↑下克上日本一へ向け、“ビデオ観賞のススメ”を説いた阿部
巨人・阿部慎之助捕手(37)が13日、下克上日本一へ向け、“ビデオ観賞のススメ”を説いた。短期決戦のクライマックスシリーズ(CS)を勝ち抜くためには、精神面の充実が大切と力説。リーグ3連覇を達成した14年、本拠地・東京DでのCS最終Sで、阪神に4連敗したことに触れ「その映像を見ればいい。悔しい気持ちを思い出せば、それが力になる」と訴えた。14日の中日戦(ナゴヤD)から始まる11連戦で心技体を研ぎ澄ませ、リベンジの準備を整える。
次なる目標へ、阿部の気持ちは切り替わっていた。10日の広島戦に敗れ、東京Dでの胴上げを許すという屈辱を味わったが、これで燃えないはずがない。「優勝を逃してしまったという現実は変わらないけど、それをしっかり受け止めて、次、やり返せばいい」。2位を死守し、CS第1Sを突破すれば、広島にリベンジするチャンスが訪れる。下克上日本一へ、まだまだ戦いは終わっていない。
闘志をかき立てるために、あえて苦い記憶を引っ張り出す。セ3連覇した14年。阪神とのCS最終Sは、まさかの4連敗であっけなく幕を閉じた。「その映像を見ればいい。技術じゃなくて、気持ちが大事。その時は『コンチクショー!』とみんな思ったけど、時間がたつとそれを忘れちゃう」。長い長いシーズンを勝ち抜いた喜びもつかの間、たった4試合でどん底に突き落とされた。CSのような短期決戦では、精神面をどれだけ充実させられるかが鍵。その最も有効な手段が、屈辱ビデオ観賞というわけだ。
あの秋は阿部だけでなく、村田も長野も坂本も、阪神にスイープされた悔しさを味わった。加えて、今季は広島にもやられっぱなしだった。4・5差に大接近して迎えた8月7日の直接対決(マツダ)では、1点リードの9回に試合をひっくり返され、サヨナラ負け。最後の反撃を期した8月24日の同カード(東京D)でも逆転負けを喫し、マジック点灯を許した。「悔しい気持ちを思い出せば、それが力になる」。百戦錬磨の大黒柱は、そう力説した。
チームはこの日、新幹線で名古屋入りした。14日の敵地・中日戦からは11連戦に突入する。高橋監督は、残り14試合の戦いについて、「緊張感を切らさないように。調子が悪い人は上げないといけないし、いい人は維持させないといけない」と求めた。技術面の調整を進めると同時に、緊張感を高めていくためにも、今後は一戦一戦が貴重な機会。屈辱を胸に、巻き返しの舞台へ備える。(尾形 圭亮)
◆屈辱の14年のセCS最終ステージ
▽第1戦(10月15日)●1―4
先発・内海が初回に3失点し、3回にも追加点を奪われる展開。打線も藤浪の前に沈黙し、7回に阿部のソロで1点を返すも完敗。
↑内海(中央)を中心にマウンドに集まる巨人ナイン
▽第2戦(同16日)●2―5
相手先発・岩田に好投を許し、得点は7回に井端が放った2ランのみ。先発・沢村は5回に上本への頭部死球で危険球退場。
↑打者・上本に対し危険球で退場となった沢村(手前)
▽第3戦(同17日)●2―4
初回に阿部の適時打、3回に亀井のソロでリードを奪うも、6回に杉内がつかまり、7回には山口が勝ち越しを許して逆転負け。
↑ゴメスに2点適時打を浴び肩を落とす山口
▽第4戦(同18日)●4―8
先発した小山が3本塁打を浴び、2回途中6失点でKO。亀井の2戦連発となるソロで反撃したが、打線は13安打10残塁と決め手を欠き、4連敗で日本シリーズ進出を逃した。
↑日本シリーズ進出を決め喜ぶ阪神をベンチで悔しそうに見つめた巨人ナイン
【巨人】菅野、球団47年ぶり入団から4年連続2ケタ勝利へ
↑中日戦に向けてキャッチボールで調整する菅野
14日の中日戦(ナゴヤD)に先発する巨人・菅野智之投手(26)が13日、2か月ぶりの完投を目標に掲げ、球団では堀内恒夫(スポーツ報知評論家)以来、47年ぶりとなる入団から4年連続の2ケタ勝利達成を誓った。ここまで防御率はリーグトップの1.93で9勝6敗。「(村田)ヘッドにも言われましたし、最低7回。最近、長い回を投げられていないので、頑張って8、9回と投げられるようにしたい」とエースの自覚を口にした。
