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【巨人】菅野、28人斬り完封で虎・秋山に伝えた極意 高いプロ意識で7月以降の防御率0・65

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↑今季4度目の完封勝利を挙げた菅野(左)は、笑顔で小林とグータッチを交わす(カメラ・橋口 真)

 ◆阪神0―2巨人(20日・甲子園)

 巨人は菅野が散発2安打無四球、三塁も踏ませずに今季4度目の完封。自身4連勝で両リーグトップタイとなる16勝目を挙げ、チームは4位ながら、試合のなかったDeNAにゲーム差なし、勝率1厘差まで再接近した。1番に坂本勇を据えるなど組み替えて臨んだ打線は、初回に3番・マギーの17号ソロで先制すると、2回には長野のタイムリーで追加点。2点のリードをエースが完璧な内容で守り切った。

 黒土のダイヤモンドの中心で菅野が仁王立ちした。9回2死、糸井をカーブで一ゴロ。ベースカバーに入ってウィニングボールをつかみ、右拳を握った。5回以降完全投球での2安打完封に「完璧に近い投球でした」。中日に連敗し、引き分けでも自力CSの可能性が消える絶対に勝たなくてはいけない試合。斎藤雅樹以来、球団21年ぶりの年間4完封の快挙を成し遂げた。

 2登板連続中5日での甲子園。「ひどかった」という試合前のブルペンでは、握力温存のためフォークを封印していた。早打ちの相手に対し「捕手の小林と初球から勝負球でと話していた」と意思疎通。大胆な配球で凡打の山を築き、110球、打者28人、無四球で9回を投げきった。

 秋山とは2週連続、今季4度目の投げ合い。自己最多12勝、規定以上リーグ最少の14四球という虎の柱とは、過去3度全て投手戦だった。秋山は「菅野さんはピンチで抑えるところがエース」と粘って長い回を投げる大切さを学んだという。それを伝え聞いた菅野は今回、強い決意で臨んだ。

 「秋山くんはすごくいい投手。まぐれじゃあの成績は残せない。相当な覚悟だと思う。僕のそういう姿を学んでもらえたなら、また伝えられる投球をしたい」

 有言実行の快投は、努力のたまものだ。独学で睡眠学を研究。副交感神経を高めて眠りの質を良くするため、自宅で交代浴を徹底する。温かいお湯の浴槽の横にミニプールを膨らませて2キロの氷を5、6袋入れて冷やす。10分、5分、10分、5分と温冷を繰り返し「体温が下がってから寝るといい」と水風呂で終わる。

 寝る姿勢もこだわる。横向きが疲労回復に良いと学び、右肩に負担がかからないよう必ず左側が下。「首を寝違えないように」と絶対にうつぶせでは寝ない。物音が気になって眠れなくならないように、テレビをつけてオフタイマーを30分に設定して目を閉じる。

 「シーズン中は大体みんな同じような練習になる。差がつくとしたら家での生活だと思うんです。それでも、技術がともなわないことがあるのが野球の難しいところなんですけどね。後悔はしたくないですから」

 内心では「野球は難しい」と感じているからこそ、意識の高い体調管理も続けられる。7月以降は11登板で防御率0・65。16勝、防御率1・64、181回1/3、6完投はいずれもリーグトップだ。由伸監督は「少しチームの流れが良くない中、1人で耐えてくれた」と絶賛した。

 3位DeNAに0差、2位阪神に5差とした。「負けていい試合は一つもない」と菅野。6回降板の秋山が一塁ベンチで視線を送る中、背中ですごみを見せつけた。

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