桜が満開のジャイアンツ球場で行われたイースタン・リーグを観戦する高橋監督。いよいよ開幕を迎えてスポーツ報知に熱い思いを激白した(カメラ・中島 傑)
巨人の開幕オーダー
プロ野球は30日、セ・パ両リーグが同時に開幕する。開幕を目前に控えた28日、巨人・高橋由伸監督(42)がスポーツ報知の独占インタビューに応じ、既に発表した開幕オーダーへの思いを激白した。吉川尚を「攻撃的な2番」として期待し、その上位打線には破壊力とスピードも絡める。オープン戦打点王の6番・岡本には「もっとやれる」とハードルを上げた。また、菅野、田口、山口俊、野上の先発4本柱にはキャリアハイの成績を求めるなど、攻守において熱く、幅広く語り尽くした。(取材、構成・水井 基博)
× × ×
開幕戦を2日後に控え、由伸巨人はG球場で調整した。午後5時から始まったナイター練習。指揮官はネット裏の一室で打撃練習を見ながら、インタビューに応じた。
「あっという間だったね。時間が足りないわけじゃないけど、短かったね」
2月1日から若手の底上げをテーマとし、約2か月が経過した。オープン戦を11勝5敗1分けの首位で終えた。岡本が15打点で打点王、吉川尚が打率2割9分6厘でチームトップの数字を示した。期待の2人が期待通りに出てきた。
「去年、若手が出てこなかった状況を考えると、頑張ったと思う。吉川は『開幕から行ってみよう』と思わせる頑張りを見せてくれた」
一線級の投手に対する対応力も見所だった。そんな中、全17試合を通して好不調の波が少なく戦えた点にも評価を与えた。
「シーズンに入れば好不調はたくさんある。何とか踏みとどまって1年をやってくれればいいね」
26日、由伸監督は財界人が集う「第26回 燦燦(さんさん)会総会」で開幕スタメンを発表した。吉川尚は「2番・二塁」での先発を勝ち取った。1番に陽を据え、スピードを生かした戦術も可能になった。
「陽は状態がいいし、一番打席が多く回ってくる中でパンチも欲しい。足も欲しい。出塁率も悪くなかったし、現状ではこの並びかなと。吉川はタイプ的にはバントや細かいことも必要かもしれないけど、左バッターで脚力がある。(陽と)いろんなことが出来る」
昨年は途中からマギーを2番に据えた。“攻撃型2番”として機能したが、吉川尚には足もある。指揮官は「うん、攻撃的なね。作戦の一つになると思う」と強攻策も辞さない考えを示した。今季は3番の坂本勇までスピードを生かせる。
「ゲレーロだって結構速いよ。走ったらね。全体的には長野だって、もうちょっと走れるはず。走れる選手はどんどん走っていい」
打って走れる上位打線、下位打線は一発長打を秘めた面々が並ぶ。6番・岡本、7番・長野。この並びの意図に即答した。
「岡本の方が打ってるからね。オープン戦の成績も含めて決めた。長野は物足りないから7番なんだよ」
指揮官が2月のキャンプ前からレギュラーとして名前を挙げたのは、坂本勇、マギー、ゲレーロの3人だけ。長野を「今までと見方は違う」と突き放し、競わせた。オープン戦の打率は2割2分2厘。それでもスタメンで送り出す。
「力はまだまだある選手。若手を何人か使った中で、まだ長野に勝てなかった」
本来の力を発揮すれば怖い存在に変わりはない。長野の前には岡本が座る。
「去年からすれば良く頑張った方かな。でも、もっと良くなってほしいし、もっとやってほしいという期待も願望もある。去年よりも期待させるところまでは来たのかなと思う。ランナーをかえす結果も残せたし、シーズンでも同じような結果を残してほしい」
もちろん吉川尚も岡本も、シーズン143試合は未知の世界。若手が一人前に育つには、監督の我慢も必要になる。
「我慢しなくちゃいけないところはするし、育てることは大事だけど、あいつらを育てるためにやっているわけじゃなくて、他にも選手はいる。何でもかんでも我慢とは思っていないよ。ただ、必要な我慢はしなくちゃいけない。きっちりとした線はないわけだから」
