イベント化されつつあるトライアウト
11月12日(土)、甲子園球場にてプロ野球12球団合同トライアウトが開催された。
内野スタンドが満員に膨れ上がるなど、注目の高さを感じさせた。昨今のTV番組の特集の影響もあるのだろう。 “トライアウト”という選手の生活をかけた場というより、ひとつのイベントのようでもあり、少し違和感があった。
2016シーズンまでで、契約を更新しない選手、自由契約を宣言された選手たち
甲子園のネット裏には日本の球団はもちろんのこと、米メジャーリーグのスカウトも多数訪れ、隠れた素材を探していた。「最近は、選手を切るのが早くなっているからね。こっちとしても、何か変えれば生きるんじゃないかって選手を見つけられたら」とアトランタ・ブレーブスの大屋スカウトである。日米をまたいでの大注目イベントになっている。
とはいえ、トライアウトは、その能力だけで合否が決まるわけではない。どれだけ戦力になるという評価が下っても、チーム内のそのポジションに“空き”がなければ獲得は見送られるからだ。トライアウト前には、横浜DeNAベイスターズの久保裕也と東京ヤクルトスワローズの新垣渚が取り上げられたが、彼らは同じ天秤には掛けられない。役割が違うからだ。
先ごろにドラフトが終わり、FA戦線も始まった。秋季練習も進んでおり、来季への青写真のおおよそがみえてきた中で、加えたいピースがどの部分なのか。そこに合致する選手が再びプロの舞台へと戻れるというのがトライアウトなのである。
BBCでおなじみとなっているトライアウト採点は、例年と同様に、各選手の結果を振り返りながら、プロ野球の世界での可能性を探ってみたい。
今回は、野手編(23人)だ。
トライアウトでのパフォーマンスを主として、以下のように評価をつけた。
A=まだ活躍できる
B=可能性あり
C=大きな変化が必要
さらに、今年はタイプ別に分けて紹介したい。先述したように、タイプによって求められるものが違うからである。打者なら「代打要員」「守備・走塁、ベンチの要因」「スタメンでの再起」。投手なら、『先発タイプ』『左腕中継ぎ、ワンポイント』という風にだ。紹介順はタイプ別のランクと思ってもらっていい。
代打要員を目指すタイプ
井手正太郎(DeNA)
採点B 結果 5打数1安打
評 結果は1安打のみも、代打のピースとしてやれるところを見せたといえる。守ることも出来るため、チームの非常事態には戦力となるはずである。
青松慶侑(ロッテ)
採点B 結果 5打数2安打1三振
評 捕手ができることをアピールしたのは大きい。代打要員兼第3の捕手としてベンチ入りさせれば、チームは捕手を2人登録するだけで済むからだ。ただ、打撃の面では持ち前の長打力の一端を見せることが出来なかったのがやや不満だ。
後藤光尊(楽天)
採点B 結果 4打数1安打1三振
評 守備でアグレッシブに動きまくり、年齢を感じさせなかった。左の代打要員として期待できるうえ、守備面でも貢献が見込めるので、獲得しても損失はそう多くはない。
角晃多(元ロッテ)
採点B 結果 4打数2安打2四球1三振
評 独立リーグからの復帰を目指す。打撃面に関しては能力の一端は見せたといえる。結果だけでなく、スイングも力強かった。左の代打として使える目処はたった。課題は守備でのアピールがなかった点だ。それだけに、もっと積極的に守備につきたかった。
大平成一(元日本ハム)
採点C 結果 6打数1安打3三振
評 しっかりとバットを振ることが出来ているなど、27歳になってもあきらめていない気持ちを感じることはできた。
長江翔太(巨人)
採点C 結果 4打数無安打2四球3三振
評 豪快なスイングに魅力はあったが、評価するにはあたらず。野手転向2年目だけにしかたない部分もあるが、上手く育成が行かなかった選手なのだろう。
渡辺貴洋(元巨人)
採点C 結果 6打数2安打1三振
評 2安打をマークするなどスイングは悪くなかったが、それ以外に魅了する部分がなく、違いを感じることはできなかった。
佐藤貴規(元ヤクルト)
採点C 結果 7打数1安打3三振
