息詰まる投手戦
千葉ロッテ対埼玉西武の20回戦は、延長12回でも決着がつかず1-1の引き分けに終わった。
試合はロッテの先発石川と西武の先発菊池が立ち上がりから気迫のこもったピッチングを披露し、両者一歩も譲らない投手戦を展開した。
石川は3回表にメヒアに適時打を浴びて1失点、菊池は4回、清田にスクイズを決められて1失点したものの、その後は、両者とも要所を締めて粘り強く投げた。
試合後、ロッテ伊東監督は「先発の石川は、この2試合、早い回でマウンドを降りていたので心配した。今日は8回1失点ですから、よく投げてくれた」とエース・涌井に継ぐ存在として期待している石川の復調を喜んだ。「救援陣も大変だったけど、よく我慢してくれた」と選手たちの奮闘を称えていた。
一方、これまで早い回での降板が多かった西武・菊池は8回132球の熱投。8回裏には、2死満塁で代打・デスパイネという窮地も迎えたが、最後は三塁ゴロに打ち取って、役目を果たした。菊池は「自分は投手戦が好きで、相手が好投手の中、こういう試合をしたかった。楽しい試合でした」とはにかんだ。
試合は決着しなかったが、最後まで息の詰まるような好ゲームだった。
採点は以下の通り。
【採点基準】
8 シーズンに1試合あるかないかの活躍
7.5 突き抜けた活躍
7 勝利貢献度上
6.5 勝利貢献度中
6 勝利貢献度小
5.5 活躍した選手
5 可もなく不可もない
4.5 足を引っ張った
4 敗戦につながるミス
3.5 退場など試合を壊す
さらに現地取材の内容を加味します。
<埼玉西武ライオンズ>
(右)金子侑5.0
評 1番打者としての役目を果たすことができずに、4打席目に代打を送られた。学生のころからスイッチヒッターであるため、逃げる球への経験値が少ない。シンカー、チェンジアップへの対応が課題だ。
(中)秋山5.5
評 石川との対戦では、最初の2打席こそ内容は良かったものの、4打数無安打。ただ、その後の2打席で選んだ2四球は意味がある。
(二)浅村6.0
評 石川にもっともタイミングが合っていた。今日の試合を決めるなら彼のバットしかなかった。それくらいに振れていた。
(指)メヒア5.5
評 3回に詰まりながらも、石川のストレートを左翼前に運ぶ先制打。執念のタイムリーヒットだったといえる。
(三)中村5.0
評 本調子とはいかず。今日は読みも外れていて、全くいいところがなかった。守備面では8回裏のピンチで飛んできたゴロをうまくさばいた。
(捕・右)森5.5
評 捕手として先発の菊池を好リード。炭谷とは違った味を見せていたが、キャッチングが今一つ。ストライクと思った球がボールと判定される理由を考えるべきだ。
(左)栗山6.0
評 自信をもって見逃す彼の姿勢は恐れ入る。審判も思わず、ストライクとは言えない。9回表2死からの中前安打は、好投の菊池を勝たせてやりたい気持ちが伝わってくる一打に見えた。
(一)山川4.5
評 一つの犠打を決めたのみで、2打数ノーヒット、途中交代した。守備面では、4回裏に、ファールフライを落球した。その後、スクイズを決められただけに、痛い失策だった。
(遊)呉5.5
評 ボールの見方やバットへの捉え方など、非凡なセンスを垣間見せる。しかし、守備面は課題が多い。永江の3分の1の守備範囲しかなく、このままでは大事なポジションを任せるのは厳しい。
<投手>
菊池7.0
評 120球を超えながら、8回裏、2死満塁のピンチを抑えた姿は、彼の成長を垣間見せた。力だけのピッチングもできれば、巧さも見せる。一つ階段を上った。
増田6.5
評 2イニングを1安打のみに抑える見事な投球。つけ入るすきを与えない姿は守護神の風格だった。
牧田 6.0
評 12回裏、勝利がない中で、メンタルをコントロールしてサヨナラを許さなかった。精神面の強さはチーム1だ。
<途中出場>
渡辺5.0
評 代打も含めて、好機で2度打席に立ったが、共に快音を響かせながら、結果を残すことはできなかった。職人であり、勝負師ではないのかもしれない。
炭谷6.0
評 疲れが見えた菊池を巧みにリード。その後も、勝ち越しを許さない安全な配球を見せた。また、キャッチャーのキャッチングの重要性も見せた試合でもあった。炭谷がマスクをかぶってから、ストライクゾーンが広く感じたのは偶然ではないはずだ。
斉藤―
永江―
上本―
田邊監督5.5
評 菊池を8回まで引っ張った采配は見事だった。試合をスクイズで決めなかったことも、このチームなりのプライドだったのだろう。ただ、代走や守備交代のタイミングが不可解だった。
