笑顔で練習を見つめる高橋監督
巨人の開幕オーダー
プロ野球は30日、セ・パ両リーグが同時に開幕する。開幕を目前に控えた28日、巨人・高橋由伸監督(42)がスポーツ報知の独占インタビューに応じ、既に発表した開幕オーダーへの思いを激白した。吉川尚を「攻撃的な2番」として期待し、その上位打線には破壊力とスピードも絡める。オープン戦打点王の6番・岡本には「もっとやれる」とハードルを上げた。また、菅野、田口、山口俊、野上の先発4本柱にはキャリアハイの成績を求めるなど、攻守において熱く、幅広く語り尽くした。(取材、構成・水井 基博)
× × ×
一塁を争った阿部は、けが以外では初めて開幕スタメンを外れることになる。
「ここぞという時はやっぱり慎之助の経験、技術、力が必要になる。岡本がだらしなかったら頑張ってもらわないといけないしね。いろんな意味で全員をバックアップしてほしい。精神的支柱? それもあるね」
由伸監督に「阿部は代打の切り札か?」と問うと、ひと言に力を込めた。
「当然!」
その上で「右も左も誰のところでも行かせられる」と絶大な信頼を寄せた。
スタメンマスクには小林を指名した。だが課題の打撃面に改善が見られていない。オープン戦は2安打に終わり、打率7分4厘。
「小林が打つ打たないで打線は変わってくる。オープン戦を見る限りは正直、困ったなあと思っている」
光ったのが新人・大城のバッティングだ。
「いい意味で、思ったより良かった。それは(田中)俊太もそうだし、若林も意外にやるなあ、と。大城は小林と併用? なるかどうかは分からないけど、可能性は十分にあるよね」
若手の台頭も目立つ。だが一番の収穫は、破壊力満点の4番・ゲレーロがいることだ。
「ここ数年は4番バッターがいなかったからね。そういう見えない部分で周りに影響があったとも思う。一発って相手からしたら一番警戒するし、一番防がないといけない。こっちだって防ぎたい。そこを警戒しなくちゃいけないのは、いろんな意味でチームに影響があるのかなと思う」
攻撃で目標となるのは、昨年の広島との「1・5倍」の差を埋めること。152本塁打のカープに、巨人は113本。得点数は広島の736点から200点も少なかった。差が埋まる手応えはあるのか。
「そればかりはシーズンが始まらないと分からない。ただオープン戦だけで言えば、期待できるし、楽しみな部分は増えたね」
野手での新戦力がゲレーロなら、投手陣には野上がいる。山口俊も昨年は投げていないに等しい。昨年14勝を挙げたマイコラスの穴は課題だったが、埋まったのか。指揮官は静かに首を横に振った。
「いないもんはいない。今年は今年。先発投手のそれぞれがね、理想はキャリアハイを残してくれればいい」
菅野、田口は計算できる。山口俊、野上と“4本柱”になることを期待する。
「大事なことは1年間しっかりと回ること。4人にとっての使命だね」
リリーバーも強力になった。昨年からのカミネロ、マシソンに、沢村と上原が加わった。だが、先発には救援陣を考えずに役割を全うすることを求める。
「そこに頼って投げるのは違う。先発は1イニングでも多く投げてくれることが理想だよ。ギアを入れたり、少し緩めたりが先発ピッチャーの技術だと思う」
勝利の方程式に入る4人をどう使い分けるのか。
「戦い方が全然変わるよね。みんなが7、8、9回のどこでも行けるピッチャーだと思っているから。相手打者の右も左も関係ない。でも、この4人が毎日1イニングずつ投げていたら、壊れてしまう。彼らの誰かが欠けたらチームの力が落ちる。1年間、投げ切ってもらうことが大事」
上原は同い年の良き仲間だ。そんな関係でもやりづらさはないという。
「入ってくれたことは大きい。あれだけの実績をあげた投手だから。一人二人増えるというのは他にもいい影響を与える。負担が分散されるのは選手にとって非常にいいことだから」
昨年、11年ぶりのBクラスに沈んだ屈辱は糧となり、新チームに反映された。いざ、開幕。オープン戦首位が本物であることを証明する。できるはずだ。
巨人の開幕オーダー