評 トライアウトは3年連続の出場となる。昨年は打でアピールしながらもNPBとの契約がなかった。再チャレンジも3三振と結果を残すことが出来なかった。グラウンド上でもほとんど目立たず、トライアウト終了後の方が目立っていた。
守備・代走、ベンチ要因タイプ
中東直己(広島)
採点A 結果 5打数2安打
評 能力は申し分ない。ユーティリティープレイヤーとして想像通りのやれる力を見せた。加えて、捕手が出来ることもアピール。第3の捕手としても起用もできるため、かなり使い勝手のいい選手との印象を与えた。後は球団側に空きがあるかどうか。
金子圭輔(ソフトバンク)
採点B 結果 5打数1安打1三振
評 シーズン最後まで1軍に居たのが頷ける。内野はどこでも守れるユーティリティーとしての存在感がある。いつでもベンチで準備させておくことができ、計算のたつ選手だ。
原拓也(オリックス)
採点B 結果 4打数無安打1四球1三振
評 内野のユーティリティ兼代打要員としては戦力になり得る。やや守備力、走力に欠ける分、上記2人よりは劣る。32歳という年齢で、このタイプの選手が欲しいかどうか。ただ声がかかっても不思議ではない。
坂克彦(阪神)
採点C 結果 5打数2安打2三振
評 持っている力は見せた。ベンチに置いておくプレイヤーとして様々な使い方が出来るが、トライアウトでのプレーが実年齢より老けこんで見えたのがやや気になるところだ。
内村賢介(DeNA)
採点C 結果 4打数1安打1四球2三振
評 内野のユーティリティプレイヤーとしての存在感は見せた。守備走塁要因として戦力にはなるはずだが、どうしても必要な選手というアピールはなかった。
柴田講平(阪神)
採点C 結果 3打数無安打2四球1三振
評 阪神ファンの声援を背に受けて打席に立ったが快音を響かせることはできなかった。トライアウトの終盤、多くの選手が引き上げていくなか、最後まで守備についていた気持ちは評価したい。
深江真登(元オリックス)
採点C 結果 7打数無安打3三振
評 バッティング面では無安打3三振と散々だった。ただ、参加メンバーで唯一、凡打でも走塁を怠らなかった。悪い中でも、自分の力を出し切ろうとしていた。
加藤健(巨人)
採点B 結果 5打数1安打2三振
評 第3の控え捕手として生き残りをかけている。あくまでも、選手層をカバーするピースとしての存在になるだろう。スローイングはやや限界に近い。元同僚の久保(DeNA)から右翼前安打を放った打球はベテランの上手さを見た。さらに人間性の良さがチームに与える影響を持っている。
八木健史(元ソフトバンク)
採点C 結果 5打数0安打1三振
評 シートノックの二塁送球でストライクが一つもなかった。肩は強いのに、持て余している印象だった。
芳川庸(巨人)
採点C 結果 4打数0安打2四球
評 スローイング、バッティングともに魅力を感じなかった。実戦経験も少ないのでは?
小林大誠(巨人)
採点C 結果 5打数0安打1四球3三振
評 スローイングはたまに良い所もあるが安定感がない。性格のブレだろう。バッティングは忠実なスタイルも、良さはなかった。
レギュラーとして再起を目指す
堤裕貴(オリックス)
採点C 結果 5打数2安打1四球1三振
評 出場選手中、唯一の長打を放った。年齢的にも、まだ若い。使いようはあるはずだ。精力的に動いていた点がどう評価されるか。
榎本葵(楽天)
採点C 結果 5打数1安打1四球2三振
評 21UW杯メンバーのひとり。1安打をマークするも、強烈な印象を与えるまでには至らなかった。もともと持っている能力が高かっただけに、少し残念だ。
川上竜平(ヤクルト)
採点C 結果 4打数無安打1三振
評 若さに期待したが、プレーにアグレッシブさがまるでなく、悪い意味でプロ野球に慣れてしまった印象だ。若い分、可能性にかけて拾う球団もあってほしいが、結果もでず、かなり厳しいだろう。
大坂谷啓生(楽天)
採点C 3打数1安打3四球2三振
評 守備面では2つのミスがあり、目も当てられなかった。打撃面では必死に振っていく姿勢は見せていた。このタイプで守れないのは厳しい。
中々厳しいトライアウトになったみたいですね?
トライアウトに出てアピール出来る部分が無いとまぁ無理でしょう?