<千葉ロッテマリーンズ>
(右)荻野5.5
評 ノーヒットに終わったが、最初と最後の打席で2四死球。何とか1番打者の役割を果たそうという姿勢は見えた。
(二)中村5.0
評 二つの犠打を決めたこと以外、褒める要素はない。凡打の4打席の内容が悪すぎる。彼にはあまり制約を掛けない打順がいいかもしれない。
(左)角中5.0
評 菊池のスピードの前に自身のバッティングを出すことができていなかった。その中で敬遠含む2四球は彼の貫禄だろう。
(指)井口5.5
評 ケガでスタメンを外れたデスパイネの代役を務めるも好機では結果を残すことはできなかった。しかし、2安打でチャンスメークはできていた。
(遊)鈴木5.5
評 得点にはつながらなかった8回裏、2死二塁で粘って左翼前安打を放ったシーンは彼の成長を感じさせた。シーズン終盤でも持ち味は死んでいない。
(一)細谷6.0
評 2安打をマーク。うち1本は同点につながる右翼線安打を放った。体勢を崩しながらも粘り強く右方向へ押っ付けた
(中)清田5.5
評 スクイズを決めたのは評価していいが、他の打席内容が悪く、8回裏の大チャンスで代打を送られた。菊池は得意のはずだが……。
(捕)金沢5.0
評 リードに終始した印象だった。森と同じくキャッチングに課題があり、ストライクゾーンを狭めていた。
(三)大嶺5.0
評 3打数ノーヒットで存在感を示せず。なぜ、彼の前の打者に犠打をさせたのか疑問に残る。
<投手>
石川 7.0
評 本調子ではなかったと思うが、回を追うごとにピッチングの精度を上げてきた。8回1失点の好投。次回も期待できそうだ。
益田6.0
評 ストレートが切れ、シンカーも鋭く落ちた。制球も安定し、危なげなかった。
内6.0
評 走者を二人出したが、1軍復帰即登板とは思えない落ちちきで後続を打ち取っていった。
松永5.5 左投手なのに、左打者に長打を食らったのは痛い。それでも無失点に抑えたのは上出来だ。
高野5.5
評 最後のイニングを任され、走者を出してやきもきとさせられたが、最後は気迫で乗り切った。
伊東監督5.0
評 相手先発の菊池が1回の先頭から制球が定まっていない中、1回裏無死一塁から2番・中村の犠打は相手を助けた。
<途中交代>
デスパイネ―
福浦―
岡田―
根元―
三木―
江村―
千葉ロッテ対埼玉西武の20回戦は、延長12回でも決着がつかず1-1の引き分けに終わった。
試合はロッテの先発石川と西武の先発菊池が立ち上がりから気迫のこもったピッチングを披露し、両者一歩も譲らない投手戦を展開した。
石川は3回表にメヒアに適時打を浴びて1失点、菊池は4回、清田にスクイズを決められて1失点したものの、その後は、両者とも要所を締めて粘り強く投げた。
試合後、ロッテ伊東監督は「先発の石川は、この2試合、早い回でマウンドを降りていたので心配した。今日は8回1失点ですから、よく投げてくれた」とエース・涌井に継ぐ存在として期待している石川の復調を喜んだ。「救援陣も大変だったけど、よく我慢してくれた」と選手たちの奮闘を称えていた。
一方、これまで早い回での降板が多かった西武・菊池は8回132球の熱投。8回裏には、2死満塁で代打・デスパイネという窮地も迎えたが、最後は三塁ゴロに打ち取って、役目を果たした。菊池は「自分は投手戦が好きで、相手が好投手の中、こういう試合をしたかった。楽しい試合でした」とはにかんだ。
試合は決着しなかったが、最後まで息の詰まるような好ゲームだった。
採点は以下の通り。
【採点基準】
8 シーズンに1試合あるかないかの活躍
7.5 突き抜けた活躍
7 勝利貢献度上
6.5 勝利貢献度中
6 勝利貢献度小
5.5 活躍した選手
5 可もなく不可もない
4.5 足を引っ張った
4 敗戦につながるミス
3.5 退場など試合を壊す
さらに現地取材の内容を加味します。
<埼玉西武ライオンズ>
(右)金子侑5.0
評 1番打者としての役目を果たすことができずに、4打席目に代打を送られた。学生のころからスイッチヒッターであるため、逃げる球への経験値が少ない。シンカー、チェンジアップへの対応が課題だ。
(中)秋山5.5
評 石川との対戦では、最初の2打席こそ内容は良かったものの、4打数無安打。ただ、その後の2打席で選んだ2四球は意味がある。
(二)浅村6.0
評 石川にもっともタイミングが合っていた。今日の試合を決めるなら彼のバットしかなかった。それくらいに振れていた。
(指)メヒア5.5
評 3回に詰まりながらも、石川のストレートを左翼前に運ぶ先制打。執念のタイムリーヒットだったといえる。
