【巨人コラム・Gペン】“劇薬”が必要
今年から高校生になった娘は、巨人ファンである。中学時代、部活では「坂本勇人」の名前が入ったスポーツタオルを使っていた。同級生からは「巨人かよ」と突っ込まれても平然としていたが、高校に進学してからはそのタオルを自宅に置いていくことが増えた。
気になって、聞いてみると「大阪あるある」的な答えが返ってきた。
「後ろの席の子が阪神ファンなんよ。朝、会うと『高山は昨日も打ってんで。カッコええわ』と話しかけてくるねんで。そんな子の前で『坂本勇人』のタオルを出したら、けんかになるわ」
確かに授業開始前から教室で“伝統の一戦”が始まったら、周囲はたまったものではない。笑っていたら、娘がこんなことを聞いてきた。
「今年の巨人って、どうなん。強いの」
そう感じるのも無理はない。代打・坂本のひと振りで逆転勝ちした8日の阪神戦のような派手な試合はあったが、大半が「勝つには勝ったが…」という感じ。ミスで負けた試合が多く、どこか物足りなさを否めなかった。
10月からクライマックスシリーズ(CS)が始まる。CSクリンチがひとケタとなり、ほぼ出場は間違いない。今度は短期決戦。ペナントレースと違い、瞬発力的な強さ、勢いを求められる。爆発力と言い換えてもいい。今年の巨人には欠けていたかもしれない。
CSまで残された時間は少ない。公式戦のような戦いでは正直、厳しいように思う。
「短時間でチームを変えるためには思い切った手が必要」
1996年に担当したオリックス・仰木監督の言葉だ。その年、決定力不足を解消するため、不動の1番打者のイチローを後半戦から3番に据えた。攻撃陣の柱を動かすという禁じ手が功を奏し、リーグ優勝、そして日本一に輝いた。
巨人にはどんな手があるだろうか。ポストシーズン限定で菅野を抑えで起用するぐらいの“劇薬”があってもいい。
【巨人】CSへ、高木5勝目
↑歓声に応える高橋監督と村田ヘッドコーチ(右)
◆巨人8―0広島(11日・東京ドーム)
◇9回(広0、巨X)
【広】(投手田原誠、一塁村田、三塁吉川)安部捕邪飛、野間遊ゴロ、西川二ゴロ
◇8回(両軍0)
【広】(投手戸根、二塁寺内、左翼大田)田中一ゴロ、菊池左前安打(代走赤松)、丸中飛、松山四球で赤松二進(松山の代走堂林)、鈴木遊飛
【巨】(捕手磯村、一塁堂林、二塁西川、中堅赤松)亀井三振、坂本遊ゴロ、阿部二飛
◇7回(広0、巨6)
【広】安部二ゴロ、野間中前安打、会沢の一ゴロで野間二進、岡田の代打新井三振
【巨】(投手塹江)長野左中間11号本塁打、亀井左前安打、坂本四球で亀井二進、阿部四球で満塁、村田遊直、ギャレットの中前安打で亀井、坂本ともに生還、阿部二進、辻の代打大田の中前安打で阿部一挙生還、ギャレット二進、(投手オスカル)小林誠の中前安打でギャレット一挙生還、大田一挙三進、高木の代打寺内の遊ゴロで大田生還、小林誠二封、長野二ゴロ
◇6回(両軍0)
【広】田中左飛、菊池中前安打、丸四球で菊池二進、松山左飛、鈴木右飛
【巨】辻左飛、小林誠右邪飛、高木三振
◇5回(両軍0)
【広】安部一ゴロ、野間遊撃内野安打、会沢中飛、ヘーゲンズの代打エルドレッド一邪飛
【巨】(投手岡田)坂本中前安打、阿部、村田、ギャレット三者連続三振
◇4回(広0、巨1)
【広】丸左飛、松山右前安打、鈴木二ゴロ併殺打
【巨】ギャレット左中間二塁打、辻の右前安打でギャレット三進、小林誠の中前安打でギャレット生還、辻二進、高木スリーバント失敗三振、長野の遊ゴロで辻三進、小林誠二進、亀井二ゴロ
◇3回(広0、巨1)
【広】ヘーゲンズ二ゴロ、田中三振、菊池二ゴロ
【巨】高木右飛、長野四球、亀井のとき投手ヘーゲンズの一塁へのけん制が悪送球となり長野二進、亀井の左前安打で長野三進、坂本の右犠飛で長野生還、阿部の二塁内野安打で亀井二進、村田遊ゴロ
