↑第3戦の6回、大谷(左)を左飛に仕留めた黒田。現役最後の相手となった
日本シリーズ第7戦を見たかった。野球ファンなら誰もが、そう思ったに違いない。今季限りで引退するレジェンド、広島・黒田博樹(41)と規格外の二刀流、日本ハム・大谷翔平(22)の投げ合い。今の日本球界でこれ以上のマッチアップがあるだろうか。この2人で日本一を競うのだから、どれだけの盛り上がりを見せたことか。
結果的に黒田の現役最後の相手も「打者・大谷」だった。日本シリーズ第3戦(10月25日・札幌D)、2―1の広島リードで迎えた6回1死、大谷を134キロのスプリットで左飛に打ち取った。この直後に両足がつるアクシデントで緊急降板。これが最後の投球になった。レジェンドから、怪物へ、次世代を託す―。偶然にしては出来過ぎ。世代交代のシーンとして、あまりに美しかった。
第6戦で終戦が決まった試合後、黒田は大谷についてこうコメントした。「次元が違うというか、(投打)すべてが一流というのはありえないと思っていたので、ショッキングだったというか。対戦してやっぱりすごいなと。なかなか出会うことはない。アスリートとして次元が違う感じは受けました」。
また、その前にはこうも話していた。「見ていると、すごくうらやましいですよ」。一方で、「ただ彼もいつかはそういう時がくるだろうし、どう自分で変わっていくか。それは彼だけじゃなく、今のカープの投手陣も。150キロをずっと投げ続けられる訳じゃないから」。
プロ20年のキャリア。広島でエースを務め、7年間プレーしたメジャーでも、ローテーションを守り続けた。150キロを超えるスピードボールとフォークを武器にしてきた黒田も、メジャーではボールを動かす投球スタイルに変えた。「そうしないと生き残っていけなかったから」。試行錯誤し、積み上げた203の勝ち星には意地とプライドが詰まっている。
黒田は当面、自宅のある米国で「野球のことを忘れて」のんびり過ごすという。いつの日か、メジャーへ渡った大谷と、再会する日があるかもしれない。それまでに大谷がどんな進化を遂げるか、興味深く見守っているはずだ。
日本シリーズ第7戦を見たかった。野球ファンなら誰もが、そう思ったに違いない。今季限りで引退するレジェンド、広島・黒田博樹(41)と規格外の二刀流、日本ハム・大谷翔平(22)の投げ合い。今の日本球界でこれ以上のマッチアップがあるだろうか。この2人で日本一を競うのだから、どれだけの盛り上がりを見せたことか。
結果的に黒田の現役最後の相手も「打者・大谷」だった。日本シリーズ第3戦(10月25日・札幌D)、2―1の広島リードで迎えた6回1死、大谷を134キロのスプリットで左飛に打ち取った。この直後に両足がつるアクシデントで緊急降板。これが最後の投球になった。レジェンドから、怪物へ、次世代を託す―。偶然にしては出来過ぎ。世代交代のシーンとして、あまりに美しかった。
第6戦で終戦が決まった試合後、黒田は大谷についてこうコメントした。「次元が違うというか、(投打)すべてが一流というのはありえないと思っていたので、ショッキングだったというか。対戦してやっぱりすごいなと。なかなか出会うことはない。アスリートとして次元が違う感じは受けました」。
また、その前にはこうも話していた。「見ていると、すごくうらやましいですよ」。一方で、「ただ彼もいつかはそういう時がくるだろうし、どう自分で変わっていくか。それは彼だけじゃなく、今のカープの投手陣も。150キロをずっと投げ続けられる訳じゃないから」。
プロ20年のキャリア。広島でエースを務め、7年間プレーしたメジャーでも、ローテーションを守り続けた。150キロを超えるスピードボールとフォークを武器にしてきた黒田も、メジャーではボールを動かす投球スタイルに変えた。「そうしないと生き残っていけなかったから」。試行錯誤し、積み上げた203の勝ち星には意地とプライドが詰まっている。
黒田は当面、自宅のある米国で「野球のことを忘れて」のんびり過ごすという。いつの日か、メジャーへ渡った大谷と、再会する日があるかもしれない。それまでに大谷がどんな進化を遂げるか、興味深く見守っているはずだ。