プロ野球は30日、セ・パ両リーグが同時に開幕する。開幕を目前に控えた28日、巨人・高橋由伸監督(42)がスポーツ報知の独占インタビューに応じ、既に発表した開幕オーダーへの思いを激白した。吉川尚を「攻撃的な2番」として期待し、その上位打線には破壊力とスピードも絡める。オープン戦打点王の6番・岡本には「もっとやれる」とハードルを上げた。また、菅野、田口、山口俊、野上の先発4本柱にはキャリアハイの成績を求めるなど、攻守において熱く、幅広く語り尽くした。(取材、構成・水井 基博)
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一塁を争った阿部は、けが以外では初めて開幕スタメンを外れることになる。
「ここぞという時はやっぱり慎之助の経験、技術、力が必要になる。岡本がだらしなかったら頑張ってもらわないといけないしね。いろんな意味で全員をバックアップしてほしい。精神的支柱? それもあるね」
由伸監督に「阿部は代打の切り札か?」と問うと、ひと言に力を込めた。
「当然!」
その上で「右も左も誰のところでも行かせられる」と絶大な信頼を寄せた。
スタメンマスクには小林を指名した。だが課題の打撃面に改善が見られていない。オープン戦は2安打に終わり、打率7分4厘。
「小林が打つ打たないで打線は変わってくる。オープン戦を見る限りは正直、困ったなあと思っている」
光ったのが新人・大城のバッティングだ。
「いい意味で、思ったより良かった。それは(田中)俊太もそうだし、若林も意外にやるなあ、と。大城は小林と併用? なるかどうかは分からないけど、可能性は十分にあるよね」
若手の台頭も目立つ。だが一番の収穫は、破壊力満点の4番・ゲレーロがいることだ。
「ここ数年は4番バッターがいなかったからね。そういう見えない部分で周りに影響があったとも思う。一発って相手からしたら一番警戒するし、一番防がないといけない。こっちだって防ぎたい。そこを警戒しなくちゃいけないのは、いろんな意味でチームに影響があるのかなと思う」
攻撃で目標となるのは、昨年の広島との「1・5倍」の差を埋めること。152本塁打のカープに、巨人は113本。得点数は広島の736点から200点も少なかった。差が埋まる手応えはあるのか。
「そればかりはシーズンが始まらないと分からない。ただオープン戦だけで言えば、期待できるし、楽しみな部分は増えたね」
野手での新戦力がゲレーロなら、投手陣には野上がいる。山口俊も昨年は投げていないに等しい。昨年14勝を挙げたマイコラスの穴は課題だったが、埋まったのか。指揮官は静かに首を横に振った。
「いないもんはいない。今年は今年。先発投手のそれぞれがね、理想はキャリアハイを残してくれればいい」
菅野、田口は計算できる。山口俊、野上と“4本柱”になることを期待する。
「大事なことは1年間しっかりと回ること。4人にとっての使命だね」
リリーバーも強力になった。昨年からのカミネロ、マシソンに、沢村と上原が加わった。だが、先発には救援陣を考えずに役割を全うすることを求める。
「そこに頼って投げるのは違う。先発は1イニングでも多く投げてくれることが理想だよ。ギアを入れたり、少し緩めたりが先発ピッチャーの技術だと思う」
勝利の方程式に入る4人をどう使い分けるのか。
「戦い方が全然変わるよね。みんなが7、8、9回のどこでも行けるピッチャーだと思っているから。相手打者の右も左も関係ない。でも、この4人が毎日1イニングずつ投げていたら、壊れてしまう。彼らの誰かが欠けたらチームの力が落ちる。1年間、投げ切ってもらうことが大事」
上原は同い年の良き仲間だ。そんな関係でもやりづらさはないという。
「入ってくれたことは大きい。あれだけの実績をあげた投手だから。一人二人増えるというのは他にもいい影響を与える。負担が分散されるのは選手にとって非常にいいことだから」
昨年、11年ぶりのBクラスに沈んだ屈辱は糧となり、新チームに反映された。いざ、開幕。オープン戦首位が本物であることを証明する。できるはずだ。