入団会見でユニホームに袖を通したゲレーロは、早速打撃フォームを披露した(カメラ・関口 俊明)
1軍キャンプ参加の新戦力
巨人の新外国人、アレックス・ゲレーロ外野手(31)が28日、成田空港着の航空機で来日した。昨季35発を放ったセ・リーグ本塁打王は、巨人助っ人史上2人目となる全試合出場を誓った。由伸監督も4番の最有力候補として期待するVの使者は、4番の重責も強く認識。「日本で一番歴史と伝統のある巨人軍の4番。責任と同時にその立場を喜びと感じたい」と重圧を力に変え、東京Dにいくつものアーチを懸けるつもりだ。
自然と顔に笑みが広がった。ゲレーロは背番号5のユニホームに袖を通すと、少年のように顔を崩した。「巨人の選手として日本に来られて、気が引き締まる思いです。ベストを尽くして優勝に一歩でも近づけるように、力を出し切りたい」と力強く決意を表明した。
謙虚な姿勢が際立った。昨季所属した中日では来日1年目ながら35本塁打を放ち、本塁打王。「自分は本塁打バッター。パワーが売りだと自負している」。アピールポイントは当然、長打力と胸を張ったが、個人目標の大風呂敷は広げなかった。「数字は、毎試合出る目標を達成することで付いてくるもの。とにかく毎試合出ることを目標に力を尽くしたい」。巨人の外国人では08~10年のラミレス以来2人目となる全試合出場を約束した。
由伸監督からは4番の役割を期待されている。覚悟は既に決めている。「4番が日本の野球界でどういう意味を持つかは知っているつもりです。それが日本で一番歴史と伝統のある巨人軍の4番となればなおさらです。そうなるならば責任と同時にその立場を喜びと感じて、より自分の力を発揮したい」と開幕から第88代4番を全うするつもり。巨人加入1年目で開幕4番を務めた外国人は、過去に06年の李承ヨプと16年のギャレットしかいない。
昨季のチーム本塁打数はリーグトップの広島より39本少ない113本。会見に同席した鹿取GMは「うちの課題は攻撃力。得点力の向上へその原動力となる」と獲得理由を説明。東京Dより広いナゴヤDを本拠地にしながら35発を放ったことを引き合いに出し「東京DはナゴヤDより本塁打が出やすいと言われている。さらなる上積みがあるんじゃないかと思っています」と期待を隠さない。ゲレーロも「2年連続本塁打王は響きとして魅力的な言葉だと思うけど、まずは健康な体を維持し、毎試合出ることを心がける」と、ここでも全試合プレーを誓った。全試合出られれば2年連続本塁打王は十分可能―。そんな自信の裏返しだ。
昨年対戦していて印象に残った巨人選手に菅野や坂本勇らを挙げ、共に戦える喜びを感じている。「とにかく目の前の試合を勝っていき、プレーオフ優勝、日本シリーズ優勝へチームの力になっていきたい」。30日にG球場で体を動かし、31日に宮崎入りする予定。頼れる主砲が、秋に必ず歓喜をもたらす。(西村 茂展)
◆アレックス・ゲレーロ(Alex Guerrero)1986年11月20日、キューバ生まれ。31歳。2013年に亡命し、同年ドジャースと総額2800万ドル(約31億3000万円)の4年契約を結んだ。14年にメジャー初昇格。メジャー通算117試合、打率2割2分4厘、11本塁打、36打点。昨季から中日でプレーし、130試合で打率2割7分9厘、本塁打王となる35発、86打点をマーク。182センチ、99キロ。右投右打。年俸3億円。