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新エースの自覚、西武・菊池雄星は「背中で語る男」

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↑沖縄での自主トレでウェートトレーニングを行う菊池雄星

 「背中で語る男」。それが、西武・菊池雄星投手(25)に初めて会った時の印象だった。

 沖縄にしては少し肌寒く、小雨がぱらつく今月13日。菊池の自主トレを取材する機会に恵まれた。午後から始まったジムでのウェートトレーニングでは、身長184センチ、体重100キロの大男が床に大の字になり、しばらく立ち上がれないほど自分を追い込む姿に衝撃を受けた。

 昨季は開幕投手を務め、チームトップで自身初の2ケタ勝利となる12勝(7敗)を挙げた。今回の「雄星組」自主トレには、2年目を迎えた多和田、国場など後輩投手が参加した。「僕からはアドバイスとかはしないんですが、怠ける姿を見せると影響してしまうと思う。何かを教えると言うよりも、練習している姿を見せることが大事かな、と思います」。力強い言葉にエースの自覚がにじんだ。

 後輩への思いやりも人一倍だ。トレーニング終了後は専属トレーナーによる栄養学、運動力学などを学ぶ勉強会を開催。これは後輩にアスリートとして必要な知識を吸収もらいたいという雄星の発案だそうだ。「僕も含めて勉強です。キャンプではバイキング形式の食事になるし、好きな物を食べていたらすぐにカロリーオーバーしてしまいますからね」。今後を見据えてのことだ、と説明してくれた。

 今季で入団8年目。左腕の持つエース像はどこからきたのだろう―と、気になった。これまで西武では涌井(現ロッテ)、今季から楽天に移籍した岸がエースとして君臨してきた。私は今月から西武担当となったばかり。先日、先輩記者から「雄星は人をよく観察しているよ」と助言をもらった。「背中で語る」という雄星が体現するエース像は、寡黙でストイックという印象の共通する両右腕を観察し続けてきたからこそ―と思えた。

 チームは3年連続Bクラスに低迷している。岸の移籍などもあり、雄星の左腕にかかる期待はより増しているはず。「チームも苦しい思いをしている。1年間通して活躍して、必ずAクラスに入って優勝する。そこだけです」。雄星の大きく、たくましい背中を見て、周囲から慕われる理由が分かった気がした。(記者コラム・小島 和之)

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