◆阪神６―０巨人（１日・甲子園）
不安しか残らない試合だった。巨人は、恒例の「あと１本」が出なかった。由伸監督は「チャンスは作った？ まあ、そうだねえ…」と口を開き「いろいろな選手を使ったしね。でも課題はあるよ」と絞り出した。
先発の岩貞は、ＣＳ第１Ｓでの先発が予想されるＤｅＮＡ・石田と同タイプ。１４０キロ台中盤の直球、スライダー、チェンジアップを組み合わせる左腕だ。７回までに３度、得点圏に走者を進めたが攻めきれなかった。
９月２８日に２位を確定させてからは主力を休ませてきた。立岡は２番で使えるか、誰を代打の１番手で送り出すか、といったＣＳをにらんだ起用が続いたが、その３試合で計４点しか奪えず、ベンチの厚みを持たすことが出来ないままだ。
こんな時に、逆風も。実戦感覚などを保つため３日から宮崎フェニックス・リーグに参戦する予定だったが、台風接近による悪天候が予想されるため取りやめた。指揮官は「向こうに行って練習場所が限られてもね。帰ってこれなくなってもあれだし」と無念の表情。代わりに東京Ｄで実戦形式の練習を重ねる。
１位の広島と１７・５ゲーム差がついての２位フィニッシュ。プロ野球史上４番目の大差【注】となったが、元々は力のあるチームだ。指揮官は「少し時間が空くのでね。シーズンの疲れも多少あるだろうし、少しリフレッシュして次の試合に臨めればと思う」と前を向いた。（水井 基博）
【注】１７・５差は、１１年のパ（１位ソフトバンク、２位日本ハム）と並ぶ史上４位の差。史上最大は、９０年セ（１位巨人、２位広島）の２２差。