ワタシが４番デ～ス！バレ、Ｇ粉砕３打点で燕最下位脱出

無人の左中間で白球が弾む。４－４の七回二死一塁。バレンティンの二塁打で一走・山田が一気に生還。決勝打を放ったヒーローは、二塁に到達すると両手をパチーンとたたいて喜んだ。

　「山口投手は、ホームランを打てるボールはそんなに投げてこない。ボールを見極めて打てたと思う。山田がよく走ってくれたね。あれで勝ち越せたので、自然と喜びのポーズが出たよ」

　困ったときに頼りになる。開幕から４番を務めた畠山が、背中の痛みで巨人３連戦を欠場。１５日に出場選手登録を抹消されることが決まった。昨季打点王の離脱という大ピンチに、代わって３連戦で４番に座った男が奮起した。

　１点を追う三回には遊失で１打点。そして、試合の流れを変えたのは逆転された直後の六回だ。右打者のバレンティンに対して、巨人は３月に侍ジャパンにも選ばれた左腕・戸根を、左右関係なく投入してきた。

　初対戦だったが、バレ砲は外角球を軽々と右翼ポール際へ弾き返した。３号同点ソロ。しばらく打球の行方を見つめ、悠々と一塁へ向かった。「フェンスオーバーする感触はあった。『お願いだから切れないでくれ！』と思っていた」。計２安打３打点の活躍で、今季初めて神宮のお立ち台にも上がった。

　“予行演習”をしていた。バレンティンは試合前の練習中、打撃ケージ脇から右翼ポールを狙って打ち続けた。打球に角度をつけるためのスイングの微調整と気分転換を兼ねた練習法だ。「福地（外野守備走塁）コーチと、どっちが先にポールに当てられるか、遊び半分でたまにやるんだ。きょうはあれが効いたのかもね」と冗談めかして笑った。

　打撃練習後には打撃ケージ裏で真中監督に呼び止められ、「審判の判定にカッカしても、マイナスな部分しかない。いい大人なんだし、冷静にやったらどうだ」と諭された。２０１３年に日本記録のシーズン６０本塁打を放った実績、技術は確かだけに、冷静になれば結果はついてくる。

　今季２度目のカード勝ち越し。「嫌な展開の中、バレンティンの本塁打で、いけそうな雰囲気になった。勝ち越せたので乗っていけたら」と真中監督。とはいえ、まだ借金４。バレンティンは神宮のファンに誓った。

　「チームが思うように勝てなくて、みなさんはガッカリしたと思いますが、約束します。近いうちに首位に立って、優勝を目指します」。自身も左脇腹の肉離れで出遅れたが、状態は上向き。その打棒でチームを上位に押し上げる。

バレンティンについてヤクルト・杉村チーフ打撃コーチ「右翼ポール際へああいう当たりが出たのは調子が上がってきた証し。他の打席でも球をしっかり引きつけて打てるようになってきた。今年は（本塁打）５０本は打てる」

ヤクルト・バレンティンの決勝打は２０１４年９月７日の巨人戦（神宮）以来２年ぶり。巨人戦では１３本目で、中日、広島の各９本に４本差をつけて対戦球団別最多。また、小川の先発登板試合での決勝打も前回以来１０本目。小川が入団した１３年以降では２２本の決勝打を放っており、そのうち約半分が小川の先発登板試合とエース右腕を援護している。

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バレンティンもさすがに甘く来たらホームランにするわ。
最近、バレンティンは調子が悪いと思って甘いコースに球を放ったらダメですよ。
さすがに打ちますわ
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