◇2回(両軍0)
【広】松山左翼線二塁打、鈴木遊ゴロ、安部四球、野間三振、会沢の二ゴロで安部二封
【巨】阿部三飛、村田右中間安打、ギャレットの二ゴロで村田二封、辻四球でギャレット二進、小林誠二ゴロ
◇1回(両軍0)
【広】田中右前安打、菊池三振、丸三振のとき田中二盗失敗
【巨】長野投ゴロ、亀井二ゴロ、坂本中飛
【広島】子供からパパにうつった「神ってる」…緒方監督夫人・かな子さん明かす
↑緒方監督へのメッセージをしたためた色紙を手にするかな子さん
◆巨人4―6広島(10日・東京ドーム)
25年ぶり7度目のリーグ優勝を果たした広島。緒方監督を陰で支えてきた妻でタレントのかな子さんが、悲願を達成した最愛のパパにメッセージを寄せた。
パパ、優勝おめでとう。私も、すっごくうれしいです。
監督になって丸くなったのか、私たち家族の言葉も聞くようになったかもしれないですね。監督になった時に「もうこれからはみんなの声を聞く立場になったのだから、私たちが言うことも聞かなきゃいけないよ」というようなことを言ったんです。今までだったら頑固に「いや、俺はこう思ってるから」って聞いてくれなかったんですが、今は吸収してくれるようになりました。変わりましたね。
口数はそんなに多くはなくて、家では野球の話もしません。だから私もカープのことは新聞の記事などで知るんですけど、気になることも結構あるんです。そういう時は手紙で伝えるようにしてます。
例えば、ある選手に対して、厳しく言っていたとします。「パパ的にはそういうつもりじゃないんだろうけど、書かれ方はこうだから、みんなにはこういうふうに伝わったということよねって。パパはそう思ってないかもしれないけど、みんなは違うように感じてしまうよっ」というようなことを、私や娘がそっと手紙で。はっきりと言ったら嫌がると思うので、パパの部屋に手紙を投げ込んで逃げるんですよ(笑い)。
現役時代から誰よりも球場に早く行って、自分のケアをして練習してました。監督になっても他の裏方さんの奥さんから「困るんだよね、監督にあんなに早く来られたら」と(笑い)。彼の中では、真面目なので全て準備して、ぬかりなくやりたいという気持ちがあるんでしょうね。
「神ってる」って言葉があったと思うんですけど、あれはうちの子どもたちが使っていたので、パパにうつったと思うんですよ。子どもに確認したら「使ってる、使ってる、普通普通」って。ゲームとかで勝ったりすると、「俺、神ってる」というのが息子の使い方で、娘たちも「神ってない? あの言葉」のように使うんだそうです。だからつい使ったのかなって。広島の子どもたちの間では、はやってるみたいです。娘も息子も「あれは私の言葉でしょ?」「いや俺の言葉でしょ?」って、パパに聞きにいっていました。
◆緒方 かな子(おがた・かなこ)1973年3月4日、広島市出身。43歳。90年に「中條かな子」の名で芸能界デビュー。女優・菅野美穂らも所属した「桜っ子クラブさくら組」の創立メンバー。91年に全国20か所の学校を訪れ「学園祭の女王」の異名を誇るなど、アイドルとして活躍。96年12月に結婚。97年7月に長女、99年7月に次女、06年3月に長男を出産。身長162センチ。血液型AB。
◆緒方監督が口にした「神ってる」 6月18日のオリックス戦(マツダ)。2点を追う9回1死一、三塁で、打席には、前日17日の延長12回にサヨナラ2ランを放っていた鈴木が入った。オリックス・平野から左中間席へ逆転サヨナラ9号3ラン。2試合連続での劇的アーチで、鈴木誠也の名が一躍全国区になった。試合後、緒方監督が「いや~。今風の言葉で言うと、神ってるよね」と興奮気味に振り返り、以後、広島躍進の代名詞のように扱われるようになった。
