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岐路に立たされる“松坂世代”望まれる完全燃焼できる場所

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ソフトバンクを退団し再起にかける松坂大輔、来季もこの雄姿が見られるか

 松坂世代と呼ばれる1980年生まれのプロ野球選手たちに、今オフは去就の話題が多い。松坂大輔投手(元ソフトバンク)、村田修一内野手(元巨人)、久保康友投手(元DeNA)と、プロ野球界を引っ張ってきた選手たちの所属先が(12月18日現在)決まっていない。阪神も松坂の獲得を見送ったことが明らかになり、台湾球界へ挑戦という話も飛び出した。黄金世代もやはり、時の流れには勝てない。

 サッカー界で『〇〇世代』といえば、1979年生まれの選手たち。小野伸二や稲本潤一(ともに札幌)、遠藤保仁(G大阪、80年の早生まれ)、小笠原満男(鹿島)らがJ1でプレーしている。また、カテゴリーを下げて今季J3の北九州でプレーした本山雅志(元鹿島)のような選手もいる。出場機会は減少傾向にはあるが、まだまだ第一線で奮闘している印象が強い。

 両スポーツを比較してみると、どこか野球界の方が急速に世代交代が進む感がある。もちろんスポーツの特性など、数々の要素がある。しかし一番は、下部リーグの有無だろう。サッカーにはJ2、J3という下部リーグが組織されているが、日本プロ野球機構にはない。小野伸二は14年に当時J2の札幌に加入。そして今季札幌の昇格に伴い、J1の舞台に返り咲いた。カテゴリーを下げても、昇格という熱い目標を胸に現役を続けるベテランも多い。

 現在のプロ野球界では、1軍で出場機会を失うと、すぐに引退がちらつく。今季、ベースボール・ファースト・リーグ(BFL)の兵庫ブルーサンダーズでプレーした元阪神・井川慶投手(38)のように、独立リーグからNPB復帰を目指す選手は少数派だ。野球界にも下部リーグを創設するというアイデアは、夢物語かもしれない。しかし体が動くのに、やりがいがある働き場所を見つけられずユニホームを脱ぐ選手が出ることは悲しすぎる。

 アスリートにとって、完全燃焼して引退することが理想だろう。少しでもその理想に近づき、納得してユニホームを脱げる選手を増やすことは、日本プロ野球界にとって永遠の課題になるはずだ。(記者コラム・金川 誉)

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