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GAMI社長が語る今年の「CATCH」

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女子プロレス団体WAVEが開催する、毎年恒例のシングル最強決定戦「CATCH THE WAVE 2016」が10日の東京・後楽園ホール大会で開幕する。

 第8回大会となった今年は、団体の枠を超えた総勢32名が参加。1ブロック4人の8ブロック制の予選から、優勝者の『波女』を決めるトーナメントが行われる。

 まさに現在の女子プロレス界の縮図が見られる今大会。仕掛け人の二上美紀子(GAMI)代表取締役社長に、その意図などを聞いてみた。

32人は『サッカーW杯』形式を取り入れる

↑OZアカデミーの尾崎魔弓社長(左)には最初にオファー。駄目もとだったが、参加が決定となった

――「CATCH THE WAVE(以下CATCH)」も今年で8回目を迎えます。昨年はレギュラー選手10選手による1ブロック制でしたが、今年は何と総勢32人が参加し、1ブロック4人の8ブロック制。いきなり3倍以上の人数に増やした理由はなんですか?

 まず私、結構数字にこだわるのが好きなんですよ。だから8回目っていうのと、やっぱり(総当たりリーグ戦は)年に1回のことなのでスポーツっぽいものを真似よう……あ、取り入れようって(笑)。
 そういう話の中で「サッカーがいい」っていう意見が結構前からあったんですよ。でも1ブロック4人を8ブロックって言うから「アホか! そんなもんできるか!」って言ったんですけど(苦笑)、8回目だしやってもええかなと思って。

――WAVEはOSAKA女子(株式会社『ZABUN』系列の団体)も合わせたら所属選手がかなり多いですけど、所属なら全員出場できるというわけではない。他団体のレギュラー選手から普段はあまりWAVEに上がっていない選手も含めて、GAMIさんの中で「こういうメンバーに出てもらいたい」みたいな構想はあったんですか?

 まずチャンピオンは入れない!

――現在、各団体のシングル王座ですか?

 藤本(つかさ/アイスリボン)は(インタビュー日の時点ではREINA世界女子の)チャンピオン(※)なんですけど、レギュラー枠ということで。あと尾崎(魔弓/OZアカデミー)さんも(JWP無差別級の)チャンピオンなんですけど、自分のところの団体のチャンピオンではないので。

※REINA世界女子王座は3.25REINA後楽園大会で真琴が藤本を破り第5代王者となっている

――Regina(=WAVEのシングル王者)の山縣優選手もエントリーしていませんね。

 そう。だけど毎年入っていなかった(浜田)文子を今年は入れたんですよ。去年までCATCHの期間中は浜田文子の無駄遣いをずっとしていたんですけど、それもしんどいからもう入れようって(笑)。あと里村明衣子(仙台女子)と高橋奈七永(シードリング)は抜かしました。

――それはなぜです?

 だっておもろないもん! それよりも仙女だったらDASH・チサコ、シードリングだったら世志琥のほうがおもろいやん! DASH・チサコに関しては、去年妹(仙台幸子さん)が引退したじゃないですか。だから一人浮いてるなって思って。

――確かにシングルプレイヤーとしてのチサコ選手は気になりますよね。ほかもJWPなら中島安里紗選手、REINAだったら3月25日に退団してしまいましたけど朱里選手と、現在チャンピオンじゃなくてもいわゆる団体の顔というか象徴的な選手がいますが、そういった選手ではなく敢えて無冠のエース的な選手がエントリーしていますね。

 そうですね。敢えていつもメインを取っているわけじゃなく、セミとかセミ前とかにも出るような人を選びました。あとは尾崎さん! みんな「なんで尾崎さん?」って言うんですけど、絶対出えへんだろうなと思って(笑)。だから実は一番最初にオファーしたのは尾崎さんです!

