシーズン最終戦に出場しましたが、手首の状態はどこまで回復しているのか」
デスパイネは今シーズン、ソフトバンクを得意としており、特に決戦の地となるヤフオクドームでは打率.311、8本塁打と抜群の相性を誇っている。
「でも正直、シーズンの対戦成績や相性は関係ありません。シーズン中は得意としていても、CSで打てなかったら意味がないですから。短期決戦ははまってしまったら終わりですよ。逆に、対戦成績が1割台の打者でもCS期間中は絶好調の打者がいます。大事なことは、その時期にどこまで調子を合わせられるかです」
そしてこう続けた。
「両チームともCSに合わせて離脱していた選手が次々と戻ってきましたが、肝心なのは万全かどうか。もし全員が万全だったとすれば、普通に考えてソフトバンクが一枚上。戦力が違います。それは12.5というゲーム差が証明しています(笑)。ただ、ロッテはこれまでCSに4回出ていますが、ファーストステージで負けたことは一度もありません。そのジンクスが今回も生きるのか注目ですね」
はたして、ソフトバンクが地力を見せつけるのか。それともロッテのファーストステージ”不敗神話”は続くのか。まもなくプレイボールとなる。
まずは、過去のパ・リーグのCSファーストステージの戦績を見て驚いた。2位チームのファイナル進出はわずか2度しかないのに対して、3位チームはじつに7回を数え、しかも6年連続で勝ち抜け中なのである。
「日本の場合、2位チームのアドバンテージはほとんどありません。本拠地開催といっても、相手チームのファンが1~2割はいますし、応援団の場所も確保されていて、アメリカのように完全敵地にはなりません。それに試合前の練習時間は少ないですが、ここまでくればそんなに必要ないですし……。強いて挙げるとすれば、3位チームはずっと先行が続くということ。でもそれも大きな問題ではありません」
そして里崎氏は「ファーストステージは2勝すればいいので、絶対的エースがいるチームが圧倒的に有利」と言う。
ここで、CSファーストステージで先発として登板する可能性が高い投手たちの直接対決での数字を見てみたい。
■ソフトバンク
千賀滉大/4勝0敗 防御率2.36
和田毅/3勝1敗 防御率2.48
バンデンハーク/2勝0敗 防御率1.20
武田翔太/2勝1敗 防御率5.40
■ロッテ
涌井秀章/2勝2敗 防御率3.60
石川歩/1勝3敗 防御率3.95
唐川侑己/0勝1敗 防御率4.22
スタンリッジ/0勝1敗 防御率6.30
「ロッテには防御率1位の石川と、涌井がいます。2戦目までを考えれば五分だと思います。ただ、3戦目までもつれてしまうと、ソフトバンクが圧倒的有利になります。ロッテは3戦目に唐川かスタンリッジ……。ロッテにしてみれば2連勝で終わらせたいところでしょう。とはいえ、シーズン終盤の涌井のピッチングを考えたら、すんなり2連勝するのは厳しい感じがします」
続いて里崎氏がもうひとつポイントに挙げたのが、キーマンとなる選手の復調具合だ。最初に名前が挙がったのが、ソフトバンクの柳田悠岐だった。
今シーズン、柳田はロッテ戦で打率.366、5本塁打、21打点と、得意としている。しかし、9月1日の西武戦で右手薬指を骨折。なんとかCSには間に合いそうだが、どこまで回復しているのかはわかっていない。
「出場するにしても、守備につくのか、それともDHでの出場なのか。打ったときに痛みはないと言っていましたが、投げることに支障はないのか。スローイングに影響があるのであれば、得点圏に走者がいて柳田選手のところに打球が飛ぶと走られまくります。DHに入るのではあれば、誰が守備につくのか。それだけでも全然違ってきますよね」
一方のロッテは、戦列を離れていた救援陣が次々と復帰。春先を支えた強力リリーフ陣が戻ってきた。しかし、里崎氏は次のように指摘する。
「名前だけ戻ってきても意味がないんですよ。内(竜也)は4月の頃は150キロを連発していましたが、復帰後は145キロ前後ですからね。西野(勇士)にしても同じことが言えます。万全の状態で戻ることが大事なんです。4番のデスパイネもレギュラーシーズン最終戦に出場しましたが、手首の状態はどこまで回復しているのか」
デスパイネは今シーズン、ソフトバンクを得意としており、特に決戦の地となるヤフオクドームでは打率.311、8本塁打と抜群の相性を誇っている。
「でも正直、シーズンの対戦成績や相性は関係ありません。シーズン中は得意としていても、CSで打てなかったら意味がないですから。短期決戦ははまってしまったら終わりですよ。逆に、対戦成績が1割台の打者でもCS期間中は絶好調の打者がいます。大事なことは、その時期にどこまで調子を合わせられるかです」
そしてこう続けた。
「両チームともCSに合わせて離脱していた選手が次々と戻ってきましたが、肝心なのは万全かどうか。もし全員が万全だったとすれば、普通に考えてソフトバンクが一枚上。戦力が違います。それは12.5というゲーム差が証明しています(笑)。ただ、ロッテはこれまでCSに4回出ていますが、ファーストステージで負けたことは一度もありません。そのジンクスが今回も生きるのか注目ですね」
はたして、ソフトバンクが地力を見せつけるのか。それともロッテのファーストステージ”不敗神話”は続くのか。まもなくプレイボールとなる。