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西武・雄星は石井一久への道を着々と歩んでいる

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【球界ここだけの話】

 西武・菊池雄星投手(24)が7年目で初の開幕投手を務め、6回2失点で勝ち星こそつかなかったものの、チームはサヨナラ勝ちした。

 そして2カード目のソフトバンク戦(29日)に回った岸孝之投手(31)も7回無失点で勝利投手に。開幕4戦で3勝1敗と、西武の“ギャンブルスタート”は成功した。

 そんな雄星が公私ともに慕い、背番号「16」を継承したのが、西武でともにプレーした石井一久氏(42)だ。

 私がヤクルト担当していた1998年、石井一が初の開幕投手(巨人戦で一回の4点リードを守れず敗戦投手)を務めた。雄星と同じ7年目、24歳のときだった。雄星の開幕投手が明らかになった翌日の2月20日、その話をすると「7年目だったんですか? カズさんはその前の年は何勝だったんですか?」と逆質問された。

 97年は左肩手術明けで、シーズン途中から登板も、横浜戦でノーヒットノーランを達成するなど10勝をマーク。西武との日本シリーズ第1戦にも先発し、文句なしの開幕投手だった。

 そのときに記録を調べていて驚いた。石井一は6年目まで34勝19敗1セーブ。雄星は31勝29敗1セーブ。

 ともに初勝利が2年目で、石井一は95年に13勝しているが、雄星も9勝が2回。ノーヒットノーランが惜しかった試合も2回と、決して負けていなかった。

 そして、さらに似てきたなと思うのがコメントだ。

 昨年の契約更改の際には、「いつも2桁といって9勝で終わっているので、11勝といえば10勝できるかな」。

 3月3日の楽天戦で、オコエからチェンジアップで空振り三振。その場面を「みなさん直球勝負を期待していたんでしょうけど、こっちにもこっちの事情があるので…。逃げてしまいました。僕も結果がほしかったので」と話して報道陣の笑いを誘った。このほかにも言葉の端々に「コメントもますます一久っぽくなってきたな」と思うことが多々ある。

 石井一は雄星が西武に入団した直後の2010年の契約更改で「彼は野球道、僕はベースボール。僕に接しない方がいい。邪魔したくないので」と弟子入りを“拒否”。私もその会見を取材していたが、世の中は何が起こるかわからないものだ。

 雄星にはこれから、日本を代表する投手になり、メジャーリーグへ。石井一と同じ球歴を歩んでいってもらいたい。

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