――OZアカデミーといえば現在、無差別級王者の加藤園子選手、強さの象徴でいえばアジャ・コング選手をイメージしますが、ここで尾崎選手が出て来るっていうのは面白いですね。そうやって見ると、何とも絶妙な感じで各団体から選手がエントリーして総勢32人もの選手が集まりましたが、GAMIさんはこの出場選手に決まったときどう思われたんですか。

 最後の最後に世志琥の出場が決まったのは、やっぱり大きかったかなと思いましたね。ぶっちゃけ世志琥は当初頭数に入ってなかったんですけど、復帰したんで最速でオファーしました。そこから交渉してギリギリで出場が決まったんですけど、その気になれば集まるなあって。

“コメヤマ”参戦、松本浩代不参戦の理由は……

いい試合をするのは分かっている松本浩代だが、不参加の理由は……

―やはり各団体との交渉は大変でしたか?

 電話一本というわけでもないですけど、結構……。「他団体とは基本的に絡まない。自分のところでやる」って言ってるスターダム以外、全女子プロレス団体に声はかけたんですよ。スケジュールとかいろいろな事情で出られない団体もありましたけど、ただ世界プロレス協会だけは忘れてたんです(笑)!

――忘れてたんですか?(笑)

『しまった(ミス・)モンゴルに言うの忘れた』って! そこが出てたらすごかったんですけどね。

――今、おっしゃった通り、スターダムは基本的には他団体とはあまり絡みませんし、毎年開催している「5☆STAR GP」というシングル総当たりリーグ戦も所属選手やレギュラー選手が中心ですが、その辺は意識しましたか?

 思いっきり真逆にしようって。でもうちかて、(他団体の選手がたくさん参戦するのは)この時だけじゃないですか。

――はい、普段出ている他団体の選手は大半がレギュラー参戦ですね。

 だから、この時ばかりは派手にしようかなという思いはありますね。各団体から出てほしかったからフリーの選手も厳選したんですよ。コメヤマ(米山香織)はこの間、たまたまLeon(JWP)がインフルエンザで欠場した時に出てもらったんですけど、いまReginaの山縣と同期なんですよ。それで6人タッグで対戦したんですけど、それが結構面白かった。ここからまたドラマが始まるかなと思って、コメヤマにも出てもらうことにしたんです。

――米山選手はスターダムにレギュラー参戦していますから、そういうフリーの選手がWAVEのリーグ戦に出るというのはファンからしたらまた見どころのひとつになりますね。

 そうですね。あ、松っちゃん(松本浩代)を入れなかったのは、単純に雨が降るからです。

――え? スケジュールの都合とかじゃなくてですか?(苦笑)

 単純にそれだけの理由! 松っちゃんはすごくいい試合するし、松っちゃんが入ったらすごくボリュームも出るじゃないですか。すごくいいんですけど、本当に雨降るのは勘弁してほしいんで。2年前えらいことになりましたから! (松本が)出る大会、全部雨! 縄文時代とか弥生時代とかに生まれていたら、歴史に名が残っていたかもしれないですよ。

うっかり“波女”を目指す飯田

自分の団体の選手としては飯田美花の“うっかり波女”にも期待していると話す

そんなこともありましたね(笑)。ZABUNの社長であるGAMIさんから見て、今年のCATCHでWAVEと大女、まず所属選手にはどんなことを期待していますか。注目している選手は?

 文子は別枠として、メラニー(・クルーズ)、水波(綾)、あと飯田(美花)かな。メラニーは未知じゃないですか。桜花(由美)よりデカいんですよ! ……それだけですけど(苦笑)。

 水波はとくに根拠はないんですけど(苦笑)、盛り上がるし。それに聞いたらWAVEに来てからベルトも巻いたことないって言うんで。でも(ヒザの手術で)1年棒に振っているんで、それはしょうがないんで。あと飯田美花っていう選手は、ここ2回のCATCHを見ててCATCHの時にものすごくレベルがガーンって上がるんですよ。

