⬆WWE王者として日本に初登場となったジンダー・マハル(中央)
WWE大阪公演「WWE Live Osaka」が16日、エディオンアリーナ大阪で行われ、WWE王座(世界ヘビー級選手権)に挑戦した元新日本プロレスの中邑真輔(37)は王者、ジンダー・マハル(31)に敗れた。
中邑は10月7日(日本時間同8日)にミシガン州デトロイトのリトル・シーザーズ・アリーナで行われるPPV大会「ヘル・イン・ア・セル」でマハルの王座に挑戦することが決まっており、日本のハウスショー(地方巡業)で王座交代劇を期待してはいけなかったのだが、やはり奪取はならなかった。
中邑の「奪取失敗」だけがクローズアップされたが、今回はマハルの王者としての初見参という公演でもあったのだ。今年5月21日のPPV大会「バックラッシュ」(シカゴ)で、ランディー・オートン(37)を破って世界最高峰のWWE王座を奪取したばかりの新王者。大阪公演で販売されていたWWE公式プログラム(イヤーブックのようなもの)にも載っていない、今、最もホットな王者なのだ。
いくら中邑がトップコンテンダーになったからといって、焦らずにグローバルに見れば、まずは王者・マハルの横綱土俵入り的な顔見せ巡業の段階と言える。大阪のファンも、中邑への声援一辺倒かと言えばそうではなく、196センチ、107キロのヒール王者・マハルを支持する拍手も感じられた。
王者・マハルとしては、初見参だが、この男は初来日ではない。ラジャ・シンとして、日本のIGF(当時はアントニオ猪木氏が主宰)で3試合を戦っている。猪木氏の好敵手だったタイガー・ジェット・シンをイメージしたインド人悪役として、KENSOや橋本大地に敗れている苦難の時代があった。WWF時代のWWEで悪役として活躍したキラー・カーン(本名・小沢正志)の「居酒屋カンちゃん」(新宿)を訪れて、リスペクトしていたという秘話もある。
そして、インド人悪役キャラが“現代のマハラジャ”として世界に評価される時がついに来たのだ。これはインド市場の成長とも無縁ではないだろう。
“シン王者”は大阪に堂々と降臨した。子分のシン・ブラザーズが“太刀持ち・露払い”役で入場。リングにじゅうたんを敷いて、“横綱”を迎えた。マハルは、ベルトを誇示してマイクを握り「中邑なんか大したことない。ぶっ潰してやる」というようなこと英語でわめいた。
試合は、シン・ブラザーズの介入で、中邑の必殺技・キンシャサ(ボマイエ)が不発となり、マハルは、必殺技・カラス(コブラクラッチからのスラム)で王座を防衛した(14分35秒、片エビ固め)。一連のマハラジャの世界が披露されて、中邑は敗れた。大阪のファンは、マハルのムーブを認識した。
日本の中邑は、この偉大な王様と本場・米国のPPV大会でタイトルマッチを戦うという存在にまで上り詰めたのだ。それが実感できた大阪公演だった、ということでいいのではないだろうか。奪取に期待する順番はこれからだ。(酒井 隆之)
◆WWE大阪公演「WWE Live Osaka」(16日・エディオンアリーナ大阪)
▽第1試合 スマックダウンタッグチャンピオンシップ(時間無制限1本勝負)
ニューデイビッグE、○コフィ・キングストン(withエグザビア・ウッズ)=王者組=(12分41秒、ミッドナイトアワー→片エビ固め)ドルフ・ジグラー●、バロン・コービン=挑戦者組=
※第7代王者組が防衛に成功
▽第2試合 シングルマッチ(時間無制限1本勝負)
○ルーク・ハーパー(10分21秒、ディスカス・クローズライン→体固め)エリック・ローワン●
▽第3試合 シングルマッチ(時間無制限1本勝負)
○エイダン・イングリッシュ(8分40秒、DDT→エビ固め)サミ・ゼイン●
▽第4試合 ラストマンスタンディングマッチ(時間無制限1本勝負)
○ランディ・オートン(11分9秒、RKO→KO勝ち)ルセフ●
▽第5試合 3対4ハンディキャップマッチ(時間無制限1本勝負)
○ナオミ、シャーロット、ベッキー・リンチ=withアスカ=(9分1秒、リア・ビュー→エビ固め)ナタリヤ、タミーナ、ラナ●、カーメラ=withジェームズ・エルスワース=
▽第6試合 USチャンピオンシップ(時間無制限1本勝負)
○AJスタイルズ=王者=(6分42秒、フェノメナール・フォアアーム→片エビ固め)ケビン・オーエンズ=挑戦者=●
※第150代王者が防衛に成功
▽第7試合 WWEチャンピオンシップ(時間無制限1本勝負)
〇ジンダー・マハル(withシン・ブラザーズ)=王者=(14分35秒、カラス→片エビ固め)中邑真輔●=挑戦者=