巨人の開幕オーダー
プロ野球は30日、セ・パ両リーグが同時に開幕する。開幕を目前に控えた28日、巨人・高橋由伸監督(42)がスポーツ報知の独占インタビューに応じ、既に発表した開幕オーダーへの思いを激白した。吉川尚を「攻撃的な2番」として期待し、その上位打線には破壊力とスピードも絡める。オープン戦打点王の6番・岡本には「もっとやれる」とハードルを上げた。また、菅野、田口、山口俊、野上の先発4本柱にはキャリアハイの成績を求めるなど、攻守において熱く、幅広く語り尽くした。(取材、構成・水井 基博)
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開幕戦を2日後に控え、由伸巨人はG球場で調整した。午後5時から始まったナイター練習。指揮官はネット裏の一室で打撃練習を見ながら、インタビューに応じた。
「あっという間だったね。時間が足りないわけじゃないけど、短かったね」
2月1日から若手の底上げをテーマとし、約2か月が経過した。オープン戦を11勝5敗1分けの首位で終えた。岡本が15打点で打点王、吉川尚が打率2割9分6厘でチームトップの数字を示した。期待の2人が期待通りに出てきた。
「去年、若手が出てこなかった状況を考えると、頑張ったと思う。吉川は『開幕から行ってみよう』と思わせる頑張りを見せてくれた」
一線級の投手に対する対応力も見所だった。そんな中、全17試合を通して好不調の波が少なく戦えた点にも評価を与えた。
「シーズンに入れば好不調はたくさんある。何とか踏みとどまって1年をやってくれればいいね」
26日、由伸監督は財界人が集う「第26回 燦燦(さんさん)会総会」で開幕スタメンを発表した。吉川尚は「2番・二塁」での先発を勝ち取った。1番に陽を据え、スピードを生かした戦術も可能になった。
「陽は状態がいいし、一番打席が多く回ってくる中でパンチも欲しい。足も欲しい。出塁率も悪くなかったし、現状ではこの並びかなと。吉川はタイプ的にはバントや細かいことも必要かもしれないけど、左バッターで脚力がある。(陽と)いろんなことが出来る」
昨年は途中からマギーを2番に据えた。“攻撃型2番”として機能したが、吉川尚には足もある。指揮官は「うん、攻撃的なね。作戦の一つになると思う」と強攻策も辞さない考えを示した。今季は3番の坂本勇までスピードを生かせる。
「ゲレーロだって結構速いよ。走ったらね。全体的には長野だって、もうちょっと走れるはず。走れる選手はどんどん走っていい」
打って走れる上位打線、下位打線は一発長打を秘めた面々が並ぶ。6番・岡本、7番・長野。この並びの意図に即答した。
「岡本の方が打ってるからね。オープン戦の成績も含めて決めた。長野は物足りないから7番なんだよ」
指揮官が2月のキャンプ前からレギュラーとして名前を挙げたのは、坂本勇、マギー、ゲレーロの3人だけ。長野を「今までと見方は違う」と突き放し、競わせた。オープン戦の打率は2割2分2厘。それでもスタメンで送り出す。
「力はまだまだある選手。若手を何人か使った中で、まだ長野に勝てなかった」
本来の力を発揮すれば怖い存在に変わりはない。長野の前には岡本が座る。
「去年からすれば良く頑張った方かな。でも、もっと良くなってほしいし、もっとやってほしいという期待も願望もある。去年よりも期待させるところまでは来たのかなと思う。ランナーをかえす結果も残せたし、シーズンでも同じような結果を残してほしい」
もちろん吉川尚も岡本も、シーズン143試合は未知の世界。若手が一人前に育つには、監督の我慢も必要になる。
「我慢しなくちゃいけないところはするし、育てることは大事だけど、あいつらを育てるためにやっているわけじゃなくて、他にも選手はいる。何でもかんでも我慢とは思っていないよ。ただ、必要な我慢はしなくちゃいけない。きっちりとした線はないわけだから」