↑月9ドラマ「突然ですが、明日結婚します」主演の西内まりや
フジテレビの看板ドラマ枠「月9」が、混迷を極めている。毎週月曜午後9時から放送される同枠は、1991年の「東京ラブストーリー」をはじめ、「101回目のプロポーズ」「ひとつ屋根の下」「ロングバケーション」「ラブジェネレーション」「HERO」など平均視聴率20%台後半から30%を超える数多の怪物ドラマを生み出し、社会現象にもなった。
だがここ数年、視聴率の低下が著しく、その更新が話題になってしまう始末。昨年は、ついに4作品全てが平均視聴率1ケタ台に落ち込んだ。最大の衝撃は、単回で史上最低の6・8%を記録した福山雅治主演の「ラヴソング」。「ガリレオ」など月9で高視聴率を誇ってきたスーパースターでさえ、悪い流れを食い止めることが出来なかった。
今年1月にスタートした西内まりや主演の「突然ですが、明日結婚します」もそのご多分に漏れず、初回平均8・5%から2話目で6・9%まで下降。こうした惨状を見るにつけ、局内でも、月9不要論がささやかれ始めているというのだ。
「ロンバケ」の“生みの親”であり、「あすなろ白書」「踊る大捜査線」「ビーチボーイズ」など多くの名作ドラマをプロデュースした亀山千広社長は「ドラマはディテールをいかに描けるかが明暗を分ける」と力説し、月9のドラマ撤退について、「みじんも考えていない」と断言している。おそらく、現場に喝を入れたいはずだが、そこをグッとこらえているようだ。周囲には「僕たちが現場に出ていって、説教することではない。彼らが感じること。この局らしいオリジナリティーが必要なんだ」と話しているという。
恋愛ドラマが売りの月9だが、恋愛ドラマが廃れたかというとそうでもない。現に、昨年10月クールのTBS系連ドラ「逃げるは恥だが役に立つ」は、平均14・5%、最終回は20・8%を記録した。では、何が違うのか。中身、もっと言えば切り口の問題なのかもしれない。ガッキーがかわいいのは言うまでもないが、「契約結婚」というありえない設定の中で、ホームドラマの要素をしっかり描き出し、主人公以外のディテールにもこだわったところが、ボディーブローのように効いていたように見えた。
つまり、亀山社長の言う「ディテール」「オリジナリティー」を突き詰めれば、月9再興のチャンスはまだあるのではないか。トレンディードラマ世代の記者としては、「目には目を、ドラマにはドラマを」の意地で、もう一度、あの頃の“刺さる”月9を見たい。
かつて「東京ラブストーリー」は、永尾完治(織田裕二)と関口さとみ(有森也実)の恋愛を軸に描いた柴門ふみさんの原作を大幅に変更し、赤名リカ(鈴木保奈美)を主人公に据えることで大ヒットにつながった。そんな、大胆なひらめきが今、求められているのかもしれない。
フジテレビの看板ドラマ枠「月9」が、混迷を極めている。毎週月曜午後9時から放送される同枠は、1991年の「東京ラブストーリー」をはじめ、「101回目のプロポーズ」「ひとつ屋根の下」「ロングバケーション」「ラブジェネレーション」「HERO」など平均視聴率20%台後半から30%を超える数多の怪物ドラマを生み出し、社会現象にもなった。
だがここ数年、視聴率の低下が著しく、その更新が話題になってしまう始末。昨年は、ついに4作品全てが平均視聴率1ケタ台に落ち込んだ。最大の衝撃は、単回で史上最低の6・8%を記録した福山雅治主演の「ラヴソング」。「ガリレオ」など月9で高視聴率を誇ってきたスーパースターでさえ、悪い流れを食い止めることが出来なかった。
今年1月にスタートした西内まりや主演の「突然ですが、明日結婚します」もそのご多分に漏れず、初回平均8・5%から2話目で6・9%まで下降。こうした惨状を見るにつけ、局内でも、月9不要論がささやかれ始めているというのだ。
「ロンバケ」の“生みの親”であり、「あすなろ白書」「踊る大捜査線」「ビーチボーイズ」など多くの名作ドラマをプロデュースした亀山千広社長は「ドラマはディテールをいかに描けるかが明暗を分ける」と力説し、月9のドラマ撤退について、「みじんも考えていない」と断言している。おそらく、現場に喝を入れたいはずだが、そこをグッとこらえているようだ。周囲には「僕たちが現場に出ていって、説教することではない。彼らが感じること。この局らしいオリジナリティーが必要なんだ」と話しているという。
恋愛ドラマが売りの月9だが、恋愛ドラマが廃れたかというとそうでもない。現に、昨年10月クールのTBS系連ドラ「逃げるは恥だが役に立つ」は、平均14・5%、最終回は20・8%を記録した。では、何が違うのか。中身、もっと言えば切り口の問題なのかもしれない。ガッキーがかわいいのは言うまでもないが、「契約結婚」というありえない設定の中で、ホームドラマの要素をしっかり描き出し、主人公以外のディテールにもこだわったところが、ボディーブローのように効いていたように見えた。
つまり、亀山社長の言う「ディテール」「オリジナリティー」を突き詰めれば、月9再興のチャンスはまだあるのではないか。トレンディードラマ世代の記者としては、「目には目を、ドラマにはドラマを」の意地で、もう一度、あの頃の“刺さる”月9を見たい。
かつて「東京ラブストーリー」は、永尾完治(織田裕二)と関口さとみ(有森也実)の恋愛を軸に描いた柴門ふみさんの原作を大幅に変更し、赤名リカ(鈴木保奈美)を主人公に据えることで大ヒットにつながった。そんな、大胆なひらめきが今、求められているのかもしれない。