CS第1Sの本拠地開催がかかる2位確保へ、大事な11連戦。その初戦を任された菅野は強い気持ちでマウンドに上がる。「責任がありますし、そこで勝てればチームもいい流れになると思う」。12日のG球場での全体練習では、村田真一ヘッドコーチから“完投指令”も受けた。チームのため、リリーフ陣を休ませたいと考えている。
ここまでリーグトップタイの5完投。開幕からフル回転してきたが、後半戦は最長7イニング。7月9日のDeNA戦(東京D)、123球で9回を投げたのが最後の完投だ。最近はファウルで粘られる傾向があり、9勝目を挙げた前回6日の阪神戦(甲子園)は6回113球2失点。「内容はいいものじゃない」と反省していた。球数が完投へのポイントになりそうだ。
この日は、G球場の室内練習場でダッシュなどで調整した。相手先発は吉見。エース対決でロースコアが予想される。「優勝はできなかったですが、2位にこだわってやっていきたい。早く(2ケタ)勝ちたいですね」。10勝目の瞬間を、マウンド上で迎える覚悟で臨む。
【巨人】亀井、「サブロー流」つなぎの2番への変貌誓う
↑打撃練習をする亀井
巨人の亀井善行外野手(34)が13日、サブロー流のつなぎの2番への変貌を誓った。11年にチームメートで師と仰ぐロッテ・サブローが今季限りで現役を引退する。「『つなぎの4番』と言われているし、そういう仕事をしてきた人。大きいのは打てなくても、つなぐ意識をあの人なりに自分で確立した。どの打順でもそれは一緒だと思う」。8日の阪神戦(甲子園)から4試合連続で2番に座るベテランは、つなぎの打撃でチームを勝利に導く決意だ。
サブローは05、10年に主軸としてロッテを日本一に導いた。4番に座りながら、状況に応じてチーム打撃に徹して打線を文字通り「線」にしてきた。下克上日本一へ、ピッタリなお手本と言える。亀井は「(3番の)勇人、(4番の)阿部さんにしっかりつないでいきたいと思う」と言い切った。
この日は14日の中日戦(ナゴヤD)に向けて、新幹線で名古屋入り。3試合連続マルチ安打中と状態は上向いている。「しっかりと自分の打撃をしていきたい」と決意表明した。
巨人・阿部慎之助捕手(37)が13日、下克上日本一へ向け、“ビデオ観賞のススメ”を説いた。短期決戦のクライマックスシリーズ(CS)を勝ち抜くためには、精神面の充実が大切と力説。リーグ3連覇を達成した14年、本拠地・東京DでのCS最終Sで、阪神に4連敗したことに触れ「その映像を見ればいい。悔しい気持ちを思い出せば、それが力になる」と訴えた。14日の中日戦(ナゴヤD)から始まる11連戦で心技体を研ぎ澄ませ、リベンジの準備を整える。
次なる目標へ、阿部の気持ちは切り替わっていた。10日の広島戦に敗れ、東京Dでの胴上げを許すという屈辱を味わったが、これで燃えないはずがない。「優勝を逃してしまったという現実は変わらないけど、それをしっかり受け止めて、次、やり返せばいい」。2位を死守し、CS第1Sを突破すれば、広島にリベンジするチャンスが訪れる。下克上日本一へ、まだまだ戦いは終わっていない。
闘志をかき立てるために、あえて苦い記憶を引っ張り出す。セ3連覇した14年。阪神とのCS最終Sは、まさかの4連敗であっけなく幕を閉じた。「その映像を見ればいい。技術じゃなくて、気持ちが大事。その時は『コンチクショー!』とみんな思ったけど、時間がたつとそれを忘れちゃう」。長い長いシーズンを勝ち抜いた喜びもつかの間、たった4試合でどん底に突き落とされた。CSのような短期決戦では、精神面をどれだけ充実させられるかが鍵。その最も有効な手段が、屈辱ビデオ観賞というわけだ。
あの秋は阿部だけでなく、村田も長野も坂本も、阪神にスイープされた悔しさを味わった。加えて、今季は広島にもやられっぱなしだった。4・5差に大接近して迎えた8月7日の直接対決(マツダ)では、1点リードの9回に試合をひっくり返され、サヨナラ負け。最後の反撃を期した8月24日の同カード(東京D)でも逆転負けを喫し、マジック点灯を許した。「悔しい気持ちを思い出せば、それが力になる」。百戦錬磨の大黒柱は、そう力説した。
