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改修計画発表会見で西武・秋山が鳴らした警鐘「生かすも殺すも、選手次第」

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↑発表された西武のメットライフドームの改修イメージ図(球団提供)

 11月15日のことだった。西武・秋山翔吾外野手(29)の姿は、都内で行われた本拠地・メットライフドーム周辺の改修計画に関する発表会見にあった。約180億円をかけて、老朽化が目立つ室内練習場や若獅子寮を新設する一大事業が明かされたが、終了後に秋山のプロ意識の高さを目の当たりにした。

 室内練習場は、現在のものに比べて打撃レーンが増設される予定。そのことについて、報道陣から「試合後、すぐに打撃練習をすることが可能になりますね」と質問が飛んだ。秋山は一瞬考えた後、厳しい表情で答えた。

 「今も(練習は)できる。やらない人間が多いなと思います。これで施設が良くなってからやるんだったら、今からやっておくべきだと本当に思います」

 秋山だからこそ言える言葉だと思った。実際に記者は、シーズン中から試合後に室内練習場に足を運び、打撃マシンを相手に黙々と快音を響かせる姿を何度も見た。疲労が蓄積する夏場、シーズン終盤の心身をすり減らすような順位争いのさなかでも、球界屈指の安打製造機は理想の打撃を求めて汗を流し続けてきた。誰よりもバットを振り込んできた―。そう自信を持てるからこその言葉だと感じた。

 大幅な施設改修で、選手の育成環境が整うことはプラスの面が多い。だが、忘れてはならないのは、いくら優れた環境があっても、それを活用できるかは選手自身の意識に託されるということだ。そのことを自身の肝に銘じるように、秋山はキッパリと言った。

 「生かすも殺すも、最終的には選手次第だと思います」

 今季、185安打、打率3割2分2厘で最多安打、首位打者のタイトルを獲得した。名実ともに球界のスターの仲間入りをしても、チーム屈指の“練習の虫”は満足することはない。むしろ、充実した環境が用意されることへの責任感を口にした。

 「選手は意気に感じなきゃいけないし、逆にプレッシャーもかかると思う。いい施設で勝てないということは基本的にはあってはならない。いい施設になるというのはそういうことかなと僕は捉えてます」

 誰よりも練習の重要さを理解している男が、この日、警鐘を鳴らした。新室内練習場の完成は19年の夏頃を予定している。選手たちが我先にと打撃レーンを奪い合うようにして打撃練習に打ち込む―。秋山が理想とするそんな光景が見られる日を楽しみにしている。(記者コラム・西武担当 小島 和之)

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