11月12日(土)、甲子園球場にてプロ野球12球団合同トライアウトが開催された。
内野スタンドが満員に膨れ上がるなど、注目の高さを感じさせた。昨今のTV番組の特集の影響もあるのだろう。 “トライアウト”という選手の生活をかけた場というより、ひとつのイベントのようでもあり、少し違和感があった。
2016シーズンまでで、契約を更新しない選手、自由契約を宣言された選手たち
甲子園のネット裏には日本の球団はもちろんのこと、米メジャーリーグのスカウトも多数訪れ、隠れた素材を探していた。「最近は、選手を切るのが早くなっているからね。こっちとしても、何か変えれば生きるんじゃないかって選手を見つけられたら」とアトランタ・ブレーブスの大屋スカウトである。日米をまたいでの大注目イベントになっている。
とはいえ、トライアウトは、その能力だけで合否が決まるわけではない。どれだけ戦力になるという評価が下っても、チーム内のそのポジションに“空き”がなければ獲得は見送られるからだ。トライアウト前には、横浜DeNAベイスターズの久保裕也と東京ヤクルトスワローズの新垣渚が取り上げられたが、彼らは同じ天秤には掛けられない。役割が違うからだ。
先ごろにドラフトが終わり、FA戦線も始まった。秋季練習も進んでおり、来季への青写真のおおよそがみえてきた中で、加えたいピースがどの部分なのか。そこに合致する選手が再びプロの舞台へと戻れるというのがトライアウトなのである。
BBCでおなじみとなっているトライアウト採点は、例年と同様に、各選手の結果を振り返りながら、プロ野球の世界での可能性を探ってみたい。
今回は、野手編(23人)だ。
トライアウトでのパフォーマンスを主として、以下のように評価をつけた。
A=まだ活躍できる
B=可能性あり
C=大きな変化が必要
さらに、今年はタイプ別に分けて紹介したい。先述したように、タイプによって求められるものが違うからである。打者なら「代打要員」「守備・走塁、ベンチの要因」「スタメンでの再起」。投手なら、『先発タイプ』『左腕中継ぎ、ワンポイント』という風にだ。紹介順はタイプ別のランクと思ってもらっていい。
代打要員を目指すタイプ
井手正太郎(DeNA)
採点B 結果 5打数1安打
評 結果は1安打のみも、代打のピースとしてやれるところを見せたといえる。守ることも出来るため、チームの非常事態には戦力となるはずである。
青松慶侑(ロッテ)
採点B 結果 5打数2安打1三振
評 捕手ができることをアピールしたのは大きい。代打要員兼第3の捕手としてベンチ入りさせれば、チームは捕手を2人登録するだけで済むからだ。ただ、打撃の面では持ち前の長打力の一端を見せることが出来なかったのがやや不満だ。
後藤光尊(楽天)
採点B 結果 4打数1安打1三振
評 守備でアグレッシブに動きまくり、年齢を感じさせなかった。左の代打要員として期待できるうえ、守備面でも貢献が見込めるので、獲得しても損失はそう多くはない。
角晃多(元ロッテ)
採点B 結果 4打数2安打2四球1三振
評 独立リーグからの復帰を目指す。打撃面に関しては能力の一端は見せたといえる。結果だけでなく、スイングも力強かった。左の代打として使える目処はたった。課題は守備でのアピールがなかった点だ。それだけに、もっと積極的に守備につきたかった。
大平成一(元日本ハム)
採点C 結果 6打数1安打3三振
評 しっかりとバットを振ることが出来ているなど、27歳になってもあきらめていない気持ちを感じることはできた。
長江翔太(巨人)
採点C 結果 4打数無安打2四球3三振
評 豪快なスイングに魅力はあったが、評価するにはあたらず。野手転向2年目だけにしかたない部分もあるが、上手く育成が行かなかった選手なのだろう。
渡辺貴洋(元巨人)
採点C 結果 6打数2安打1三振
評 2安打をマークするなどスイングは悪くなかったが、それ以外に魅了する部分がなく、違いを感じることはできなかった。
佐藤貴規(元ヤクルト)
採点C 結果 7打数1安打3三振
