↑首位・広島を追い、後半戦に巻き返しを誓う坂本
巨人・高橋由伸監督(41)は昨年10月の就任会見で、V奪回のキーマンに阿部、長野、坂本、内海、菅野の5人を挙げた。それぞれが語るシーズン途中の中間報告。最終回は坂本勇人内野手(27)。頼れる主将は、首位の広島と10ゲーム差の危機的状況にも「どうにもならないとは全く思わない。全然チャンスがある」と断言。習得しつつある“ゴジラ打法”でチームを大逆転優勝に導くと誓った。
10ゲーム差をつけられても、百戦錬磨の主将の目には優勝の二文字しかなかった。後半戦スタートへ、坂本は首位の広島を追撃する決意を口にした。
「このゲーム差だし強いとは思うけど、今年は僕らが勝てる試合を取れなかったことがいっぱいあったので、強くてどうにもならないとは全く思わない。そういう試合を取っていればこんなゲーム差も開いてなかったし、全然チャンスがあるなって思う」
破壊力抜群の打線を擁するカープとは前半戦7勝6敗。他球団との対戦はもとより、残り12試合の直接対決を制して差を詰め、重圧をかけていく考えだ。
「特に、僕らみたいな何回も優勝しているチームがジワジワと近づいてきたら、広島の方が嫌だなって絶対に感じるはずなので。今のゲーム差ではプレッシャーも感じないので、相手がプレッシャーを感じる状況にしないといけない。直接対決を勝たないといけないし、何とか、何とか、という気持ちで一試合一試合やるしかない」
苦しみながらも、チームが2位につけた原動力は坂本のバットだった。前半戦は83試合出場で打率はリーグ4位の3割2分2厘、16本塁打、51打点。開幕前に掲げた打率3割、20本塁打のノルマを軽くクリアしそうな勢いで打ちまくった。
「打率はしっかりと残せているし、出塁率(4割1分7厘)もそれなりに残せている。長打もそれなりに打てている。キャンプからいろいろとやってきて、それが結果としてはいい方向に向かっているな、と。それなりにいい成績が出ているからといって、じゃあ、これぐらいでいいとは全然、思っていないし、もっともっと良くなるためにはどうしたらいいかと普段の練習からやっている」
2月には分からなかった“ゴジラの教え”を会得し、飛躍につなげた。宮崎の春季キャンプ。松井秀喜臨時コーチから、踏み出す左足と軸となる右足への体重のかけ方を、2対8もしくは1対9にする打法を教わった。
「自分で後ろ体重で打とうと思ったことはあんまりなかったし、最初は全然、何かオレにはそういう感覚はないのかな、と。やっぱり、合う合わないは絶対あるし、自分には合わないんだろうと思っていた。何がきっかけかは分からないが、今は2対8、1対9ぐらいのイメージで打ちにいっている。『松井さんが言っていたのはこういうことかな』と多少、分かってきた」
ただ、月間打率2割8分2厘に終わった6月は、感覚のズレを感じていた。
「4、5月とそれなりにいい感じできてたけど、ちょうど疲れがたまってくる6月は感覚がずっと悪かった。左足を上げたり、タイミングを取ったときに体が前に流れてしまう打席が多かった。意識しても、ちょっと突っ込んでしまったり、そういうのが多かった。それでも、良くない中で四球を選んだり、1本出せていたから、もっともっとできるかもしれないと自分でも可能性は感じているし、そこは目指してやっていきたい」
状態が悪い中でも四球を選んでチャンスメイクし、ここぞの場面では試合を決める一打をマーク。キャプテン2年目の自覚と責任感が気持ちを切らさず、後半戦の爆発を予感させるパフォーマンスにつながった。
「悪くなると僕の性格上、強引になってきやすいし、バーっと切れちゃったりする。今年はすごく少ないし、『もういいやー』というのはなくすようにしている。打ちにいった中でボール球を打たないことは打率とかにすごく関係してくる大事なこと。また、最初の4月、5月ぐらいの(調子が)いいときが、もう1回2回ぐらいきてくれたら、打率はもっと上がってくると思う」
どうしても逆転優勝を成し遂げたい理由がある。レギュラーに定着したプロ2年目の08年から昨年までともに選手として汗を流した由伸監督を胴上げしたい一心だ。
「選手を信頼して何とかしてくれというのは感じる。ベンチでずっと微動だにしないので、僕ら選手も落ち着いて野球ができるなとは思う。そりゃ勝っていてもベンチを蹴り上げたいときも絶対にあるだろうし、でも、そういうのは僕らに見せないようにして、僕らができるだけプレーに集中できるように、と思ってやってくれているのはすごく感じる」
主将元年の昨季に比べ、投手野手を問わずリーダーシップを発揮している。
「今年はあんまり気も使わず、若い選手には投手野手関係なく言うことはちゃんと言っている。人前ではあんまりないですけど、食事に誘って言ったりとか。ピッチャーの若い子と食事に行くことはあんまりなかったけど、ピッチャーのみんなを誘って行ったこともある。去年よりはそういうことができていると思う。勝たなきゃ意味はないんだけど」
2年ぶりに選出された球宴では、15日の第1戦(ヤフオクD)で一発を放ち敢闘賞を獲得。休養日のこの日は、18日の阪神戦(甲子園)に向けて関西入りした。首位・広島との最大11・5ゲーム差をはねのけて優勝した96年の「メークドラマ」、首位・阪神と最大13差をひっくり返した08年の「メークレジェンド」に次ぐ、大逆転Vを果たす覚悟だ。
「可能性があるかぎりは常にそういう気持ちでやる。これから後半戦、もっともっとみんな良くなっていきそうな気配というか。もっともっと、みんなでバカバカ打って点を取る試合も作らないといけない。後半戦への入り方が大事。3つ取れるようにしたい」
