天龍源一郎(右)とスタン・ハンセンの龍艦砲(C)日本テレビ/テレビ朝日/新日本プロレスリング・天龍プロジェクト
初代三冠ヘビー級王者のジャンボ鶴田さん(享年49)のDVDボックス「ジャンボ鶴田伝説」(バップ、5枚組、1万8000円+税)が11月に発売されたことは、以前このコラムで取り上げたが、亡くなったのは2000年で、節目ではないタイミングでの発売は、どういう意味があるのだろうかという疑問を残したままだった。
発売元のバップに聞いてみると「全日本プロレスが45周年ということで、全日本といえばジャンボ鶴田さんしかいないということになり、昨年の長州力さん、一昨年の天龍源一郎さんに続いて、往年のプロレスラーシリーズとしての発売となりました」とのことだった。
このコラムでも長州力(65)の名勝負を収録した「長州力DVD-BOX革命の系譜 新日本プロレス&全日本プロレス 激闘名勝負集」(8枚組、3万2400円)は取り上げているが、「天龍源一郎引退記念 全日本プロレス&新日本プロレス激闘の軌跡 DVD-BOX」(6枚組、2万4000+税)はノーチェックだった。そこで天龍編を見てみた。
テレビ局の契約問題でノーテレビだった1990年2月10日、東京ドームでの新日本プロレス(テレビ朝日)VS全日本プロレス(日本テレビ)の対抗戦となった長州力&ジョージ高野VS天龍源一郎&タイガーマスクというお宝が収録されていたのはうれしい。
さらに天龍がジャイアント馬場、アントニオ猪木の両巨頭を撃破した試合も収録されている。1989年11月29日、札幌中島体育センターでのジャイアント馬場&ラッシャー木村VS天龍源一郎&スタン・ハンセンと1994年1月4日、東京ドームでのアントニオ猪木VS天龍源一郎だ。
特に天龍と“不沈艦”ハンセンの“龍艦砲”の勢いがすごい。以前、このコラムで「オールタイム世界最強タッグは?」とネタにしたところ、ハンセン&ブルーザー・ブロディの“超獣”ミラクルパワーコンビの最強説が根強かったが、“龍艦砲”を推す声も多かった。
ハンセンのパートナーとして大成したのは、ディック・マードック(テキサス・ロングホーンズ)、ロン・バス、テッド・デビアス、テリー・ゴディがいたが、ブロディ亡き後に大役を担ったのが天龍だった。力道山(大相撲)の流れをくむ日本のプロレスとハンセンのアメリカン・プロレスの融合は、御大・馬場さんが認めざるを得なかったのだ。その“龍艦砲”を撃破したのは、スティーブ・ウイリアムス&テリー・ゴディの“殺人魚雷コンビ”だったが、それはまた次の話で…。金曜8時のプロレスコラムは、来年も続投します。(酒井 隆之)
◆「天龍源一郎 激闘の軌跡」主な収録試合
▽国内デビュー戦 ジャイアント馬場&天竜VSマリオ・ミラノ&メヒコ・グランデ(1977年6月11日、世田谷区体育館)
▽ランバージャックデスマッチ 天龍源一郎VS上田馬之助(1983年3月1日、秋田市立体育館)
▽インターナショナルタッグ選手権試合 ジャンボ鶴田&天龍源一郎=王者組=VSザ・ロード・ウォリアーズ=挑戦者組=(1985年3月9日、両国国技館)
▽特別試合 天龍源一郎VS長州力(1985年6月21日、日本武道館)
▽特別試合 天龍源一郎VS長州力(1986年9月3日、大阪城ホール)
▽インターナショナルタッグ選手権試合 長州力&谷津嘉章=王者組=VSジャンボ鶴田&天龍源一郎=挑戦者組=(1987年2月5日、札幌中島体育センター)
▽輪島大士&石川敬士VS天龍源一郎&阿修羅原(1987年6月8日、福岡国際センター)
▽三冠統一戦 天龍源一郎=PWF&UN王者=VSブルーザー・ブロディ=インター王者=1988年4月15日、大阪府立体育会館
