私事ではあるが、9月いっぱいでオリックス担当を離れることになった。4シーズンも担当できたのはうれしい限りだが、その分、寂しさも大きい。ここ2、3週間は、お世話になった方々へのあいさつ回りで忙しかったが、「お疲れ様やったな」と労ってくれたのが、2軍でスタジアムDJを務めるケチャップさんだった。
本名は藤本芳則さん。だが、ケチャップさんとしか呼んだことがない。スポーツや各種のイベントでDJを務めるケチャップさんは、横浜、DeNAで10年もスタジアムDJを担当。ファンサービス企画なども全て任された年もあるほどエンターテインメントのプロだ。9月25日はオリックスのウエスタン・リーグ最終戦。神戸第2球場も、ケチャップさんの声で場内は彩られた。「野球も、見るスポーツでなく、参加型にしたい」。その言葉通り、様々なイベントを仕切り、場内は2軍戦とは思えないほど活気づいた。当日は「ファーム感謝まつり」として大々的にイベントしていたが、DJの力は不可欠だと痛感した。
最後は選手もコーチも全員で観客を見送り。マイクで誘導しながらファンにあいさつをしていたケチャップさんが、人知れず涙を流しているのに気がついた。「こんなに応援してもらったのに、なんか、申し訳なくて」。2軍も1軍と同様に最下位に低迷。その責任をDJとしても感じていたのだという。そのプロ意識のすごさに、思わず言葉が出なかった。
実は私にとってはライバルでもあった。「J―SPORTS」のホームページでコラムを執筆。記者よりも選手の近くにいるから、喜怒哀楽が伝わってくる素晴らしいコラムだった。でも、誇ったりしない。「この前の、馬原の記事。すごくいい記事じゃないか」と、私を持ち上げてくれることが多かった。明るく、優しく、仕事は全力投球。お手本のような人でもあった。
そんなケチャップさんが、心酔していた1人が田口壮2軍監督だ。「田口さんは、すごい人だよ。ファンの見送りに、率先して出てきてくれたり。あんなに実績があるのに“おれは田口壮だ”なんて感じは一切ない。来年も、再来年も、おれは田口さんと一緒にやりたいな」。私も同感だった。だからこそ、余計に担当を離れるのが寂しくなった。
来季から、オリックスの2軍は神戸を離れ、大阪市の舞洲地区に移転する。新しい環境で、またファンを出迎える。その中で、ケチャップさんの声が響き渡るのは楽しみだ。2軍から1軍に選手を送り込むのは当たり前。同時に、活気も届けてほしい。少し離れたところになるが、私もオリックスを見守りたい。
本名は藤本芳則さん。だが、ケチャップさんとしか呼んだことがない。スポーツや各種のイベントでDJを務めるケチャップさんは、横浜、DeNAで10年もスタジアムDJを担当。ファンサービス企画なども全て任された年もあるほどエンターテインメントのプロだ。9月25日はオリックスのウエスタン・リーグ最終戦。神戸第2球場も、ケチャップさんの声で場内は彩られた。「野球も、見るスポーツでなく、参加型にしたい」。その言葉通り、様々なイベントを仕切り、場内は2軍戦とは思えないほど活気づいた。当日は「ファーム感謝まつり」として大々的にイベントしていたが、DJの力は不可欠だと痛感した。
最後は選手もコーチも全員で観客を見送り。マイクで誘導しながらファンにあいさつをしていたケチャップさんが、人知れず涙を流しているのに気がついた。「こんなに応援してもらったのに、なんか、申し訳なくて」。2軍も1軍と同様に最下位に低迷。その責任をDJとしても感じていたのだという。そのプロ意識のすごさに、思わず言葉が出なかった。
実は私にとってはライバルでもあった。「J―SPORTS」のホームページでコラムを執筆。記者よりも選手の近くにいるから、喜怒哀楽が伝わってくる素晴らしいコラムだった。でも、誇ったりしない。「この前の、馬原の記事。すごくいい記事じゃないか」と、私を持ち上げてくれることが多かった。明るく、優しく、仕事は全力投球。お手本のような人でもあった。
そんなケチャップさんが、心酔していた1人が田口壮2軍監督だ。「田口さんは、すごい人だよ。ファンの見送りに、率先して出てきてくれたり。あんなに実績があるのに“おれは田口壮だ”なんて感じは一切ない。来年も、再来年も、おれは田口さんと一緒にやりたいな」。私も同感だった。だからこそ、余計に担当を離れるのが寂しくなった。
来季から、オリックスの2軍は神戸を離れ、大阪市の舞洲地区に移転する。新しい環境で、またファンを出迎える。その中で、ケチャップさんの声が響き渡るのは楽しみだ。2軍から1軍に選手を送り込むのは当たり前。同時に、活気も届けてほしい。少し離れたところになるが、私もオリックスを見守りたい。