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元中日・石垣、第二の人生「モデルより工場長」

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↑中日退団後、モデルを目指した石垣幸大

 プロ野球界では、今年も多くの選手がユニホームを脱いだ。第二の人生を歩み始めた男たちを2回にわたって紹介する。1回目はセ・リーグ編。中日の育成・石垣幸大投手(20)は、モデル転身か軟式野球かで揺れた胸中を吐露した。

 黒めがちな瞳が潤み、長いまつげがぬれた。「あした球団事務所に来いって言われました」―。9月30日の午後。中日の14年育成ドラフト2位右腕・石垣は声を上げて泣いた。翌日、正式に戦力外通告されたが「あわよくば、よそに拾ってもらう」と合同トライアウトに挑む決意を固めた。

 結果は合格だった。といっても野球ではない。なぜだか急に「三代目J Soul Brothersのようなアーティストになりたい」と言いだし、超有名シンガーも所属する某芸能事務所のオーディションに挑戦。あれよあれよと3次にわたる審査をパスした。俳優の松田悟志や歌手のGACKTに似てなくもない小さな顔。180センチ、76キロで腹筋はシックスパック。手足もモデルのように長い。「そういうこと(見た目)より、プロ野球選手という肩書が効いたみたいです」と先方から聞かされた“決め手”を明かした。

 その数日前、実は合同トライアウトも“合格”していた。NPBのオファーはなかったが、軟式野球部を持つ自動車部品製造のヒサダ(愛知・安城市)から声をかけられた。華々しい芸能界か地道な会社勤めか。考えると決まって脳内に再生されるのは、投球イップスに苦しんだ自身の姿だった。プロ2年間で公式戦登板はウエスタン・リーグ3試合のみ。今季は一度もマウンドに立てなかった。

 腹をくくった。「芸能界はプロ野球より厳しい世界。またすぐクビになったら、僕に期待してくれた方々に申し訳ない」。一時の迷いは捨てた。今の目標は「三代目―」ではない。「ヒサダさんを野球で全国に導いて、仕事でも工場長になるくらいバリバリやりますよ!」。ハタチのイケメン。堅実な第二の人生が始まる。(田中 昌宏)

 ◆石垣 幸大(いしがき・こうだい)1996年8月8日、三重・東員町生まれ。20歳。稲部小3年で野球を始め、東員一中では桑員ブルーナイン(現桑員ボーイズ)に所属。いなべ総合高では甲子園出場なし。14年育成ドラフト2位で中日入り。1軍出場なし。180センチ、76キロ。右投右打。独身。

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