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欠番だった上原浩治の「19」を背負った大体大エースのプレッシャー

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↑楽天にドラフト4位で指名された大体大・菅原秀

 今年のドラフト会議で指名された選手のなかで、ひそかに期待している選手がいる。楽天に4位で指名された大体大の最速151キロ右腕・菅原秀投手(22)だ。

 全国的な知名度はないが、潜在能力の高さは折り紙付き。魅力はキレのある直球と、高校時代に習得したナックルカーブ。福井工大福井のエースとして2012年の夏の甲子園に出場した際は、初戦の常葉学園橘(静岡)戦で10三振を奪う2失点完投勝利で注目を集めた過去を持つ。ある球団のスカウトは、中位で菅原の指名を考えていたと明かし「あいつは良い投手になると思いますよ。獲りたかったな」と悔しがっていたのが印象的だった。

 好素材であることを裏付けるのが、大学時代に背負っていた「19」の背番号だ。この番号は、同校OBで米大リーグ・カブスへの入団が決まった上原浩治投手(41)が着けていたもので、上原の卒業後は長らく欠番となっていた。「19」を希望する部員が出てきても、着ることを許されなかったという。中野和彦監督(58)は、菅原の入学当時を振り返り「『その覚悟があるんやったらいいんちゃうか』というようなことは(菅原に)言いました」。それだけの期待を、右腕に感じていた表れでもある。

 大体大では「練習に気持ちが入らなくなってしまった」と、一時は野球から離れ、遊びに明け暮れた。それでも「親にも迷惑をかけてしまった。プロになって恩返ししたい」と一念発起して臨んだ最終学年。秋季リーグでは負け知らずの5連勝で3季ぶりのリーグ制覇に貢献し、MVPも獲得。上原と同じ、夢の世界への扉を開いた。

 ドラフト会議からほどなくして、菅原を取材する機会があった。19番を背負いプレーしていたことについて「やっぱりプレッシャーはありました。恥ずかしいピッチングはできないなって思ってましたから」と心境を口にした。楽天での背番号の話題になると「19がいいんですよね」と、4年間付け続けた番号へのこだわりを見せた右腕。あいにく希望の番号はドラ1・藤平尚真(横浜)のもとへと渡り、自身の背番号は「45」となったが、大学時代に培った「上原魂」をプロでも発揮してくれるに違いない。

 ちなみに、冒頭で「ひそかに」と書いたのは、自分が1年通して菅原を取材してこなかったことへの後ろめたさから。恥ずかしい話だが、初めて登板試合を見たのはドラフト会議が目前に迫った9月のリーグ戦…。見る目のなさを痛感しながら、活躍を祈っています。(記者コラム・種村 亮)

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