↑WWE王者のジンダー・マハル(右)と舌戦を繰り広げる中邑真輔(C)2017 WWE, Inc.
元新日本プロレスの中邑真輔(37)が、20日(日本時間21日)に米ニューヨーク州ブルックリンのバークレーセンターで行われるWWE真夏の祭典「サマースラム」で、ジンダー・マハル(31)=インド=が持つWWE王座に初挑戦する。
WWE王座は、かつてはWWWF世界ヘビー級選手権と呼ばれた“マクマホン王国”の最高峰のタイトルである。WWE公式サイトによると1963年4月のバディ・ロジャースがルーツで、のべ132人が王者として認定されている。
日本では、アントニオ猪木氏(現参院議員)が奪取したとばかり思っていたが、公式サイトの歴代王者に、その名前はなかった。新日本プロレスの45年史年表(新日本プロレスぴあ2017 45周年メモリアルBOOK)には、1979年11月30日に「徳島市体育館で猪木がボブ・バックランドに勝利。日本人初のWWF世界王者になる(直後に返上)。」と記されている。しかし、これについては、“歴史観の相違”と言うほかない。猪木氏は2010年にWWEの殿堂入りを果たしており、元王者級の評価はされている。いずれにしても現行のWWEオフィシャルとしては、中邑が奪取すれば日本人初ということになる。
WWE広報からのリリースによると、中邑は15日(同16日)の米ロードアイランド州プロビデンスでのスマックダウン大会で、WWE王者・マハルとリングで顔を合わせた。
マハルが「今日はインドの独立記念日。独立記念日とこのWWE王座の保持をお祝いする」と言うと、インド人ダンサーがステージで踊り出し、リング上ではインド国歌の斉唱が始まるも、会場からは大ブーイング。「サマースラムでは中邑は俺に負ける運命だ」と言い放ったところで、中邑真輔がリングに登場。「インドは独立記念日だが、日本では戦没者を追悼し平和を祈る日だ。そして日曜日、アメリカはサマースラムだ。お前がWWE王座を失う日になる」と王座奪取を宣言した。
中邑は、9月16日にエディオンアリーナ大阪で開催されるWWE大阪公演「WWE Live Osaka」に凱旋帰国する。現時点で発表されているカードによると、中邑は抗争を繰り広げているバロン・コービン(32)とシングルマッチで対戦する。WWE王者のマハルは、ラストマン・スタンディング・マッチとしてランディ・オートン(37)との防衛戦が組まれている。つまり「サマースラム」でマハルが王座を防衛することが前提のカードになっている。
大阪公演のカードは「現時点で」という注釈付きだが、明確な戦略によって編成されるWWEの“予定調和”を崩すのは難しいだろう。それでもカード変更はよくある。6月30日、7月1日に開催されたWWEの東京公演では、2日間とも当日になってカードが変更され、取材する側が混乱させられたという現実もあるのだ。
また日本人では、WWEに参戦している元ドラゴンゲートの戸澤陽(32)が14日(同15日)に、マサチューセッツ州ボストンでのRAWでWWEクルーザー級王者のネヴィル(30)を破り、初タイトルを奪取したという朗報も届いており、あと3日ほどは、中邑のWWE王座奪取という夢を見てもいいかもしれない。
中邑が挑むWWE王座戦が行われるPPV「サマースラム」は日本時間8月21日午前8時からWWEネットワークで初めて日本語実況版でライブ配信されるというから、それなりの期待感で盛り上がっているようだ。
そう言えば、猪木がバックランドからWWF王座を“奪取”した試合は、“インドの狂虎”タイガー・ジェット・シンが場外で暴れ、そのどさくさで猪木がバックランドをフォールしたものだった。38年を経て、“インドのヒール”と“元猪木軍ファイター”が激突することに因縁を感じるのは、私だけだろうか…。(酒井 隆之)
元新日本プロレスの中邑真輔(37)が、20日(日本時間21日)に米ニューヨーク州ブルックリンのバークレーセンターで行われるWWE真夏の祭典「サマースラム」で、ジンダー・マハル(31)=インド=が持つWWE王座に初挑戦する。
WWE王座は、かつてはWWWF世界ヘビー級選手権と呼ばれた“マクマホン王国”の最高峰のタイトルである。WWE公式サイトによると1963年4月のバディ・ロジャースがルーツで、のべ132人が王者として認定されている。
日本では、アントニオ猪木氏(現参院議員)が奪取したとばかり思っていたが、公式サイトの歴代王者に、その名前はなかった。新日本プロレスの45年史年表(新日本プロレスぴあ2017 45周年メモリアルBOOK)には、1979年11月30日に「徳島市体育館で猪木がボブ・バックランドに勝利。日本人初のWWF世界王者になる(直後に返上)。」と記されている。しかし、これについては、“歴史観の相違”と言うほかない。猪木氏は2010年にWWEの殿堂入りを果たしており、元王者級の評価はされている。いずれにしても現行のWWEオフィシャルとしては、中邑が奪取すれば日本人初ということになる。
WWE広報からのリリースによると、中邑は15日(同16日)の米ロードアイランド州プロビデンスでのスマックダウン大会で、WWE王者・マハルとリングで顔を合わせた。
マハルが「今日はインドの独立記念日。独立記念日とこのWWE王座の保持をお祝いする」と言うと、インド人ダンサーがステージで踊り出し、リング上ではインド国歌の斉唱が始まるも、会場からは大ブーイング。「サマースラムでは中邑は俺に負ける運命だ」と言い放ったところで、中邑真輔がリングに登場。「インドは独立記念日だが、日本では戦没者を追悼し平和を祈る日だ。そして日曜日、アメリカはサマースラムだ。お前がWWE王座を失う日になる」と王座奪取を宣言した。
中邑は、9月16日にエディオンアリーナ大阪で開催されるWWE大阪公演「WWE Live Osaka」に凱旋帰国する。現時点で発表されているカードによると、中邑は抗争を繰り広げているバロン・コービン(32)とシングルマッチで対戦する。WWE王者のマハルは、ラストマン・スタンディング・マッチとしてランディ・オートン(37)との防衛戦が組まれている。つまり「サマースラム」でマハルが王座を防衛することが前提のカードになっている。
大阪公演のカードは「現時点で」という注釈付きだが、明確な戦略によって編成されるWWEの“予定調和”を崩すのは難しいだろう。それでもカード変更はよくある。6月30日、7月1日に開催されたWWEの東京公演では、2日間とも当日になってカードが変更され、取材する側が混乱させられたという現実もあるのだ。
また日本人では、WWEに参戦している元ドラゴンゲートの戸澤陽(32)が14日(同15日)に、マサチューセッツ州ボストンでのRAWでWWEクルーザー級王者のネヴィル(30)を破り、初タイトルを奪取したという朗報も届いており、あと3日ほどは、中邑のWWE王座奪取という夢を見てもいいかもしれない。
中邑が挑むWWE王座戦が行われるPPV「サマースラム」は日本時間8月21日午前8時からWWEネットワークで初めて日本語実況版でライブ配信されるというから、それなりの期待感で盛り上がっているようだ。
そう言えば、猪木がバックランドからWWF王座を“奪取”した試合は、“インドの狂虎”タイガー・ジェット・シンが場外で暴れ、そのどさくさで猪木がバックランドをフォールしたものだった。38年を経て、“インドのヒール”と“元猪木軍ファイター”が激突することに因縁を感じるのは、私だけだろうか…。(酒井 隆之)