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DeNA・神里と糸満高の1年先輩、巨人・宮国 突然やってくる対決に詰まっている物語

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巨人・宮国(左)とDeNA・神里

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5月4日のDeNA・巨人戦の延長12回2死、神里(右)は宮国から二塁へのゴロも俊足で内野安打とする(一塁手・岡本)

 気持ちの高ぶりは心の中にしまい込んだ。DeNA・神里はいつも通りクールな表情で先輩に相対していた。マウンド上には沖縄・糸満高の1学年上、巨人・宮国がいた。

 今月4日の巨人戦(横浜)。延長12回2死、神里にとって念願の瞬間がついにやってきた。4月19日のプロ初対戦では二ゴロ。「あっさり終わってしまいました」と悔しさを持って臨んだ再戦だった。

 この日も二塁へのゴロだったが全力疾走しセーフ。巨人・高橋監督がリクエストを要求する微妙なタイミングだったが俊足でヒットを勝ち取り、サヨナラへ向けて出塁した。

 憧れ、尊敬、そして感謝。一塁ベース上で神里は様々な思いが交錯していた。「やっぱりほかの投手とは違って対戦できるがうれしいし、ワクワクしますね。ああいう展開だったし、ヒットはうれしかったことはうれしかったですね」と、照れくさそうに笑った。

 自らの道しるべになってくれた。「宮国さんがプロに入ったから自分も、と思えるようになった」。右腕が10年ドラフト2位で同校出身では史上初めてプロ入りし巨人へ入団。その時、背中を追ってきた神里に現実味が帯びてきた。エースだった先輩が抜けた翌年の夏・神里は糸満高を初めて甲子園へ導いた。

 その後、中大に進学。俊足巧打の外野手として注目を集めた。4年時プロ志望届を提出したが指名漏れ。その時、連絡をくれ励ましてくれたのが宮国だった。そして日本生命を経て昨年ドラフト2位でDeNAに入団。またしても「おめでとう!」と先輩が電話で祝福してくれた。

 プロ1年目。右翼で開幕スタメンを勝ち取ると主に1番打者として奮闘している。糸満高のカラーなのか、2人とも口数は多い方ではなくシャイで野球に真っすぐ向き合うところが似ている。現在、宮国が中継ぎを務めているため対戦はいつも突然やってくる。「次は誰が見てもヒットだと思える当たりで打ちたいですね」。何気ない1打席。そこにそれぞれの物語が詰まっている。(記者コラム 岸 慎也)

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