↑室内練習場のベンチに腰掛けじっと選手をチェックする高橋監督(カメラ・中島 傑)
↑阪神の練習を視察する高橋監督
巨人・高橋由伸監督(42)が21日、宮崎・アイビーで練習を行っていたライバル阪神を視察した。前日20日から宮崎入りも、フェニックス・リーグが2日連続で雨天中止。チームは昼過ぎからの練習予定も、午前9時半に球場入りして1時間半も若虎の動きを視察した。過去に例のない行動で、特に今季結果を残した大山や中谷らには熱視線を送った。
巨人ナインのいない球場に、由伸監督が来た。午前9時半。宮崎・アイビーではフェニックス・リーグに参加している阪神の若手が練習を開始していた。自軍の練習は昼過ぎのはずだが「他のチームが練習している姿はなかなか見られないから、いい機会だと思ってね」と、堂々と敵情視察を始めた。スーツ姿もオーラが漂う。報道陣の取材スペースを所狭しと移動すると、若虎が次々とあいさつに。その光景は異様だった。
前日20日から宮崎入り。若手の抜き打ちチェックのはずが、2日連続で雨天中止となった。ならばと、若手が活躍した阪神の練習方法、ナインの取り組む姿勢などを見学しようと、大胆な行動を取った。高山らが受ける外野ノックを見て、室内のブルペンでは望月を、フリー打撃では大山や高山、北條や糸原に熱い視線を送った。「中谷は今年20発くらい打ったでしょ。大山だってCSでいいヒットを打って活躍していたしね。若手が出てくればチーム力は上がるよね」
就任以降、若手にはレギュラー奪取の大チャンスを与えてきた。だが、結果的にはベテラン中心のいつものメンバーでシーズンを戦った。若手が伸びきれない原因は―。指導方針にも問題があるのか―。巨人一筋だった指揮官にとっては他チームの環境すら見たことがなく、すべてが新鮮。「比べたりはできないけど、他が良く見えるのはある」とは本音だった。
今回のフェニックス・リーグでは岡本が打率5割超をマーク。だが、前日に本人に言ったように「1軍で打たないと稼げないぞ」がすべてだ。結果を残した大山や中谷とは何が違うのか。約1時間半の視察で、練習環境、コーチ陣のあり方や雰囲気も含め、少なからずも収穫はあったようだ。
もちろん、昼過ぎの自軍の練習もチェックした。シート打撃では登板した育成の高井らの投球を見て、「もう少しストライクを投げないと。そっちの方が目に付いた」と苦言を呈した。何かを変えないと、チームは変わらない。若手も育たない。同じように、由伸監督自身も、日々進化を求めている。(水井 基博)
↑阪神の練習を視察する高橋監督
巨人・高橋由伸監督(42)が21日、宮崎・アイビーで練習を行っていたライバル阪神を視察した。前日20日から宮崎入りも、フェニックス・リーグが2日連続で雨天中止。チームは昼過ぎからの練習予定も、午前9時半に球場入りして1時間半も若虎の動きを視察した。過去に例のない行動で、特に今季結果を残した大山や中谷らには熱視線を送った。
巨人ナインのいない球場に、由伸監督が来た。午前9時半。宮崎・アイビーではフェニックス・リーグに参加している阪神の若手が練習を開始していた。自軍の練習は昼過ぎのはずだが「他のチームが練習している姿はなかなか見られないから、いい機会だと思ってね」と、堂々と敵情視察を始めた。スーツ姿もオーラが漂う。報道陣の取材スペースを所狭しと移動すると、若虎が次々とあいさつに。その光景は異様だった。
前日20日から宮崎入り。若手の抜き打ちチェックのはずが、2日連続で雨天中止となった。ならばと、若手が活躍した阪神の練習方法、ナインの取り組む姿勢などを見学しようと、大胆な行動を取った。高山らが受ける外野ノックを見て、室内のブルペンでは望月を、フリー打撃では大山や高山、北條や糸原に熱い視線を送った。「中谷は今年20発くらい打ったでしょ。大山だってCSでいいヒットを打って活躍していたしね。若手が出てくればチーム力は上がるよね」
就任以降、若手にはレギュラー奪取の大チャンスを与えてきた。だが、結果的にはベテラン中心のいつものメンバーでシーズンを戦った。若手が伸びきれない原因は―。指導方針にも問題があるのか―。巨人一筋だった指揮官にとっては他チームの環境すら見たことがなく、すべてが新鮮。「比べたりはできないけど、他が良く見えるのはある」とは本音だった。
今回のフェニックス・リーグでは岡本が打率5割超をマーク。だが、前日に本人に言ったように「1軍で打たないと稼げないぞ」がすべてだ。結果を残した大山や中谷とは何が違うのか。約1時間半の視察で、練習環境、コーチ陣のあり方や雰囲気も含め、少なからずも収穫はあったようだ。
もちろん、昼過ぎの自軍の練習もチェックした。シート打撃では登板した育成の高井らの投球を見て、「もう少しストライクを投げないと。そっちの方が目に付いた」と苦言を呈した。何かを変えないと、チームは変わらない。若手も育たない。同じように、由伸監督自身も、日々進化を求めている。(水井 基博)