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落合GM、何思う…「低迷」谷繁中日の早すぎる“終戦”

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谷繁ドラゴンズが苦しんでいる。4月を終えた時点で14勝12敗2分けの3位と上々のスタートを切り、5月6日からの巨人との東京ドーム3連戦で3連勝して首位に浮上したが、その後は黒星が先行。5月を11勝13敗1分けで終えると、6月は9勝14敗、7月も29日時点で8勝13敗(残り2試合)で負け越しが確定。球団創設80周年のメモリアルイヤーに、白井文吾オーナーからリーグ優勝、日本一達成を厳命されているが、現実は阪神、ヤクルトとともにセ・リーグの“3弱”を形成してしまっている状況だ。

 急降下の原因は、まず主軸の不振が挙げられる。開幕3戦連発で話題をさらった新外国人のビシエドは、3・4月に打率.347、9本塁打、23打点と大爆発して月間MVPも受賞したが、5月(打率.260、5本塁打、16打点)、6月(打率.184、2本塁打、7打点)と急ブレーキ。2年目のナニータも3・4月は打率.361の好スタートを切ったが、5月(打率.295)、6月(打率.239)と同じように右肩下がり。荒木雅博、森野将彦のベテラン勢に大きな期待は寄せられず、3番に座ってブレークの兆しを見せた高橋周平は、4月末から約3カ月の長期離脱を強いられた(7月28日に1軍復帰)。

 一方の投手陣だが、こちらも悩みが多い。かつての投手王国はどこへやら、ここまで規定投球回をクリアしているのは若松駿太、ただ一人のみ。今季の開幕ローテーションが、大野雄大、山井大介、ネイラー、若松、濱田達郎、福敬登だったことを覚えている人は少ない。落合博満政権下での黄金期を支えた浅尾拓也、岩瀬仁紀は過去の人となり、その後継者となるべき又吉克樹、福谷浩司の2人もピリッとしない。田島慎二という“魔神”が出現し、5月までの開幕2カ月で29試合に登板していたが、抑えに回った6月以降は2カ月で12試合登板と出番が回ってこない状況で、チームの浮上には繋がっていない。
 ここまでは選手個々に見て来たが、それよりも問題なのはチームとしての勝負強さ、接戦でのしぶとさが失われたことにある。ここがリーグ連覇を果たした2010年、2011年と比べて、最も変わってしまった部分である。その違いを1点差試合の勝敗で判断すると、2010年は25勝16敗、2011年は33勝22敗だったが、それから5年が経過した昨年は1点差試合が20勝25敗で、今年も10勝15敗と負け越している。

 もちろん選手に大きな責任があるのだが、同時に谷繁元信監督の采配にも改善点があることは確かだろう。どの場面で誰を代打で送るのか、そしてその際にどういう言葉をかけて送り出すのか。継投も、どのタイミングで、誰を起用するのか。そしてピンチにどういった気持ちで立ち向かうのか。それは選手個人のパーソナリティにも委ねられるが、それを判断し、もしくは秘めたる力を引き出すには、監督の力も大きくかかわってくる。2年間の兼任監督から今年は専任となった谷繁監督だが、指揮官としての力量は、いまだ未知数だ。
 勝負弱いチームに、ファンは指揮官の采配も懐疑的な目で見始めた。現状、落合GMとの二頭体制がうまく機能しているとは言えず、今季の結果如何では、来季以降の体制も不透明な状況になる。次期監督候補としては、昨季限りで引退した和田一浩に山本昌、2軍監督として結果を残している小笠原道大、その他にも立浪和義や山崎武司、井上一樹などの名前が挙がるが、果たしてどうなるか。

 そもそも8年間で優勝4回、2位3回、3位1回と結果を残した落合監督を解任した理由として、魅力に欠ける野球と、それによる観客動員数の低迷があった。だが、3年連続Bクラスという結果の中で、観客動員数は以前よりも減少した。やはり、「勝つ=面白い」であることは間違いなく、それができたのが中日であった。かつての姿、かつての強さを取り戻せるか。谷繁ドラゴンズの勝負の夏は、すでに始まっている。

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