巨人・高橋由伸監督(41)は昨年10月の就任会見で、V奪回のキーマンに阿部、長野、坂本、内海、菅野の5人を挙げた。それぞれが語るシーズン途中の中間報告。最終回は坂本勇人内野手(27)。頼れる主将は、首位の広島と10ゲーム差の危機的状況にも「どうにもならないとは全く思わない。全然チャンスがある」と断言。習得しつつある“ゴジラ打法”でチームを大逆転優勝に導くと誓った。
10ゲーム差をつけられても、百戦錬磨の主将の目には優勝の二文字しかなかった。後半戦スタートへ、坂本は首位の広島を追撃する決意を口にした。
「このゲーム差だし強いとは思うけど、今年は僕らが勝てる試合を取れなかったことがいっぱいあったので、強くてどうにもならないとは全く思わない。そういう試合を取っていればこんなゲーム差も開いてなかったし、全然チャンスがあるなって思う」
破壊力抜群の打線を擁するカープとは前半戦7勝6敗。他球団との対戦はもとより、残り12試合の直接対決を制して差を詰め、重圧をかけていく考えだ。
「特に、僕らみたいな何回も優勝しているチームがジワジワと近づいてきたら、広島の方が嫌だなって絶対に感じるはずなので。今のゲーム差ではプレッシャーも感じないので、相手がプレッシャーを感じる状況にしないといけない。直接対決を勝たないといけないし、何とか、何とか、という気持ちで一試合一試合やるしかない」
苦しみながらも、チームが2位につけた原動力は坂本のバットだった。前半戦は83試合出場で打率はリーグ4位の3割2分2厘、16本塁打、51打点。開幕前に掲げた打率3割、20本塁打のノルマを軽くクリアしそうな勢いで打ちまくった。
「打率はしっかりと残せているし、出塁率(4割1分7厘)もそれなりに残せている。長打もそれなりに打てている。キャンプからいろいろとやってきて、それが結果としてはいい方向に向かっているな、と。それなりにいい成績が出ているからといって、じゃあ、これぐらいでいいとは全然、思っていないし、もっともっと良くなるためにはどうしたらいいかと普段の練習からやっている」
2月には分からなかった“ゴジラの教え”を会得し、飛躍につなげた。宮崎の春季キャンプ。松井秀喜臨時コーチから、踏み出す左足と軸となる右足への体重のかけ方を、2対8もしくは1対9にする打法を教わった。
「自分で後ろ体重で打とうと思ったことはあんまりなかったし、最初は全然、何かオレにはそういう感覚はないのかな、と。やっぱり、合う合わないは絶対あるし、自分には合わないんだろうと思っていた。何がきっかけかは分からないが、今は2対8、1対9ぐらいのイメージで打ちにいっている。『松井さんが言っていたのはこういうことかな』と多少、分かってきた」
ただ、月間打率2割8分2厘に終わった6月は、感覚のズレを感じていた。
「4、5月とそれなりにいい感じできてたけど、ちょうど疲れがたまってくる6月は感覚がずっと悪かった。左足を上げたり、タイミングを取ったときに体が前に流れてしまう打席が多かった。意識しても、ちょっと突っ込んでしまったり、そういうのが多かった。それでも、良くない中で四球を選んだり、1本出せていたから、もっともっとできるかもしれないと自分でも可能性は感じているし、そこは目指してやっていきたい」
状態が悪い中でも四球を選んでチャンスメイクし、ここぞの場面では試合を決める一打をマーク。キャプテン2年目の自覚と責任感が気持ちを切らさず、後半戦の爆発を予感させるパフォーマンスにつながった。
「悪くなると僕の性格上、強引になってきやすいし、バーっと切れちゃったりする。今年はすごく少ないし、『もういいやー』というのはなくすようにしている。打ちにいった中でボール球を打たないことは打率とかにすごく関係してくる大事なこと。また、最初の4月、5月ぐらいの(調子が)いいときが、もう1回2回ぐらいきてくれたら、打率はもっと上がってくると思う」
どうしても逆転優勝を成し遂げたい理由がある。レギュラーに定着したプロ2年目の08年から昨年までともに選手として汗を流した由伸監督を胴上げしたい一心だ。
「選手を信頼して何とかしてくれというのは感じる。ベンチでずっと微動だにしないので、僕ら選手も落ち着いて野球ができるなとは思う。そりゃ勝っていてもベンチを蹴り上げたいときも絶対にあるだろうし、でも、そういうのは僕らに見せないようにして、僕らができるだけプレーに集中できるように、と思ってやってくれているのはすごく感じる」
主将元年の昨季に比べ、投手野手を問わずリーダーシップを発揮している。
「今年はあんまり気も使わず、若い選手には投手野手関係なく言うことはちゃんと言っている。人前ではあんまりないですけど、食事に誘って言ったりとか。ピッチャーの若い子と食事に行くことはあんまりなかったけど、ピッチャーのみんなを誘って行ったこともある。去年よりはそういうことができていると思う。勝たなきゃ意味はないんだけど」
2年ぶりに選出された球宴では、15日の第1戦(ヤフオクD)で一発を放ち敢闘賞を獲得。休養日のこの日は、18日の阪神戦(甲子園)に向けて関西入りした。首位・広島との最大11・5ゲーム差をはねのけて優勝した96年の「メークドラマ」、首位・阪神と最大13差をひっくり返した08年の「メークレジェンド」に次ぐ、大逆転Vを果たす覚悟だ。
「可能性があるかぎりは常にそういう気持ちでやる。これから後半戦、もっともっとみんな良くなっていきそうな気配というか。もっともっと、みんなでバカバカ打って点を取る試合も作らないといけない。後半戦への入り方が大事。3つ取れるようにしたい」