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星野副会長で本腰再建 楽天が西武岸とハム陽にピタリ照準

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「今年は星野副会長が派手に動くでしょう」

 こう語るのは、ある楽天OBだ。

 今季、梨田昌孝新監督を迎えた楽天は昨5日、ロッテに大敗して5位でシーズンを終えた。13年、田中将大(現ヤンキース)を擁して日本一になって以降、チームは6位、6位、5位と低迷が続いている。パ・リーグは今季、熾烈な優勝争いを繰り広げた日本ハムとソフトバンクによる2強時代に突入しつつあるが、ここに楽天が待ったをかけるべく、大型補強を敢行するというのだ。

「昨年は、ロッテからFA宣言した今江を3年総額6億円で獲得しましたが今季はさらなる補強資金を投下する準備があるそうです。星野副会長がターゲットにしているのは西武の岸孝之(31)です」と言うのは、前出の楽天OBだ。

「楽天の課題は、投手力の強化です。チーム防御率はリーグ5位の4.11。エースの則本(11勝11敗、防御率2.91)と双璧の働きができる先発投手の補強が必要不可欠。そこで星野副会長が目をつけたのが今季で西武との3年契約が満了する岸。通算103勝をマークする岸は4月後半に右足内転筋の故障で約2カ月間、離脱したとはいえ、9勝7敗、防御率2.49。岸は西武が引き留めているものの、楽天の地元・宮城出身で仙台の東北学院大OB。06年ドラフト時も獲得に動いた。岸の今季年俸は2億2500万円。FA宣言すれば楽天は、3年10億円以上の条件を用意しており、勝算はあります」

 今季、Aクラス入りした日本ハムは大谷と有原、ソフトバンクは和田と武田、ロッテは石川と涌井と、先発の二枚看板がいる。岸が加入すれば強力な先発投手が2人となり、ライバル球団に決してヒケをとらない。

■聖沢FAの裏に…

 補強は、岸だけにとどまらないという。

「日本ハムの陽岱鋼(29)にも行くと聞いている」とは、セ球団の編成担当者。

「陽はFA権を行使することが決定的。梨田監督が日本ハムの監督時代にプレーしていた選手で、梨田監督自身が獲得を要望しているみたいです。陽は今季、打率.293、14本塁打、61打点。得点圏打率はリーグ2位の.323と勝負強い。ゴールデングラブ賞を3度獲得するなど守備力が高く、センターラインを強化できる。また、楽天の56盗塁はリーグ最低で、足を使った攻撃ができなかった。陽は今季5盗塁も、13年には盗塁王になっている。外野は島内が台頭してきましたが、オコエが育つにはもう少し時間がかかる。しかも、陽は明るい性格で、ムードメーカーにもなれますからね」

 陽を巡っては、巨人など複数球団も、獲得調査を行っている。

「陽の本命は、05年ドラフト時の意中の球団だったソフトバンクだという話がある。本人は最終的には、年俸や契約年数といった条件面を重視している。資金力が豊富なソフトバンクが本気で動けば、楽天も苦戦を強いられるでしょうが、ソフトバンクはオリックスの糸井にも関心を持っているようです。糸井は、柳田と“師弟関係”を築いており、来年36歳を迎えるとはいえ、今季は53盗塁を決めて史上最年長での盗塁王を獲得するなどまだまだ元気ですから」

 ソフトバンクという「強敵」と対峙することになれば、数々の大物選手を口説き落とした交渉上手の星野副会長の出番だ。中日監督時代はロッテから落合(現中日GM)をトレードで取ったり、阪神監督時代は広島に仁義を切って金本(現阪神監督)の獲得に成功している。昨年は今江との交渉に出馬し、楽天監督就任時はメジャー帰りの松井稼、岩村を戦力に加えた。中堅手の聖沢がFA権行使を示唆しているのも、陽獲得の準備を察知してのことだともっぱらである。

「星野GM」が本気で動き、投打の軸となる選手を補強できれば、来季の楽天は台風の目になる可能性は十分にある。

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