(三)中村5.0
評 本調子とはいかず。今日は読みも外れていて、全くいいところがなかった。守備面では8回裏のピンチで飛んできたゴロをうまくさばいた。
(捕・右)森5.5
評 捕手として先発の菊池を好リード。炭谷とは違った味を見せていたが、キャッチングが今一つ。ストライクと思った球がボールと判定される理由を考えるべきだ。
(左)栗山6.0
評 自信をもって見逃す彼の姿勢は恐れ入る。審判も思わず、ストライクとは言えない。9回表2死からの中前安打は、好投の菊池を勝たせてやりたい気持ちが伝わってくる一打に見えた。
(一)山川4.5
評 一つの犠打を決めたのみで、2打数ノーヒット、途中交代した。守備面では、4回裏に、ファールフライを落球した。その後、スクイズを決められただけに、痛い失策だった。
(遊)呉5.5
評 ボールの見方やバットへの捉え方など、非凡なセンスを垣間見せる。しかし、守備面は課題が多い。永江の3分の1の守備範囲しかなく、このままでは大事なポジションを任せるのは厳しい。
<投手>
菊池7.0
評 120球を超えながら、8回裏、2死満塁のピンチを抑えた姿は、彼の成長を垣間見せた。力だけのピッチングもできれば、巧さも見せる。一つ階段を上った。
増田6.5
評 2イニングを1安打のみに抑える見事な投球。つけ入るすきを与えない姿は守護神の風格だった。
牧田 6.0
評 12回裏、勝利がない中で、メンタルをコントロールしてサヨナラを許さなかった。精神面の強さはチーム1だ。
<途中出場>
渡辺5.0
評 代打も含めて、好機で2度打席に立ったが、共に快音を響かせながら、結果を残すことはできなかった。職人であり、勝負師ではないのかもしれない。
炭谷6.0
評 疲れが見えた菊池を巧みにリード。その後も、勝ち越しを許さない安全な配球を見せた。また、キャッチャーのキャッチングの重要性も見せた試合でもあった。炭谷がマスクをかぶってから、ストライクゾーンが広く感じたのは偶然ではないはずだ。
斉藤―
永江―
上本―
田邊監督5.5
評 菊池を8回まで引っ張った采配は見事だった。試合をスクイズで決めなかったことも、このチームなりのプライドだったのだろう。ただ、代走や守備交代のタイミングが不可解だった。
<千葉ロッテマリーンズ>
(右)荻野5.5
評 ノーヒットに終わったが、最初と最後の打席で2四死球。何とか1番打者の役割を果たそうという姿勢は見えた。
(二)中村5.0
評 二つの犠打を決めたこと以外、褒める要素はない。凡打の4打席の内容が悪すぎる。彼にはあまり制約を掛けない打順がいいかもしれない。
(左)角中5.0
評 菊池のスピードの前に自身のバッティングを出すことができていなかった。その中で敬遠含む2四球は彼の貫禄だろう。
(指)井口5.5
評 ケガでスタメンを外れたデスパイネの代役を務めるも好機では結果を残すことはできなかった。しかし、2安打でチャンスメークはできていた。
(遊)鈴木5.5
評 得点にはつながらなかった8回裏、2死二塁で粘って左翼前安打を放ったシーンは彼の成長を感じさせた。シーズン終盤でも持ち味は死んでいない。
(一)細谷6.0
評 2安打をマーク。うち1本は同点につながる右翼線安打を放った。体勢を崩しながらも粘り強く右方向へ押っ付けた
(中)清田5.5
評 スクイズを決めたのは評価していいが、他の打席内容が悪く、8回裏の大チャンスで代打を送られた。菊池は得意のはずだが……。
(捕)金沢5.0
評 リードに終始した印象だった。森と同じくキャッチングに課題があり、ストライクゾーンを狭めていた。
(三)大嶺5.0
評 3打数ノーヒットで存在感を示せず。なぜ、彼の前の打者に犠打をさせたのか疑問に残る。
<投手>
石川 7.0
評 本調子ではなかったと思うが、回を追うごとにピッチングの精度を上げてきた。8回1失点の好投。次回も期待できそうだ。
益田6.0
評 ストレートが切れ、シンカーも鋭く落ちた。制球も安定し、危なげなかった。
内6.0
評 走者を二人出したが、1軍復帰即登板とは思えない落ちちきで後続を打ち取っていった。
松永5.5 左投手なのに、左打者に長打を食らったのは痛い。それでも無失点に抑えたのは上出来だ。
高野5.5
評 最後のイニングを任され、走者を出してやきもきとさせられたが、最後は気迫で乗り切った。
伊東監督5.0
評 相手先発の菊池が1回の先頭から制球が定まっていない中、1回裏無死一塁から2番・中村の犠打は相手を助けた。
<途中交代>
デスパイネ―
福浦―
岡田―
根元―
三木―
江村―