▽PWF&UNヘビー級ダブル選手権試合 天龍源一郎=王者=VSスタン・ハンセン=挑戦者=(1988年7月27日、長野市民体育館)
▽三冠ヘビー級選手権試合 ジャンボ鶴田=王者=VS天龍源一郎=挑戦者=(1989年6月5日、日本武道館)
▽世界タッグ選手権試合 ジャンボ鶴田&谷津嘉章=王者組=VS天龍源一郎&スタン・ハンセン=挑戦者組=(1989年7月11日、札幌中島体育センター)
▽天龍源一郎&タイガーマスクVS長州力&ジョージ高野(1990年2月10日、東京ドーム)
▽三冠ヘビー級選手権試合 ジャンボ鶴田=王者=VS天龍源一郎=挑戦者=(1990年4月19日、横浜文化体育館)
▽天龍源一郎&馳浩VS川田利明&佐々木健介(2001年1月28日、東京ドーム)
▽天龍源一郎&石川敬士VS藤波辰爾&長州力(1993年3月23日、東京体育館)
▽天龍源一郎&阿修羅原VS藤波辰爾&蝶野正洋(1993年7月14日、札幌中島体育センター)
▽天龍源一郎&北原光騎VS藤波辰爾&獣神サンダー・ライガー(1993年8月3日、両国国技館)
▽天龍源一郎VS馳浩(1993年9月23日、横浜アリーナ)
▽天龍源一郎&スーパー・ストロング・マシンVS越中詩郎&後藤達俊(1993年12月10日、愛知県体育館)
▽天龍源一郎VS橋本真也(1999年6月8日、日本武道館)
▽天龍源一郎VS佐々木健介(1999年10月11日、東京ドーム)
▽天龍源一郎&越中詩郎VS藤波辰爾&飯塚高史(1999年12月5日、愛知県体育館)
▽IWGPヘビー級選手権試合 天龍源一郎=挑戦者=VS武藤敬司=王者=(1999年12月10日、大阪府立体育会館)
▽天龍源一郎VS安田忠夫(2004年3月21日、尼崎市記念公園総合体育館)
▽天龍源一郎&安田忠夫VS天山広吉&西村修(2004年6月5日、大阪府立体育会館)
▽G1クライマックス決勝トーナメント準決勝 天龍源一郎VS棚橋弘至(2004年8月15日、両国国技館)
初代三冠ヘビー級王者のジャンボ鶴田さん(享年49)のDVDボックス「ジャンボ鶴田伝説」(バップ、5枚組、1万8000円+税)が11月に発売されたことは、以前このコラムで取り上げたが、亡くなったのは2000年で、節目ではないタイミングでの発売は、どういう意味があるのだろうかという疑問を残したままだった。
発売元のバップに聞いてみると「全日本プロレスが45周年ということで、全日本といえばジャンボ鶴田さんしかいないということになり、昨年の長州力さん、一昨年の天龍源一郎さんに続いて、往年のプロレスラーシリーズとしての発売となりました」とのことだった。
このコラムでも長州力(65)の名勝負を収録した「長州力DVD-BOX革命の系譜 新日本プロレス&全日本プロレス 激闘名勝負集」(8枚組、3万2400円)は取り上げているが、「天龍源一郎引退記念 全日本プロレス&新日本プロレス激闘の軌跡 DVD-BOX」(6枚組、2万4000+税)はノーチェックだった。そこで天龍編を見てみた。
テレビ局の契約問題でノーテレビだった1990年2月10日、東京ドームでの新日本プロレス(テレビ朝日)VS全日本プロレス(日本テレビ)の対抗戦となった長州力&ジョージ高野VS天龍源一郎&タイガーマスクというお宝が収録されていたのはうれしい。
さらに天龍がジャイアント馬場、アントニオ猪木の両巨頭を撃破した試合も収録されている。1989年11月29日、札幌中島体育センターでのジャイアント馬場&ラッシャー木村VS天龍源一郎&スタン・ハンセンと1994年1月4日、東京ドームでのアントニオ猪木VS天龍源一郎だ。
特に天龍と“不沈艦”ハンセンの“龍艦砲”の勢いがすごい。以前、このコラムで「オールタイム世界最強タッグは?」とネタにしたところ、ハンセン&ブルーザー・ブロディの“超獣”ミラクルパワーコンビの最強説が根強かったが、“龍艦砲”を推す声も多かった。