今年から高校生になった娘は、巨人ファンである。中学時代、部活では「坂本勇人」の名前が入ったスポーツタオルを使っていた。同級生からは「巨人かよ」と突っ込まれても平然としていたが、高校に進学してからはそのタオルを自宅に置いていくことが増えた。
気になって、聞いてみると「大阪あるある」的な答えが返ってきた。
「後ろの席の子が阪神ファンなんよ。朝、会うと『高山は昨日も打ってんで。カッコええわ』と話しかけてくるねんで。そんな子の前で『坂本勇人』のタオルを出したら、けんかになるわ」
確かに授業開始前から教室で“伝統の一戦”が始まったら、周囲はたまったものではない。笑っていたら、娘がこんなことを聞いてきた。
「今年の巨人って、どうなん。強いの」
そう感じるのも無理はない。代打・坂本のひと振りで逆転勝ちした8日の阪神戦のような派手な試合はあったが、大半が「勝つには勝ったが…」という感じ。ミスで負けた試合が多く、どこか物足りなさを否めなかった。
10月からクライマックスシリーズ(CS)が始まる。CSクリンチがひとケタとなり、ほぼ出場は間違いない。今度は短期決戦。ペナントレースと違い、瞬発力的な強さ、勢いを求められる。爆発力と言い換えてもいい。今年の巨人には欠けていたかもしれない。
CSまで残された時間は少ない。公式戦のような戦いでは正直、厳しいように思う。
「短時間でチームを変えるためには思い切った手が必要」
1996年に担当したオリックス・仰木監督の言葉だ。その年、決定力不足を解消するため、不動の1番打者のイチローを後半戦から3番に据えた。攻撃陣の柱を動かすという禁じ手が功を奏し、リーグ優勝、そして日本一に輝いた。
巨人にはどんな手があるだろうか。ポストシーズン限定で菅野を抑えで起用するぐらいの“劇薬”があってもいい。
【巨人】CSへ、高木5勝目
↑歓声に応える高橋監督と村田ヘッドコーチ(右)
◆巨人8―0広島(11日・東京ドーム)
◇9回(広0、巨X)
【広】(投手田原誠、一塁村田、三塁吉川)安部捕邪飛、野間遊ゴロ、西川二ゴロ
◇8回(両軍0)
【広】(投手戸根、二塁寺内、左翼大田)田中一ゴロ、菊池左前安打(代走赤松)、丸中飛、松山四球で赤松二進(松山の代走堂林)、鈴木遊飛
【巨】(捕手磯村、一塁堂林、二塁西川、中堅赤松)亀井三振、坂本遊ゴロ、阿部二飛
◇7回(広0、巨6)
【広】安部二ゴロ、野間中前安打、会沢の一ゴロで野間二進、岡田の代打新井三振
【巨】(投手塹江)長野左中間11号本塁打、亀井左前安打、坂本四球で亀井二進、阿部四球で満塁、村田遊直、ギャレットの中前安打で亀井、坂本ともに生還、阿部二進、辻の代打大田の中前安打で阿部一挙生還、ギャレット二進、(投手オスカル)小林誠の中前安打でギャレット一挙生還、大田一挙三進、高木の代打寺内の遊ゴロで大田生還、小林誠二封、長野二ゴロ
◇6回(両軍0)
【広】田中左飛、菊池中前安打、丸四球で菊池二進、松山左飛、鈴木右飛
【巨】辻左飛、小林誠右邪飛、高木三振
◇5回(両軍0)
【広】安部一ゴロ、野間遊撃内野安打、会沢中飛、ヘーゲンズの代打エルドレッド一邪飛
【巨】(投手岡田)坂本中前安打、阿部、村田、ギャレット三者連続三振
◇4回(広0、巨1)
【広】丸左飛、松山右前安打、鈴木二ゴロ併殺打
【巨】ギャレット左中間二塁打、辻の右前安打でギャレット三進、小林誠の中前安打でギャレット生還、辻二進、高木スリーバント失敗三振、長野の遊ゴロで辻三進、小林誠二進、亀井二ゴロ
◇3回(広0、巨1)
【広】ヘーゲンズ二ゴロ、田中三振、菊池二ゴロ
【巨】高木右飛、長野四球、亀井のとき投手ヘーゲンズの一塁へのけん制が悪送球となり長野二進、亀井の左前安打で長野三進、坂本の右犠飛で長野生還、阿部の二塁内野安打で亀井二進、村田遊ゴロ
