史上初のFA3選手同時獲得など、総額25億円にも及ぶと見込まれる空前の大補強を推し進める巨人。チームの大黒柱、阿部慎之助捕手(37)は来季日本一奪回へ「本気を感じる」と受け止める一方、外様が存在感を増す混成軍を「読売ファイターズみたい」とひとくさり。自分をはじめ主力選手に大幅減俸が相次いでいることに、「この補強があるから主力がバシバシ給料、落とされたのか」と悔しさをあらわにした。反骨心を募らせる現有戦力は、高橋巨人の正念場となる来季、新戦力と融合できるのか。 (笹森倫)
阿部は12日、都内で行われた「ニッポン放送ショウアップナイターCONFERENCE 2017」に出演。故障で捕手復帰を断念した今季を振り返り、「意気込みすぎて最初、ずっこけちゃいました。僕らがなかなか機能しなかった」と高橋新監督を支えられなかったシーズンをわびた。
3年ぶりのリーグ優勝を目指す高橋体制2年目は正念場だ。読売グループのトップ、渡辺前球団最高顧問が7月にチームの不振について、「これは由伸の責任じゃねえからな。フロントだよ。補強してねえんだもん。今の陣容で勝てって言ったって無理」と一喝。
矛先を向けられた球団フロントは、シーズン中から綿密かつ広大な補強策を練り、ストーブリーグでは破竹の勢いで外部から獲れる限りの頭数をかき集め続けている。
ひっきりなしの新戦力加入のニュースは、もちろん阿部の耳にも届いている。この日は「すごい補強をしている。僕もうかうかしていられないと思っている」と自ら切り出し、「読売ファイターズみたい」ときついジョークを飛ばした。
実際、近年は日本ハムとの人事交流が盛んで、今オフも交換トレードで2人が加入。現有の乾、実松、北に陽岱鋼を含めればファイターズOBは6人に達する。
さらに元楽天のマギー、前横浜DeNAの山口、前ソフトバンクの森福-。複数球団からの引き抜きは、現有戦力の底上げだけではV奪回の目標は達成できないという、球団の冷徹な判断の表れだ。しかもトレードでは即戦力どころか、若手野手まで他球団から調達している。
阿部は「チームの活性化にもつながるんじゃないか。球団挙げて本気なんだと感じる」と気を引き締める一方で、厳冬となった今オフの現有勢力の契約更改にも一言、もの申さずにはいられなかった。
「この補強があるから主力がバシバシ給料、落とされたのかと」
阿部によると、球団側から「納会前にすっきりしようじゃないか」と持ちかけられ、納会前日の先月24日に自身を含め10人が矢継ぎ早に交渉。
「契約更改が早くなって、よーく見たらほとんどダウン」との指摘通り、阿部は約6000万円減の2億6000万円、内海は半減の2億円という大幅なダウン提示を飲んだ。村田も今月1日、8000万円減の2億2000万円で更改。こうして先にベテランからごっそり削った分が、その後に続々と発表された新戦力の補強資金に回された、との見立てだ。
もちろん阿部は「僕らが成績を残さなかったのが悪い」と自覚している。熾烈な外野の定位置争いに挑む亀井も、「生え抜き魂を見せます。陽岱鋼には負けません!」と気勢を上げた。
反骨心をぎらつかせる生え抜き勢の“新参者に負けまい”という対抗意識を、うまく昇華できればチームの大きな力になるが、巨大戦力のかじ取りは一筋縄ではいかない。高橋監督の腕の見せどころだ。
阿部は12日、都内で行われた「ニッポン放送ショウアップナイターCONFERENCE 2017」に出演。故障で捕手復帰を断念した今季を振り返り、「意気込みすぎて最初、ずっこけちゃいました。僕らがなかなか機能しなかった」と高橋新監督を支えられなかったシーズンをわびた。
3年ぶりのリーグ優勝を目指す高橋体制2年目は正念場だ。読売グループのトップ、渡辺前球団最高顧問が7月にチームの不振について、「これは由伸の責任じゃねえからな。フロントだよ。補強してねえんだもん。今の陣容で勝てって言ったって無理」と一喝。
矛先を向けられた球団フロントは、シーズン中から綿密かつ広大な補強策を練り、ストーブリーグでは破竹の勢いで外部から獲れる限りの頭数をかき集め続けている。
ひっきりなしの新戦力加入のニュースは、もちろん阿部の耳にも届いている。この日は「すごい補強をしている。僕もうかうかしていられないと思っている」と自ら切り出し、「読売ファイターズみたい」ときついジョークを飛ばした。
実際、近年は日本ハムとの人事交流が盛んで、今オフも交換トレードで2人が加入。現有の乾、実松、北に陽岱鋼を含めればファイターズOBは6人に達する。
さらに元楽天のマギー、前横浜DeNAの山口、前ソフトバンクの森福-。複数球団からの引き抜きは、現有戦力の底上げだけではV奪回の目標は達成できないという、球団の冷徹な判断の表れだ。しかもトレードでは即戦力どころか、若手野手まで他球団から調達している。
阿部は「チームの活性化にもつながるんじゃないか。球団挙げて本気なんだと感じる」と気を引き締める一方で、厳冬となった今オフの現有勢力の契約更改にも一言、もの申さずにはいられなかった。
「この補強があるから主力がバシバシ給料、落とされたのかと」
阿部によると、球団側から「納会前にすっきりしようじゃないか」と持ちかけられ、納会前日の先月24日に自身を含め10人が矢継ぎ早に交渉。
「契約更改が早くなって、よーく見たらほとんどダウン」との指摘通り、阿部は約6000万円減の2億6000万円、内海は半減の2億円という大幅なダウン提示を飲んだ。村田も今月1日、8000万円減の2億2000万円で更改。こうして先にベテランからごっそり削った分が、その後に続々と発表された新戦力の補強資金に回された、との見立てだ。
もちろん阿部は「僕らが成績を残さなかったのが悪い」と自覚している。熾烈な外野の定位置争いに挑む亀井も、「生え抜き魂を見せます。陽岱鋼には負けません!」と気勢を上げた。
反骨心をぎらつかせる生え抜き勢の“新参者に負けまい”という対抗意識を、うまく昇華できればチームの大きな力になるが、巨大戦力のかじ取りは一筋縄ではいかない。高橋監督の腕の見せどころだ。