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【巨人】由伸監督、超異例の自らシートノック92本!オープン戦最下位の嫌なムード一変

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↑シートノックでバットを振る高橋監督。笑顔でチームの一体感を高めた

巨人・高橋由伸監督(41)が29日、東京Dでの全体練習でナインに闘魂を注入した。シートノックで自らバットを握り、ノッカー役を担当。外野から内野、最後はキャッチャーフライも行うなど12分間、計92スイングの熱血ノックを行った。打ち損じには選手からヤジも飛び交い、31日の開幕戦・中日戦(東京D)に向けて士気も高まる一方。原前監督もシートノックを打ったことはなく、青年監督らしいサプライズ指導で、G戦士の思いを一つにした。

 開幕戦を2日後に控え、由伸監督が動いた。キャッチボール後のシートノックで自らバットを握り、打席に入った。極めて異例の光景に報道陣もざわつく。守備位置についたナインの目の色が変わった。「井端(内野守備走塁コーチ)が『ぜひ!』って言うから」と始まった“由伸劇場”。本番を前に、緊迫感が高まるかに見えたが…。

 期待通りに場は和んだ。レフトへの、左翼線を狙った打球は2スイング目、三塁後方への打ち損じとなった。「ヘイヘイヘーイ!」とお約束のヤジが乱れ飛んだ。続いて左中間寄りへの中堅ノックは、ショート後方への小飛球に。坂本勇が「ノッカー、しっかり練習して~」と突っ込むと、指揮官は「時間がないんだよ!」と返した。シートノックで笑いが起きたのは、巨人史上初ではなかろうか。

 内野ノックに移ると、2月の春季キャンプの成果が垣間見えた。同16日に宮崎・サンマリンでは阿部、村田、坂本勇に特守でノックを打ち、同27日には沖縄・那覇で岡本、長野、重信と対した。それ以来の公開ノックで、生きた打球が野手を攻めた。由伸監督は「士気が高まった? そうであったらいいけど」と口数は少なかったものの、雰囲気は最高潮に達した。

 長野「盛り上がりましたねぇ」

 小林「雰囲気が良くなった。良かったです」

 寺内「監督自身も盛り上げたい意味合いもあったのかなと思う。新鮮でした」

 重信「緊張しました。しっかり送球しないと―と意識はしました」

 中井「盛り上がって良かったです。シートノックで監督が打つってのはないですね。高校野球以来じゃないですか」

 そんな空気に身を任せ、岡本も魅せた。一塁前に転がった打球を捕球し、そのまま本塁へとヘッドスライディングをかました。難易度が高い、締めのキャッチャーフライからは逃げようとした指揮官に対し、村田が「いこうぜー」と要求。「人前では初めてだよ」と言いながらも、現役時をほうふつとさせる“インサイドアウト”のスイング。球はカットしながら三塁と本塁の中間付近へのファウルゾーンへと力なく上がり、小林がキャッチ。12分間のシートノックは打ち損じ5本を含む、計92スイングの熱血ぶりだった。

 ムードは一変した。村田ヘッドが「びっくりしたな。打つんやあって」と振り返った演出は、オープン戦を5勝14敗の12球団最下位で終えた嫌な流れさえも振り払った。原前監督も、特守でノッカーを務めたことはあるが、シートノックを打ったことはない。超異例の出来事に「俺のことはいいんだよ」と目立ちたがらない由伸監督だが、熱き思いは選手へと十分に伝わった。いざ開幕。チーム一丸で、さあ、いこうぜ!

それいけ、ジャイアンツ。

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