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元巨人・中谷コーチ就任の智弁和歌山、初戦でバッテリーが躍動

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↑試合前、ユニホーム姿で選手に声をかける智弁和歌山・中谷コーチ(右)

 春夏3度の甲子園優勝を誇る智弁和歌山が16日、和歌山県の春季大会2回戦で和歌山南陵を8―1で下した。同校は今月、OBで元巨人捕手の中谷仁氏(37)がコーチに就任。日本一に輝いた1997年夏の甲子園で主将を務めた中谷コーチの指導で成長したバッテリーが、初戦突破に貢献。3季連続で聖地から遠ざかる名門校が復権をかけて順調なスタートを切った。

 強打が代名詞の智弁和歌山が、バッテリーの奮闘で新体制での初陣を飾った。先発マウンドに上がった2年生右腕・平田龍輝(りゅうき)は、直球を内外角に投げ分ける投球で7回を5安打1失点。昨秋の近畿大会1回戦・滋賀学園戦では、平田ら3投手で4発の本塁打を浴びるなど6―13で8回コールド負けを喫したが、高嶋仁監督(70)は「だいぶ良くなってきたね」と及第点を与えた。

 それでも、バックネット裏で試合を見守った中谷コーチの表情は厳しかった。「こんな試合していたらダメ。すぐ帰って練習します」と言い放つと、わずか10分ほどで球場を引き揚げ、学校へ戻っていった。

 年明けから臨時コーチとして指導を開始し、今月から正式に就任した中谷コーチが力を注いだのは、課題のバッテリーだった。平田は「教わったことで一番印象的だったのは、投手と捕手の意思を統一させること」と明かした。勝負どころでの配球などを捕手だけに頼るのではなく、試合でバッテリーが同じ意図を共有できるように、日頃の練習からコミュニケーションを重ねているという。

 昨秋の終わり、一塁から正捕手にコンバートされた蔵野真隆(3年)は「プロではこんなサインを使っている、という話もしてもらいました。勉強になることが多くて、中谷さんが来られて自分のレベルが一段階上がったと思います」と成長を実感している。指揮官も「選手はいろいろアドバイスを聞きに行ってるし、(加入が)プラスに作用している」とうなずいた。

 05年から12年まで8年連続で夏の甲子園に出場したこともあるが、聖地での白星は3回戦敗退した11年夏が最後。16年春からは3季連続で出場を逃している。「自分たちも中谷さんたちと同じ舞台でプレーしたい」と蔵野。強打だけでない新しい智弁和歌山のスタイルを確立して、まずは4年連続の春季大会制覇をつかみ取る。(種村 亮)

 ◆元プロ野球選手の指導者転身 1984年に日本学生野球協会が、元プロ選手のアマ指導条件を「教職経験10年以上」と定めたのが始まり。同年に元東映の後原富(せどはら・ひさし)さんが適用第1号となった。2013年には規定が改正され、これまで必要とされた教員歴を撤廃。日本野球機構と日本学生野球協会双方の研修を修了すれば、指導に必要な学生野球資格回復の適性審査を申請できることが可能になった。

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