評 トライアウトは3年連続の出場となる。昨年は打でアピールしながらもNPBとの契約がなかった。再チャレンジも3三振と結果を残すことが出来なかった。グラウンド上でもほとんど目立たず、トライアウト終了後の方が目立っていた。
守備・代走、ベンチ要因タイプ
中東直己(広島)
採点A 結果 5打数2安打
評 能力は申し分ない。ユーティリティープレイヤーとして想像通りのやれる力を見せた。加えて、捕手が出来ることもアピール。第3の捕手としても起用もできるため、かなり使い勝手のいい選手との印象を与えた。後は球団側に空きがあるかどうか。
金子圭輔(ソフトバンク)
採点B 結果 5打数1安打1三振
評 シーズン最後まで1軍に居たのが頷ける。内野はどこでも守れるユーティリティーとしての存在感がある。いつでもベンチで準備させておくことができ、計算のたつ選手だ。
原拓也(オリックス)
採点B 結果 4打数無安打1四球1三振
評 内野のユーティリティ兼代打要員としては戦力になり得る。やや守備力、走力に欠ける分、上記2人よりは劣る。32歳という年齢で、このタイプの選手が欲しいかどうか。ただ声がかかっても不思議ではない。
坂克彦(阪神)
採点C 結果 5打数2安打2三振
評 持っている力は見せた。ベンチに置いておくプレイヤーとして様々な使い方が出来るが、トライアウトでのプレーが実年齢より老けこんで見えたのがやや気になるところだ。
内村賢介(DeNA)
採点C 結果 4打数1安打1四球2三振
評 内野のユーティリティプレイヤーとしての存在感は見せた。守備走塁要因として戦力にはなるはずだが、どうしても必要な選手というアピールはなかった。
柴田講平(阪神)
採点C 結果 3打数無安打2四球1三振
評 阪神ファンの声援を背に受けて打席に立ったが快音を響かせることはできなかった。トライアウトの終盤、多くの選手が引き上げていくなか、最後まで守備についていた気持ちは評価したい。
深江真登(元オリックス)
採点C 結果 7打数無安打3三振
評 バッティング面では無安打3三振と散々だった。ただ、参加メンバーで唯一、凡打でも走塁を怠らなかった。悪い中でも、自分の力を出し切ろうとしていた。
加藤健(巨人)
採点B 結果 5打数1安打2三振
評 第3の控え捕手として生き残りをかけている。あくまでも、選手層をカバーするピースとしての存在になるだろう。スローイングはやや限界に近い。元同僚の久保(DeNA)から右翼前安打を放った打球はベテランの上手さを見た。さらに人間性の良さがチームに与える影響を持っている。
八木健史(元ソフトバンク)
採点C 結果 5打数0安打1三振
評 シートノックの二塁送球でストライクが一つもなかった。肩は強いのに、持て余している印象だった。
芳川庸(巨人)
採点C 結果 4打数0安打2四球
評 スローイング、バッティングともに魅力を感じなかった。実戦経験も少ないのでは?
小林大誠(巨人)
採点C 結果 5打数0安打1四球3三振
評 スローイングはたまに良い所もあるが安定感がない。性格のブレだろう。バッティングは忠実なスタイルも、良さはなかった。
レギュラーとして再起を目指す
堤裕貴(オリックス)
採点C 結果 5打数2安打1四球1三振
評 出場選手中、唯一の長打を放った。年齢的にも、まだ若い。使いようはあるはずだ。精力的に動いていた点がどう評価されるか。
榎本葵(楽天)
採点C 結果 5打数1安打1四球2三振
評 21UW杯メンバーのひとり。1安打をマークするも、強烈な印象を与えるまでには至らなかった。もともと持っている能力が高かっただけに、少し残念だ。
川上竜平(ヤクルト)
採点C 結果 4打数無安打1三振
評 若さに期待したが、プレーにアグレッシブさがまるでなく、悪い意味でプロ野球に慣れてしまった印象だ。若い分、可能性にかけて拾う球団もあってほしいが、結果もでず、かなり厳しいだろう。
大坂谷啓生(楽天)
採点C 3打数1安打3四球2三振
評 守備面では2つのミスがあり、目も当てられなかった。打撃面では必死に振っていく姿勢は見せていた。このタイプで守れないのは厳しい。
中々厳しいトライアウトになったみたいですね?
トライアウトに出てアピール出来る部分が無いとまぁ無理でしょう?