↑則本昂大投手
プロ野球界には数年に一度、スターが集結する黄金世代が到来する。近年では1980年生まれの「松坂世代」、88年生まれの「マー君世代」、94年生まれの「大谷世代」が象徴的だ。
松坂世代はメジャーリーグで活躍した松坂(ソフトバンク)を筆頭に杉内、村田(ともに巨人)、和田(ソフトバンク)、藤川(阪神)ら今季37歳を迎えるベテランでありながら、いまだに一線級で活躍する選手も多い。「マー君世代」は田中(ヤンキース)、前田(ドジャース)、坂本、沢村(ともに巨人)ら国内外で活躍。新世代の「大谷世代」は二刀流男・大谷(日本ハム)の活躍ばかりがスポットライトを浴びるが、神ってる・鈴木(広島)、藤浪(阪神)と侍ジャパンにも22歳にして3人が選ばれた。
一方で谷間の世代も存在する。今年27歳を迎える90年度生まれの世代だ。記者も90年9月生まれ。自然と注目して見てしまうが、26歳と脂が乗り切った歳で迎える今年のWBCで、侍ジャパンに選出されたのは則本(楽天)のみとなった。1学年上の89年度生まれからは菅野(巨人)や中田(日本ハム)ら5人が名を連ねるのと比べると、ややさみしさを感じる。
球界では「則本世代」となる90年度生まれ。小川(ヤクルト)、西(オリックス)、浅村(西武)、大田(日本ハム)らが同世代だ。それぞれのチームで活躍をしている選手はもちろんいるが、菅野や大谷らと比べると、まだまだ注目度は高いとは言えない。
球界から目を離すと90年度生まれには誰もが認める大スターがいる。女子フィギュアスケートの浅田真央だ。かつて相撲担当だった記者が大相撲の幕内・遠藤(90年10月生まれ)を取材するたび「僕らは『真央ちゃん世代』」と何度も言っていた。確かにあれだけのスターが同世代であることは誇らしい。
だが。プロ野球担当として、やはり球界からも大スターが誕生して欲しい。日本中の注目が集まるWBCは、知名度が一気に広まるチャンス。サッカー日本代表やオリンピック出場選手にも“スター”がいない、90年度生まれがヒーローとなる可能性を秘めている。
そんなタイミングで記者も今年から楽天担当となった。則本は大谷、菅野と並ぶ先発の柱としての期待がかかる。自主トレを取材した際には「自分としては与えられた場所でやるだけなので、立場どうこうはないと思う」と謙虚な言葉を並べていた。現状は同じ先発でも菅野や大谷に話題をさらわれがちだが、大会ではきっと真価を見せてくれるはずだ。
今季が終わる頃には、「則本世代」の言葉が世に浸透していることを願うのみだ。(記者コラム・安藤 宏太)
プロ野球界には数年に一度、スターが集結する黄金世代が到来する。近年では1980年生まれの「松坂世代」、88年生まれの「マー君世代」、94年生まれの「大谷世代」が象徴的だ。
松坂世代はメジャーリーグで活躍した松坂(ソフトバンク)を筆頭に杉内、村田(ともに巨人)、和田(ソフトバンク)、藤川(阪神)ら今季37歳を迎えるベテランでありながら、いまだに一線級で活躍する選手も多い。「マー君世代」は田中(ヤンキース)、前田(ドジャース)、坂本、沢村(ともに巨人)ら国内外で活躍。新世代の「大谷世代」は二刀流男・大谷(日本ハム)の活躍ばかりがスポットライトを浴びるが、神ってる・鈴木(広島)、藤浪(阪神)と侍ジャパンにも22歳にして3人が選ばれた。
一方で谷間の世代も存在する。今年27歳を迎える90年度生まれの世代だ。記者も90年9月生まれ。自然と注目して見てしまうが、26歳と脂が乗り切った歳で迎える今年のWBCで、侍ジャパンに選出されたのは則本(楽天)のみとなった。1学年上の89年度生まれからは菅野(巨人)や中田(日本ハム)ら5人が名を連ねるのと比べると、ややさみしさを感じる。
球界では「則本世代」となる90年度生まれ。小川(ヤクルト)、西(オリックス)、浅村(西武)、大田(日本ハム)らが同世代だ。それぞれのチームで活躍をしている選手はもちろんいるが、菅野や大谷らと比べると、まだまだ注目度は高いとは言えない。
球界から目を離すと90年度生まれには誰もが認める大スターがいる。女子フィギュアスケートの浅田真央だ。かつて相撲担当だった記者が大相撲の幕内・遠藤(90年10月生まれ)を取材するたび「僕らは『真央ちゃん世代』」と何度も言っていた。確かにあれだけのスターが同世代であることは誇らしい。
だが。プロ野球担当として、やはり球界からも大スターが誕生して欲しい。日本中の注目が集まるWBCは、知名度が一気に広まるチャンス。サッカー日本代表やオリンピック出場選手にも“スター”がいない、90年度生まれがヒーローとなる可能性を秘めている。
そんなタイミングで記者も今年から楽天担当となった。則本は大谷、菅野と並ぶ先発の柱としての期待がかかる。自主トレを取材した際には「自分としては与えられた場所でやるだけなので、立場どうこうはないと思う」と謙虚な言葉を並べていた。現状は同じ先発でも菅野や大谷に話題をさらわれがちだが、大会ではきっと真価を見せてくれるはずだ。
今季が終わる頃には、「則本世代」の言葉が世に浸透していることを願うのみだ。(記者コラム・安藤 宏太)