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巨人ナインからも、担当記者からも愛された男・村田修一…新天地でも光り輝け

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↑2016年6月15日の楽天戦でサヨナラ打を放ち、喜ぶ村田(中)

 男・村田が巨人を去る。本塁打王2度の長打力も、ゴールデン・グラブ賞3度の守備力ももちろん魅力的だったが、最も優れていたのは、人を引きつけ、味方にする才能だったのではないだろうか。

 退団が決まって坂本はガックリ落ち込み、長野は涙した。以前、DeNAを担当していた時、当時の中畑監督が「勝負の世界に生きていれば、敵が10人や20人できるのは当たり前。敵がいなかったのは長嶋さんくらい」と言っていたが、私は村田のことを悪く言う人も見たことがない。

 風貌は恐ろしいし、肩で風を切り、ガニ股で歩く姿からは、近寄りがたい雰囲気がにじみ出ている。取材しようと話しかければ、「あぁん?」がお決まりの第一声だ。だが、私のような年下の記者が相手でもきちんと立ち止まり、いつでもわかりやすく丁寧に答えてくれた。プラスαのリップサービスも込みで。年間で100試合以上も戦えば、時には散々な日もあるだろうし、試合後に無言で球場を後にするのも選手の意思表示の一つだと思うが、村田はどんな時でも自分の言葉で試合を振り返っていた。

 部外者である報道陣にでさえ神対応なのだから、距離の一番近いチームメートたちから愛されないはずがない。例えば、シーズン終盤の試合前練習中にこんなシーンがあった。打撃ケージ裏にいた村田の頭をめがけて、背後から坂本が素振り用の棒をスイング。いくら仲良しとはいえ、さすがに見ているこちらがヒヤリとしたが、当の本人は「え? 全然セーフっしょ。先輩といっても、俺のほうが勇人よりちょっと先に生まれただけだしな」と豪快に笑っていた。ただ、坂本は「空気読みながらやってるから大丈夫だけど、今日のはちょっとイラっとしてたかも」と、やや反省していたけれど…。

 スポーツ報知の巨人担当は7人いて、そのうち2人が野手を担当している。私は6年間で「村田番」になったことはないが、歴代の「村田番」たちは、男流の「乾杯したらみんな友達」というポリシーのもと、時には愛情のあるパンチやキックを浴びながらもみんな「修さん、修さん」と慕っていた。そんな魅力的な人間性に、もっと近くで触れてみたかった。新天地でもきっと、あっという間に輪ができるはずだ。(記者コラム・尾形 圭亮)

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