※第132代王者が防衛に成功
観衆=4626人
WWE大阪公演「WWE Live Osaka」が16日、エディオンアリーナ大阪で行われ、WWE王座(世界ヘビー級選手権)に挑戦した元新日本プロレスの中邑真輔(37)は王者、ジンダー・マハル(31)に敗れた。
中邑は10月7日(日本時間同8日)にミシガン州デトロイトのリトル・シーザーズ・アリーナで行われるPPV大会「ヘル・イン・ア・セル」でマハルの王座に挑戦することが決まっており、日本のハウスショー(地方巡業)で王座交代劇を期待してはいけなかったのだが、やはり奪取はならなかった。
中邑の「奪取失敗」だけがクローズアップされたが、今回はマハルの王者としての初見参という公演でもあったのだ。今年5月21日のPPV大会「バックラッシュ」(シカゴ)で、ランディー・オートン(37)を破って世界最高峰のWWE王座を奪取したばかりの新王者。大阪公演で販売されていたWWE公式プログラム(イヤーブックのようなもの)にも載っていない、今、最もホットな王者なのだ。
いくら中邑がトップコンテンダーになったからといって、焦らずにグローバルに見れば、まずは王者・マハルの横綱土俵入り的な顔見せ巡業の段階と言える。大阪のファンも、中邑への声援一辺倒かと言えばそうではなく、196センチ、107キロのヒール王者・マハルを支持する拍手も感じられた。
王者・マハルとしては、初見参だが、この男は初来日ではない。ラジャ・シンとして、日本のIGF(当時はアントニオ猪木氏が主宰)で3試合を戦っている。猪木氏の好敵手だったタイガー・ジェット・シンをイメージしたインド人悪役として、KENSOや橋本大地に敗れている苦難の時代があった。WWF時代のWWEで悪役として活躍したキラー・カーン(本名・小沢正志)の「居酒屋カンちゃん」(新宿)を訪れて、リスペクトしていたという秘話もある。
そして、インド人悪役キャラが“現代のマハラジャ”として世界に評価される時がついに来たのだ。これはインド市場の成長とも無縁ではないだろう。
“シン王者”は大阪に堂々と降臨した。子分のシン・ブラザーズが“太刀持ち・露払い”役で入場。リングにじゅうたんを敷いて、“横綱”を迎えた。マハルは、ベルトを誇示してマイクを握り「中邑なんか大したことない。ぶっ潰してやる」というようなこと英語でわめいた。
試合は、シン・ブラザーズの介入で、中邑の必殺技・キンシャサ(ボマイエ)が不発となり、マハルは、必殺技・カラス(コブラクラッチからのスラム)で王座を防衛した(14分35秒、片エビ固め)。一連のマハラジャの世界が披露されて、中邑は敗れた。大阪のファンは、マハルのムーブを認識した。
日本の中邑は、この偉大な王様と本場・米国のPPV大会でタイトルマッチを戦うという存在にまで上り詰めたのだ。それが実感できた大阪公演だった、ということでいいのではないだろうか。奪取に期待する順番はこれからだ。(酒井 隆之)
◆WWE大阪公演「WWE Live Osaka」(16日・エディオンアリーナ大阪)
▽第1試合 スマックダウンタッグチャンピオンシップ(時間無制限1本勝負)
ニューデイビッグE、○コフィ・キングストン(withエグザビア・ウッズ)=王者組=(12分41秒、ミッドナイトアワー→片エビ固め)ドルフ・ジグラー●、バロン・コービン=挑戦者組=
※第7代王者組が防衛に成功
▽第2試合 シングルマッチ(時間無制限1本勝負)
○ルーク・ハーパー(10分21秒、ディスカス・クローズライン→体固め)エリック・ローワン●
▽第3試合 シングルマッチ(時間無制限1本勝負)
○エイダン・イングリッシュ(8分40秒、DDT→エビ固め)サミ・ゼイン●
▽第4試合 ラストマンスタンディングマッチ(時間無制限1本勝負)
○ランディ・オートン(11分9秒、RKO→KO勝ち)ルセフ●
▽第5試合 3対4ハンディキャップマッチ(時間無制限1本勝負)
○ナオミ、シャーロット、ベッキー・リンチ=withアスカ=(9分1秒、リア・ビュー→エビ固め)ナタリヤ、タミーナ、ラナ●、カーメラ=withジェームズ・エルスワース=
▽第6試合 USチャンピオンシップ(時間無制限1本勝負)
○AJスタイルズ=王者=(6分42秒、フェノメナール・フォアアーム→片エビ固め)ケビン・オーエンズ=挑戦者=●
※第150代王者が防衛に成功
▽第7試合 WWEチャンピオンシップ(時間無制限1本勝負)
〇ジンダー・マハル(withシン・ブラザーズ)=王者=(14分35秒、カラス→片エビ固め)中邑真輔●=挑戦者=
※第132代王者が防衛に成功
観衆=4626人