↑内野ノックを受ける藤村。11年の盗塁王は、危機感を持って練習に励んでいる
巨人の藤村大介内野手(27)が14日、危機感を激白した。プロ9年目を迎えた今季、7月に14年以来となる1軍昇格を果たしたが、出場は5試合のみ。山本、辻ら若手の台頭もあり悔しい1年を過ごした。11年にはレギュラーとして盗塁王を獲得した韋駄天(いだてん)も、来季で10年目。中堅世代となったことでの心境の変化や、生き残りに懸ける覚悟に迫った。
泥にまみれた。G球場で行われた残留組の秋季練習。藤村はがむしゃらに白球を追った。7月9日に2年ぶりに1軍昇格したが、5試合で4打数無安打。代わりに山本や辻がスタメン起用される機会も多かった。
「若い選手が出るのは僕自身も体験したことで、自分も若いから使ってもらった側だった。そういう面で全て自分の責任だと思う」
07年の高校生ドラフト1巡目で入団。11年には28盗塁で盗塁王に輝いたが、今年は若手の台頭に想像以上の焦りを感じていた。
「正直、若い選手が出てきたことがプレッシャーになった。それを自分の力に変えてプレーするどころか、萎縮して『ミスができない』と硬くなって空回りした」
来年はプロ10年目。中堅と呼ばれる年齢になって心境にも変化があったという。
「後輩が1軍で出ているのを見て『俺がテレビで見ていちゃだめだな』と。自分より若い選手が出ているのを見るのがしんどくなってきた」
5日から宮崎で行われている秋季キャンプのメンバー入りを逃した。だが若手が由伸監督の目の前でアピールを続ける中で、自分の課題克服に集中している。
「周りから『残念だね』と言われるけど、そんなことは考えない。人が少ない分、自分の弱点や苦手なことを改善できる。個人練習が長く取れるから、自分の中ではプラスに捉えている。当然悔しいけど、いまは来年を見るようにしている」
この秋のテーマは“原点”だ。ノックなどの反復練習を繰り返す中で徹底的に基礎を見直している。
「9年間やってきて、基本をおろそかにしていた部分があった。体の正面で捕るという基本の形や動きができていなかった。(1軍でも)井端さんから基本の形が大事と言われたし、周りから安定感が見えるような形づくりを意識している」
来季はドラフト1位の吉川尚輝(21)=中京学院大=が加入。二塁での起用もあるだけに、生き残りのために可能性を模索している。
「今は外野の練習にも取り組んで、捕球を含めて送球に関してはコーチに相談している。キャッチボールでも無駄な球を投げるようなことは絶対にしないし、これまで以上に強い球が投げられるようになってきた」
プロ9年間で喜びも苦しみも経験して、野球観にも変化が生まれてきたという。
「来年、もしだめで『これをやっておけばよかったな』ということがないように。あと何年野球できるか分からないから『ダメだったらしょうがない』と思えるだけのことをやりたい」
覚悟を決め、もう一度、輝きを取り戻す。
◆藤村 大介(ふじむら・だいすけ)1989年7月25日、熊本県生まれ。27歳。熊本工から2007年高校生ドラフト1巡目で巨人入り。1軍デビューした11年に28盗塁で盗塁王獲得。今季は2年ぶりに1軍出場も5試合、4打数無安打。通算294試合、打率2割2分6厘、0本塁打、27打点、49盗塁。174センチ、74キロ。右投左打。年俸は1125万円。
巨人の藤村大介内野手(27)が14日、危機感を激白した。プロ9年目を迎えた今季、7月に14年以来となる1軍昇格を果たしたが、出場は5試合のみ。山本、辻ら若手の台頭もあり悔しい1年を過ごした。11年にはレギュラーとして盗塁王を獲得した韋駄天(いだてん)も、来季で10年目。中堅世代となったことでの心境の変化や、生き残りに懸ける覚悟に迫った。
泥にまみれた。G球場で行われた残留組の秋季練習。藤村はがむしゃらに白球を追った。7月9日に2年ぶりに1軍昇格したが、5試合で4打数無安打。代わりに山本や辻がスタメン起用される機会も多かった。
「若い選手が出るのは僕自身も体験したことで、自分も若いから使ってもらった側だった。そういう面で全て自分の責任だと思う」
07年の高校生ドラフト1巡目で入団。11年には28盗塁で盗塁王に輝いたが、今年は若手の台頭に想像以上の焦りを感じていた。
「正直、若い選手が出てきたことがプレッシャーになった。それを自分の力に変えてプレーするどころか、萎縮して『ミスができない』と硬くなって空回りした」
来年はプロ10年目。中堅と呼ばれる年齢になって心境にも変化があったという。
「後輩が1軍で出ているのを見て『俺がテレビで見ていちゃだめだな』と。自分より若い選手が出ているのを見るのがしんどくなってきた」
5日から宮崎で行われている秋季キャンプのメンバー入りを逃した。だが若手が由伸監督の目の前でアピールを続ける中で、自分の課題克服に集中している。
「周りから『残念だね』と言われるけど、そんなことは考えない。人が少ない分、自分の弱点や苦手なことを改善できる。個人練習が長く取れるから、自分の中ではプラスに捉えている。当然悔しいけど、いまは来年を見るようにしている」
この秋のテーマは“原点”だ。ノックなどの反復練習を繰り返す中で徹底的に基礎を見直している。
「9年間やってきて、基本をおろそかにしていた部分があった。体の正面で捕るという基本の形や動きができていなかった。(1軍でも)井端さんから基本の形が大事と言われたし、周りから安定感が見えるような形づくりを意識している」
来季はドラフト1位の吉川尚輝(21)=中京学院大=が加入。二塁での起用もあるだけに、生き残りのために可能性を模索している。
「今は外野の練習にも取り組んで、捕球を含めて送球に関してはコーチに相談している。キャッチボールでも無駄な球を投げるようなことは絶対にしないし、これまで以上に強い球が投げられるようになってきた」
プロ9年間で喜びも苦しみも経験して、野球観にも変化が生まれてきたという。
「来年、もしだめで『これをやっておけばよかったな』ということがないように。あと何年野球できるか分からないから『ダメだったらしょうがない』と思えるだけのことをやりたい」
覚悟を決め、もう一度、輝きを取り戻す。
◆藤村 大介(ふじむら・だいすけ)1989年7月25日、熊本県生まれ。27歳。熊本工から2007年高校生ドラフト1巡目で巨人入り。1軍デビューした11年に28盗塁で盗塁王獲得。今季は2年ぶりに1軍出場も5試合、4打数無安打。通算294試合、打率2割2分6厘、0本塁打、27打点、49盗塁。174センチ、74キロ。右投左打。年俸は1125万円。