ハンセンのパートナーとして大成したのは、ディック・マードック(テキサス・ロングホーンズ)、ロン・バス、テッド・デビアス、テリー・ゴディがいたが、ブロディ亡き後に大役を担ったのが天龍だった。力道山(大相撲)の流れをくむ日本のプロレスとハンセンのアメリカン・プロレスの融合は、御大・馬場さんが認めざるを得なかったのだ。その“龍艦砲”を撃破したのは、スティーブ・ウイリアムス&テリー・ゴディの“殺人魚雷コンビ”だったが、それはまた次の話で…。金曜8時のプロレスコラムは、来年も続投します。(酒井 隆之)
◆「天龍源一郎 激闘の軌跡」主な収録試合
▽国内デビュー戦 ジャイアント馬場&天竜VSマリオ・ミラノ&メヒコ・グランデ(1977年6月11日、世田谷区体育館)
▽ランバージャックデスマッチ 天龍源一郎VS上田馬之助(1983年3月1日、秋田市立体育館)
▽インターナショナルタッグ選手権試合 ジャンボ鶴田&天龍源一郎=王者組=VSザ・ロード・ウォリアーズ=挑戦者組=(1985年3月9日、両国国技館)
▽特別試合 天龍源一郎VS長州力(1985年6月21日、日本武道館)
▽特別試合 天龍源一郎VS長州力(1986年9月3日、大阪城ホール)
▽インターナショナルタッグ選手権試合 長州力&谷津嘉章=王者組=VSジャンボ鶴田&天龍源一郎=挑戦者組=(1987年2月5日、札幌中島体育センター)
▽輪島大士&石川敬士VS天龍源一郎&阿修羅原(1987年6月8日、福岡国際センター)
▽三冠統一戦 天龍源一郎=PWF&UN王者=VSブルーザー・ブロディ=インター王者=1988年4月15日、大阪府立体育会館
▽PWF&UNヘビー級ダブル選手権試合 天龍源一郎=王者=VSスタン・ハンセン=挑戦者=(1988年7月27日、長野市民体育館)
▽三冠ヘビー級選手権試合 ジャンボ鶴田=王者=VS天龍源一郎=挑戦者=(1989年6月5日、日本武道館)
▽世界タッグ選手権試合 ジャンボ鶴田&谷津嘉章=王者組=VS天龍源一郎&スタン・ハンセン=挑戦者組=(1989年7月11日、札幌中島体育センター)
▽天龍源一郎&タイガーマスクVS長州力&ジョージ高野(1990年2月10日、東京ドーム)
▽三冠ヘビー級選手権試合 ジャンボ鶴田=王者=VS天龍源一郎=挑戦者=(1990年4月19日、横浜文化体育館)
▽天龍源一郎&馳浩VS川田利明&佐々木健介(2001年1月28日、東京ドーム)
▽天龍源一郎&石川敬士VS藤波辰爾&長州力(1993年3月23日、東京体育館)
▽天龍源一郎&阿修羅原VS藤波辰爾&蝶野正洋(1993年7月14日、札幌中島体育センター)
▽天龍源一郎&北原光騎VS藤波辰爾&獣神サンダー・ライガー(1993年8月3日、両国国技館)
▽天龍源一郎VS馳浩(1993年9月23日、横浜アリーナ)
▽天龍源一郎&スーパー・ストロング・マシンVS越中詩郎&後藤達俊(1993年12月10日、愛知県体育館)
▽天龍源一郎VS橋本真也(1999年6月8日、日本武道館)
▽天龍源一郎VS佐々木健介(1999年10月11日、東京ドーム)
▽天龍源一郎&越中詩郎VS藤波辰爾&飯塚高史(1999年12月5日、愛知県体育館)
▽IWGPヘビー級選手権試合 天龍源一郎=挑戦者=VS武藤敬司=王者=(1999年12月10日、大阪府立体育会館)
▽天龍源一郎VS安田忠夫(2004年3月21日、尼崎市記念公園総合体育館)
▽天龍源一郎&安田忠夫VS天山広吉&西村修(2004年6月5日、大阪府立体育会館)
▽G1クライマックス決勝トーナメント準決勝 天龍源一郎VS棚橋弘至(2004年8月15日、両国国技館)