――試合内容も含めて目立った活躍をしますね。

「細々と頑張ります」っていうコメントとは裏腹に、試合になったらガーンと上がるから、そこは見どころかな。大物にサクッと勝ったりするんで。

――とくに今年は4人で1ブロックですから、1勝がかなり大事になりますよね。

 そうなんですよ! だから2勝したらもうブロック通過ですよ。飯田はリーグ戦に強い選手なんですよね。だから決勝に行ってほしい! うっかり“波女”とかになってほしい!(笑)

世志琥中心のリーグになるとは限らない

GAMI社長の注目選手はディアナのSareee。かわいい子への“えこひいき”と断言

 世志琥がいま出たらインパクトありますよ。でも世志琥の裏にあと31人いるわけですよ。世志琥と山下のドラマよりも、もっと違うドラマがあるんだからそこをもっと注目してよって。48試合あるってことは48通りのドラマが生まれるんだから、世志琥vs.山下をそんな簡単にやるかって(苦笑)。みんなが期待してるなら2人が勝ち上がってきて、上のほうで実現させなさいよって。

――社長としてもやはり集客が見込めるカードは、大きな舞台で実現してほしいですよね。

 そりゃそうですよ。クライマックスはあとに取っておかんと!

いつもとはまったく違う先がけ的な試み
――ではいろいろな団体から選手が集まり、史上最多32人が出場する今年のCATCHですが、この大会が終わったあとの展開とかは何か考えていますか?

 それこそここでドラマが生まれたら、どんどんやってほしいですよね。女子プロレスって今、10何団体かあって、みんな必死じゃないですか。私もWAVEの経済状況とか最低限考えますけど、女子プロレスがもっと「Yahoo!ニュース」にいっぱい載るようなことしないと(笑)。CATCHだって今まで7回やってますけど、今までで一番注目されてるし、みんな優勝予想とかしてる。こういうプラスの話題をどんどん出していかんと。

――女子プロレス界が盛り上がるなら、CATCHで生まれたドラマを各々が自分の団体に持ち帰ってもらっても構わない?

 どんどん持ち帰ってくださいよ! あと今年のCATCHは仙台から博多まで行くんで。日程の調整が大変なんですけど、普段自分の団体では行かないような地方に行ってもらいたい。そこで何かつながればいいし、CATCHをキッカケにしてもっと広げてほしい。何の制約もないからみんなドンドンやってくれればいいですよ。ただし組まれた試合をただやっていますみたいな試合を1回でもした選手は、もう二度とうちのリングには上げません! それぐらい注目されているし、注目されているからってわけじゃなくて年に1回のリーグ戦をすごく大事にしてきたんで。そこはちょっと頭に入れておいてほしいですね。

――「今年のCATCHはサッカーのワールドカップ」という話がありましたが、来年以降、各団体で予選リーグを行って、勝ち上がった選手が集まって決勝リーグをやるというのも面白いかもしれませんね。

 ホンマに女子プロレス協会みたいなものができて、「協会主催で年に1回ワールドカップみたいなものをやりましょう」って言うんやったら、CATCHはWAVE代表を決める大会にすればいい。それが実現するなら、自ずと女子プロレスの今年の一番が決まるから分かりやすいですよね。難しいだろうけど(笑)。

――このインタビューがアップされる前後にはブロック分けも発表になっていると思うのですが、最後に今年のCATCH、ここだけは見逃すなという部分を教えてもらえますか?

 開幕ですかね。決勝より開幕かもしれませんよ。っていうか、開幕見ずして語れませんよ。私、ハワイで“ビキニテロ”やりながら頭の中ですご~く構想を練ってきて、2月と3月は他の仕事減らしてこれに向けて動いてきたんで。今年は本当に大掛かりだし、仕掛けもいっぱい用意したんで、いつもとはまったく違うし、やっているところもあるけど女子プロレス的にはちょっと先がけかなということもやりまっせ!


シードリングで生まれた世志琥と山下らとの因縁。これがどこでぶつかることになるか

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