チームはこの日、新幹線で名古屋入りした。14日の敵地・中日戦からは11連戦に突入する。高橋監督は、残り14試合の戦いについて、「緊張感を切らさないように。調子が悪い人は上げないといけないし、いい人は維持させないといけない」と求めた。技術面の調整を進めると同時に、緊張感を高めていくためにも、今後は一戦一戦が貴重な機会。屈辱を胸に、巻き返しの舞台へ備える。(尾形 圭亮)
◆屈辱の14年のセCS最終ステージ
▽第1戦(10月15日)●1―4
先発・内海が初回に3失点し、3回にも追加点を奪われる展開。打線も藤浪の前に沈黙し、7回に阿部のソロで1点を返すも完敗。
↑内海(中央)を中心にマウンドに集まる巨人ナイン
▽第2戦(同16日)●2―5
相手先発・岩田に好投を許し、得点は7回に井端が放った2ランのみ。先発・沢村は5回に上本への頭部死球で危険球退場。
↑打者・上本に対し危険球で退場となった沢村(手前)
▽第3戦(同17日)●2―4
初回に阿部の適時打、3回に亀井のソロでリードを奪うも、6回に杉内がつかまり、7回には山口が勝ち越しを許して逆転負け。
↑ゴメスに2点適時打を浴び肩を落とす山口
▽第4戦(同18日)●4―8
先発した小山が3本塁打を浴び、2回途中6失点でKO。亀井の2戦連発となるソロで反撃したが、打線は13安打10残塁と決め手を欠き、4連敗で日本シリーズ進出を逃した。
↑日本シリーズ進出を決め喜ぶ阪神をベンチで悔しそうに見つめた巨人ナイン
【巨人】菅野、球団47年ぶり入団から4年連続2ケタ勝利へ
↑中日戦に向けてキャッチボールで調整する菅野
14日の中日戦(ナゴヤD)に先発する巨人・菅野智之投手(26)が13日、2か月ぶりの完投を目標に掲げ、球団では堀内恒夫(スポーツ報知評論家)以来、47年ぶりとなる入団から4年連続の2ケタ勝利達成を誓った。ここまで防御率はリーグトップの1.93で9勝6敗。「(村田)ヘッドにも言われましたし、最低7回。最近、長い回を投げられていないので、頑張って8、9回と投げられるようにしたい」とエースの自覚を口にした。
CS第1Sの本拠地開催がかかる2位確保へ、大事な11連戦。その初戦を任された菅野は強い気持ちでマウンドに上がる。「責任がありますし、そこで勝てればチームもいい流れになると思う」。12日のG球場での全体練習では、村田真一ヘッドコーチから“完投指令”も受けた。チームのため、リリーフ陣を休ませたいと考えている。
ここまでリーグトップタイの5完投。開幕からフル回転してきたが、後半戦は最長7イニング。7月9日のDeNA戦(東京D)、123球で9回を投げたのが最後の完投だ。最近はファウルで粘られる傾向があり、9勝目を挙げた前回6日の阪神戦(甲子園)は6回113球2失点。「内容はいいものじゃない」と反省していた。球数が完投へのポイントになりそうだ。
この日は、G球場の室内練習場でダッシュなどで調整した。相手先発は吉見。エース対決でロースコアが予想される。「優勝はできなかったですが、2位にこだわってやっていきたい。早く(2ケタ)勝ちたいですね」。10勝目の瞬間を、マウンド上で迎える覚悟で臨む。
【巨人】亀井、「サブロー流」つなぎの2番への変貌誓う
↑打撃練習をする亀井
巨人の亀井善行外野手(34)が13日、サブロー流のつなぎの2番への変貌を誓った。11年にチームメートで師と仰ぐロッテ・サブローが今季限りで現役を引退する。「『つなぎの4番』と言われているし、そういう仕事をしてきた人。大きいのは打てなくても、つなぐ意識をあの人なりに自分で確立した。どの打順でもそれは一緒だと思う」。8日の阪神戦(甲子園)から4試合連続で2番に座るベテランは、つなぎの打撃でチームを勝利に導く決意だ。
サブローは05、10年に主軸としてロッテを日本一に導いた。4番に座りながら、状況に応じてチーム打撃に徹して打線を文字通り「線」にしてきた。下克上日本一へ、ピッタリなお手本と言える。亀井は「(3番の)勇人、(4番の)阿部さんにしっかりつないでいきたいと思う」と言い切った。
この日は14日の中日戦(ナゴヤD)に向けて、新幹線で名古屋入り。3試合連続マルチ安打中と状態は上向いている。「しっかりと自分の打撃をしていきたい」と決意表明した。