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ライオンズ躍進のポイントは若手。“おかわり二世”山川穂高に期待!

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↑ 3月10日の日ハム戦で本塁打を放つ山川。二軍では2年連続2桁本塁打を記録、オープン戦でも好調だ。[写真]

2014年ドラフト1位の森友哉、2015年ドラフト1位の高橋光成と、ここ2年間、ルーキーが1年目から一軍で活躍している西武ライオンズ。しかし両者とも春のキャンプは二軍からのスタートで、当初、首脳陣の構想では即戦力として計算されていなかった。

'14年の森はイースタン・リーグで3割以上の打率を残し、7月に一軍に昇格。'15年の高橋光もファームで4勝を挙げたのち、先発の頭数が足りないこともあって8月に昇格となった。今年もルーキーは全員、二軍キャンプからのスタート。オープン戦でも一軍出場はなく、ルーキーが開幕ベンチに入る可能性は極めて少ない。

 そんな中、新戦力として期待したいのが山川穂高だ。

 オープン戦では4割超えのアベレージを残し、3本塁打を記録(3月11日現在)。今年、入団3年目を迎える「おかわり二世」は一軍定着を目指して猛アピールを続けている。

どんな野球評論家より中村について詳しいのでは。

 176センチ、100キロの風格ある体型。ゆっくりと打席に入り、胸の前で静かにバットを構える姿は、遠目で見れば中村剛也と見紛うほどそっくりだ。それもそのはず。富士大時代から中村を手本にしようと、動画サイトで中村の打席を検索し続けた。横からのアングルだけではなく、キャッチャー側から、そしてバックスクリーン側からの映像をすべて探し出し、入念にチェック。本塁打王のフォームを真似てきたという。

「体型も似ていますし、アマチュア時代から憧れていて、どうしたらあんな打球が打てるのか、どうしたらあんなに力みなくバットを振ることができるのか、すごく研究しました」

 中村のバッティングのどんな部分を手本にしているのか尋ねると、目を輝かせてバッティング論を話し始める。どんな野球評論家より中村について詳しいのではないか。そんな風に感じるほど、中村について語る山川の姿は生き生きとしている。

昨季、出番がなかなか巡ってこなかった不運。

山川はルーキーイヤーには一軍で14試合に出場。ファームでも21本塁打を記録するなど、順調なプロ野球生活をスタートさせた。しかし2年目の昨年、開幕一軍を果たすものの、4月1日には二軍へ降格。その後、9月に再び一軍に登録されたが、1試合のみの出場に留まった。

右、左の違いはあるが、昨年は2年目の森友哉が大ブレイク。本家の中村も好調を維持しており、メヒア、中村と守備位置が同じ山川には出番がなかなか巡ってこなかった。同時に豪快なバッティングや、長打力をセールスポイントにするバッターが多い西武の稀有な選手層もあって、山川の長所が埋もれてしまう不運さもあった。

 山川は振り返る。

「昨年、二軍にいるときは『よし、行けるぞ』と前向きに打席に立てる日と、逆に弱気になってしまって打席に向かう日があって、気分にムラがあったと思います」

「中村さんのように力みなく振るのが理想」

 一日も早く一軍に上がりたい。そんな思いが焦りを生んだ。結果が出なければ、ヒットや本塁打を打ちたくて体に力が入る。練習では仕留められる甘いボールも、試合では打ち損じてしまう。その繰り返し――。

 本来は明るく、人懐っこい気質だが、そんな山川の表情が曇る日々が続いた。

「中村さんのように力みなく振るのが理想なんですけど、それは練習で習得できるものではないんですよね。自分の思い描いた通りにバットが出れば、力む必要はありません。力みの原因は気負いだったり、精神状態が大きくかかわっていると思います。まずはいいコンディションで、自信を持って打席に立つことが大事。

 もちろん3年目ということで結果を出さなければいけないという焦りはありますし、その危機感が野球をやる上で大事だということもわかっています。でも、がっつき過ぎるとうまくいかないと昨年、痛感しました。今はゴールだけを見て、シンプルに野球をしたいです」

ライオンズ躍進に欠かせない若手の成長。

 西武ライオンズは毎年、新年最初の恒例行事として、監督と選手によるトークショーを開催している。監督がその年、最も期待する選手を出演者に指名するのがこのイベントの慣例だ。

 そのトークショーに今年は高橋光成と山川が選ばれ、田邊徳雄監督とともにファンの前に立った。田邊監督の期待の大きさが表れている。

「うちは右の代打が手薄。山川にはぜひバッティングで信頼を得られるようになってほしい。昨年はベテランの中村がシーズン終盤、体の張りなどで欠場することも多かったので、サードの守備を磨いて、サードでも出場できることをアピールしてほしいですね」(田邊監督)

 レギュラーとそのほかの選手との実力差が大きく、故障者が出たときに苦戦を強いられてきた近年のライオンズを思えば、山川ら若手の成長がチームの躍進には欠かせない。

「年間を通じて自分のスタイルである長打力にはこだわりたいです。雑にならず、でも小さくもならず、自分の打ち方を追求していきたい。すぐにレギュラーというのは難しいかもしれませんけど、まずは代打を送る場面になったときに、真っ先に自分の名前を思い出してもらえるようになりたいですね」

 山川が憧れの人の座を脅かす存在になれば、チームにとってこれほど頼もしいことはない。

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