◇2回(両軍0)
【広】松山左翼線二塁打、鈴木遊ゴロ、安部四球、野間三振、会沢の二ゴロで安部二封
【巨】阿部三飛、村田右中間安打、ギャレットの二ゴロで村田二封、辻四球でギャレット二進、小林誠二ゴロ
◇1回(両軍0)
【広】田中右前安打、菊池三振、丸三振のとき田中二盗失敗
【巨】長野投ゴロ、亀井二ゴロ、坂本中飛
【広島】子供からパパにうつった「神ってる」…緒方監督夫人・かな子さん明かす
↑緒方監督へのメッセージをしたためた色紙を手にするかな子さん
◆巨人4―6広島(10日・東京ドーム)
25年ぶり7度目のリーグ優勝を果たした広島。緒方監督を陰で支えてきた妻でタレントのかな子さんが、悲願を達成した最愛のパパにメッセージを寄せた。
パパ、優勝おめでとう。私も、すっごくうれしいです。
監督になって丸くなったのか、私たち家族の言葉も聞くようになったかもしれないですね。監督になった時に「もうこれからはみんなの声を聞く立場になったのだから、私たちが言うことも聞かなきゃいけないよ」というようなことを言ったんです。今までだったら頑固に「いや、俺はこう思ってるから」って聞いてくれなかったんですが、今は吸収してくれるようになりました。変わりましたね。
口数はそんなに多くはなくて、家では野球の話もしません。だから私もカープのことは新聞の記事などで知るんですけど、気になることも結構あるんです。そういう時は手紙で伝えるようにしてます。
例えば、ある選手に対して、厳しく言っていたとします。「パパ的にはそういうつもりじゃないんだろうけど、書かれ方はこうだから、みんなにはこういうふうに伝わったということよねって。パパはそう思ってないかもしれないけど、みんなは違うように感じてしまうよっ」というようなことを、私や娘がそっと手紙で。はっきりと言ったら嫌がると思うので、パパの部屋に手紙を投げ込んで逃げるんですよ(笑い)。
現役時代から誰よりも球場に早く行って、自分のケアをして練習してました。監督になっても他の裏方さんの奥さんから「困るんだよね、監督にあんなに早く来られたら」と(笑い)。彼の中では、真面目なので全て準備して、ぬかりなくやりたいという気持ちがあるんでしょうね。
「神ってる」って言葉があったと思うんですけど、あれはうちの子どもたちが使っていたので、パパにうつったと思うんですよ。子どもに確認したら「使ってる、使ってる、普通普通」って。ゲームとかで勝ったりすると、「俺、神ってる」というのが息子の使い方で、娘たちも「神ってない? あの言葉」のように使うんだそうです。だからつい使ったのかなって。広島の子どもたちの間では、はやってるみたいです。娘も息子も「あれは私の言葉でしょ?」「いや俺の言葉でしょ?」って、パパに聞きにいっていました。
◆緒方 かな子(おがた・かなこ)1973年3月4日、広島市出身。43歳。90年に「中條かな子」の名で芸能界デビュー。女優・菅野美穂らも所属した「桜っ子クラブさくら組」の創立メンバー。91年に全国20か所の学校を訪れ「学園祭の女王」の異名を誇るなど、アイドルとして活躍。96年12月に結婚。97年7月に長女、99年7月に次女、06年3月に長男を出産。身長162センチ。血液型AB。
◆緒方監督が口にした「神ってる」 6月18日のオリックス戦(マツダ)。2点を追う9回1死一、三塁で、打席には、前日17日の延長12回にサヨナラ2ランを放っていた鈴木が入った。オリックス・平野から左中間席へ逆転サヨナラ9号3ラン。2試合連続での劇的アーチで、鈴木誠也の名が一躍全国区になった。試合後、緒方監督が「いや~。今風の言葉で言うと、神ってるよね」と興奮気味に振り返り、以後、広島躍進の代名詞のように扱われるようになった。