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中日・荒木が「俺より練習している」と認める選手は

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荒木

 あれは昨夏の終わりの都内のホテルだった。企画の取材で衣笠祥雄氏に対面する機会に恵まれた。

 「最近、2000安打を達成する人は増えているのに、2500安打に届く人はなかなかいないでしょ。どうしてなのかな?」

 元祖鉄人は19年の実働年数で歴代5位タイとなる通算2543安打をマーク。「自分が打ったから言うわけじゃない」と前置きした上で、素朴な疑問を投げかけられた。

 NPB通算2000安打の達成者がちょうど50人を数える中、21世紀に入って到達したプレーヤーが、21人いる。年間1人以上のペースだ。ただ、その中で2500安打まで記録を伸ばしたのは、金本知憲氏(現阪神監督)のただ1人しかいない。

 プロ野球人は偉業を成し遂げた時「あくまで通過点」と口をそろえるが、2000本ものヒットを積み重ねるには、幾年もの歳月がかかってしまう。本人も、雇い主の球団も、名球会入りを「区切り」ととらえる傾向が強いのは事実だろう。

 「コイツは俺よりも間違いなく練習しているなと思ったよ。やっぱり年下だけど、学ぶことはいっぱいあるなと思ってね」

 昨年6月に2000安打を達成した中日・荒木と先日、偶然顔を合わせた。真っ先に話題に出たのが、昨年12月の名球会イベントのエピソードだった。

 「ハワイでゴルフの出発バスが朝の5時半に出ることになっていた。眠いなと思って集合場所に行ったら、鳥谷が『走って来ました!』って言うんだよ。アイツはウェートとかもしているから、4時よりも早く起きて、体を動かしていたんじゃないかな」

 かねてから阪神・鳥谷のストイックな姿勢を伝え聞いていたが、現実を目の当たりにし、驚くしかなかった。ただ、感心ばかりしていたわけではない。

 今春のキャンプで、荒木は宿舎周辺をランニングしてから沖縄・読谷球場に入っていた。

 「ホテルから球場までだと距離が短いから、少し回り道してね」

 いつの間にか月間走行距離が3ケタに届いていた。もちろんその後、若手選手に交じって、通常のメニューをこなしてきたのだ。ベンチ登録上は解消したものの、今年からコーチ兼任の肩書も背負う荒木は言う。

 「今が一番練習している。若い選手も僕のことを見ていると思いますからね」

 2023安打の荒木は昨年9月に40歳となり、2015安打の鳥谷も37歳シーズンに挑む。ブレイク間近の若手に注目の集まる球春だが、時代の流れにあらがう生き様にも、ついつい惹(ひ)かれてしまう。

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