↑9月7日、阪神戦で盗塁を決める鈴木
巨人・鈴木尚広外野手(38)が、今季限りでの現役引退を決意したことが12日、分かった。数多くのけがに泣かされながらトレーニングを重ね、通算228盗塁で、盗塁成功率が200盗塁以上の選手で歴代トップに立つなど、球界屈指の走塁のスペシャリストに成長。プロ20年目を終えて大きな決断を下した。
同い年の鈴木尚広は、いつも目標だった。プロ野球選手と新聞記者。もちろん、仕事は違うが「プロとはどうあるべきか」を常に示してくれた。「どんな職業でも同じだよ。どれだけ準備して、仕事に臨むか、でしょ」。誰よりも早く球場に来て準備する。出場機会がなくても、嫌な顔を見せることはない。球場でそんな姿を見ると、自然と背筋が伸びた。
ユニホームを脱ぐと知った時は、信じられなかった。今の巨人で、いや球界を見渡しても、あの走塁技術を超えられる選手はいないし、まだまだやれると思っていた。さみしい気持ちになったが、ふと、ある時の言葉を思い出した。「後輩に技術を教えるのはすぐにできる。でも、プロとしてどう生きるべきかは簡単に教えられない」。ファンの期待、そして与えられた役割の重さに少しでも応えられないと思えば、身を引く。尚広が最後に見せたプロとしてのあり方だろうし、後輩に、それだけ責任の重い仕事をしているんだ、ということを伝えたかったに違いない。
キャンプ地の沖縄で2人で食事をしていると、「鈴木さんですよね?」と“乱入”してきたファンとすぐにうち解け、テーブルを囲んだこともあった。「来る者拒まず」がモットー。今後、どんな仕事をするかは分からないが、明るいキャラクターと誰でも受け入れる度量があれば、何をしても成功し、周囲は今まで通り応援してくれる人であふれるはずだ。(野球デスク・高田 健介=02~04、06~08、10~13年巨人担当)
巨人・鈴木尚広外野手(38)が、今季限りでの現役引退を決意したことが12日、分かった。数多くのけがに泣かされながらトレーニングを重ね、通算228盗塁で、盗塁成功率が200盗塁以上の選手で歴代トップに立つなど、球界屈指の走塁のスペシャリストに成長。プロ20年目を終えて大きな決断を下した。
同い年の鈴木尚広は、いつも目標だった。プロ野球選手と新聞記者。もちろん、仕事は違うが「プロとはどうあるべきか」を常に示してくれた。「どんな職業でも同じだよ。どれだけ準備して、仕事に臨むか、でしょ」。誰よりも早く球場に来て準備する。出場機会がなくても、嫌な顔を見せることはない。球場でそんな姿を見ると、自然と背筋が伸びた。
ユニホームを脱ぐと知った時は、信じられなかった。今の巨人で、いや球界を見渡しても、あの走塁技術を超えられる選手はいないし、まだまだやれると思っていた。さみしい気持ちになったが、ふと、ある時の言葉を思い出した。「後輩に技術を教えるのはすぐにできる。でも、プロとしてどう生きるべきかは簡単に教えられない」。ファンの期待、そして与えられた役割の重さに少しでも応えられないと思えば、身を引く。尚広が最後に見せたプロとしてのあり方だろうし、後輩に、それだけ責任の重い仕事をしているんだ、ということを伝えたかったに違いない。
キャンプ地の沖縄で2人で食事をしていると、「鈴木さんですよね?」と“乱入”してきたファンとすぐにうち解け、テーブルを囲んだこともあった。「来る者拒まず」がモットー。今後、どんな仕事をするかは分からないが、明るいキャラクターと誰でも受け入れる度量があれば、何をしても成功し、周囲は今まで通り応援してくれる人であふれるはずだ。(野球デスク・高田 健介=02~04、06~08、10~13年巨人担当)