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【巨人】長野、熊本地震で被災した南阿蘇村を慰問、4・18熊本公式戦で本塁打約束

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↑熊本地震での被災者激励のため南阿蘇中学校をサプライズで訪問した長野は、野球部練習に参加し部員たちとダッシュした

 巨人・長野久義外野手(31)が18日、4月の熊本地震で被災した熊本・南阿蘇村を慰問した。現地では、仮設住宅や中学校を訪れ、被災者と交流。震災直後の4月19日に熊本市内の藤崎台県営球場で予定されていた中日戦は中止となったが、来年4月18日に同球場でヤクルト戦が組まれており、「ぜひ応援に来てください。頑張ってホームランを打ちます」と“復興支援弾”を約束した。

 思わず、言葉に力がこもった。壇上に立った長野は真っすぐ前を向き、生徒たち一人一人の目を見て、約束した。「来年は熊本でジャイアンツの試合があります。時間があったら、ぜひ応援に来て下さい。頑張って、ホームランを打ちます」。南阿蘇中で行われていた「学習成果発表会」に、サプライズゲストとして登場。来年4月に熊本で開催されるヤクルト戦で、一発を放つと宣言した。

 佐賀出身の九州男児。南阿蘇村にはホンダ野球部時代の先輩が住んでいたため、地震前から頻繁に現地を訪れていた。甚大な被害を受けた被災地に対して、プロ野球選手として何ができるのか。復興支援の正解が分からず、ずっと葛藤していた。「報道されている以上に、大変な思いをされていると思います。来る途中の道にもたくさんヒビが入っていて…」。山肌は削れ、家屋の多くは屋根がブルーシートに覆われたまま。4年ぶりの訪問となったが、想像を絶する光景だった。

 だが、被災者の明るさと温かさが、長野の緊張をほぐしてくれた。最初に訪れた仮設住宅では、もみくちゃにされながらの大歓迎。おばあちゃんたちからは「テレビで見るより、ずっといい男だね!」「寒いから、抱きしめてもらおうかしら?」と声をかけられ、ようやく笑みがこぼれた。なぜかメジャーリーグの選手名鑑にサインをねだられ、「これ、どこに書けばいいですか?」とツッこむなど、気がつけばいつもの長野らしさを取り戻していた。

 最後は、中学校の野球部の練習に飛び入り参加した。軟式ボールがなかなか飛ばずに苦戦するも、左翼に特大の一発を放って大満足。生徒たちには「来た球を打つだけだ!」と、長野らしいシンプルなアドバイスを送った。途中からは雨が降り始めたが、ずぶぬれになりながらも、日が暮れるまで熱血指導は続いた。

 来年4月に巨人・ヤクルト戦が行われる藤崎台県営球場は、熊本城公園内にある熊本野球の聖地。地震では球場の壁が倒れるなど被害を受けたが、修復され、夏の高校野球熊本大会でも使用された。さらに復旧は進み、11年ぶりの巨人戦を迎える。過去には巨人・王貞治(現ソフトバンク球団会長)が現役ラストアーチを放つなど、数々の伝説が生まれたスタジアムだ。野球への取り組み方について、熊本の中学生に「人に負けたくない気持ちを持ってやってきたし、あとは明るくやっています」と話した長野。来春の熊本で、そんな快活な姿を見せる。

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