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コーチ一筋26年 中日・森監督 覚悟の船出「これが最後のユニホーム」

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名参謀から指揮官の道へ。4年連続Bクラスのチームを立て直すべく、中日は森繁和監督(62)が来季から指揮を執る。コーチ一筋26年間の野球人生。ヘッドコーチだった今季はシーズン途中から監督代行を務めたが、これまでは参謀役として数多くの将を支えてきた。自ら監督となった覚悟、そして来季へ向けたビジョンを聞いた。 (取材・構成=細川 真里、鈴木 勝巳)

 ――就任から2カ月。秋季キャンプも終えた。

 「キャンプはコーチ陣に任せる形で海外(新外国人の視察でキューバ、ドミニカ共和国)に行ってしまったが、毎日のように連絡も来ていた。納得、満足のいく練習はしたと思っている」

 ――これまでコーチ一筋26年。参謀役だった。

 「俺は(今季で)辞めるつもりだった。責任を取る覚悟でいたし、俺も監督という頭はなかった」

 ――そんな中で監督代行から、正式な監督への就任要請を受けた。

 「今の(チーム)状態だったら、喜んでやるのは誰もいないんじゃないか、と思った。だったら、やろうかと。(理想とする)監督像なんて全く考えたことはない。監督をやろうと思ったこともないよ」

 ――そんな森監督を支える「参謀役」に、前オリックス監督の森脇コーチが就任した。

 「森脇は俺の隣にいてサインを出す、という形をとっていく。あいつの場合は経験もある。ファースト(のベースコーチ)は長嶋、サードは奈良原にやらせるつもりだ」

 ――自身のコーチ時代と、スタンスは変わる。

 「立場は全然違う。変えなきゃおかしい。俺の代わりに、コーチ陣が動かなかったら意味がない。あまりちょっかいを出してしまうとバランスが良くない。そういうメンバーをそろえているつもり。言われる前に動いてくれるだろうと思っている。俺の場合、頼りにしなくちゃいけない人がいっぱいいるからね」

 ――新たな陣容でチームの再建を目指す。ポイントは?

 「今年は終盤に逆転された。9回の田島までどうやってつなぐか。7、8回に投げられる経験のある(外国人)投手を探している。今までは打者で外国人を3人使っていたこともあるが、それはできなくなる。常時、ベンチに入れる投手が1人、先発で1人。野手は2人…となるだろう」

 ――攻撃面ではチーム盗塁数がリーグ5位だった。

 「ウチは足が絡んだ攻撃が手薄。(秋季キャンプの)練習もベースランニングから入った。足が速くなければ、スタートを良くしたり他のことでカバーしないと。基本的にはまず走ることから。投手もそう。どんどん入れていく」

 ――チームは4年連続でBクラス。

 「一番の目標は、まずクライマックス。そこまでいけば優勝争いもできるだろう。まずそこを目指して、3位に入れば、もう一回チャンスがある。そういう経験を(選手に)させたい」

 ――コーチを務めた落合監督の下では、8年間でリーグ優勝4度。

 「求めているのは同じ野球。みんな一緒だ。勝つためにやる。俺が負ければ、監督として才能がないと思えばいい。やるからには勝ちにいく。できるだけのことはやって負けましょう。やらずに負けるというわけにはいかない」

 ――指揮官としての覚悟が伝わる。

 「当然、最後のユニホームだと思っている。辞めるつもりでいたんだから。簡単なんだよ、辞めるのはな。ただ、最高のコーチ陣をそろえたつもりだから、1年で解散するわけにはいかない。俺にとっては一年一年。でも、他のコーチはそうじゃない。自分自身の勉強、次のドラゴンズのためにやらなきゃいけないコーチ陣がいっぱいいる。先のことまで考えつつ、いろんなことはしているよ」

 ◆森 繁和(もり・しげかず)1954年(昭29)11月18日、千葉県生まれの62歳。駒沢高から駒大、住友金属を経て、78年ドラフト1位で西武に入団。88年に引退するまでの通算成績は344試合で57勝62敗82セーブ、防御率3.73。83年に最優秀救援投手賞。89年から西武、日本ハム、横浜で投手コーチなどを歴任。04~11年まで中日で投手、ヘッドコーチなどを務め、14年に復帰。1メートル82、85キロ。

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