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異色のR―1王者・濱田祐太郎を悩ませるネット上のコメント?

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「R―1ぐらんぷり」で優勝した濱田祐太郎

 その時、異色のR―1王者が表情を曇らせた―。

 伏兵だった漫談家・濱田祐太郎(28)がピン芸人日本一決定戦「R―1ぐらんぷり2018」を制覇してから約1か月。フジテレビ系「ネタパレ」や「ワイドナショー」などに出演し、無名の芸人が一気に全国区の人気者となった。

 生まれつき全盲に近い弱視で、左目は見えず、右目は明るさを確認出来る程度という濱田。自身のハンデを逆手にとり、本来笑えないはずの視覚障害にまつわるネタを、絶妙なユーモアを交えることで笑いに変えた。あの松本人志(54)も「彼のこのパワー、話術なんでしょうね。まったく気の毒な感じがしない。それがきっと彼が優勝した要因なんだろうな」と舌を巻くほどだ。

 わずか芸歴5年目とは思えぬ肝の据わったたたずまい。多くの記者に囲まれ、これまで経験したことないような会見でも泰然自若。芸のことだけでなく、恋愛に関する質問にも「今、好きな子を作ろうと頑張っているところです」と素直に明かした。随所に笑いを織り込みながらよどみなく答える姿が印象的だった。

 そんな濱田が答えに窮する場面を一度だけ目にした。R―1優勝から9日後に行われた記者会見での出来事だった。優勝直後は来年のR―1出場を明言していた濱田が、その日は来年の出場に戸惑いを見せた。

 その理由について、「僕は音声読み上げの携帯を持っていて、SNSとかはできないけど、(優勝後にネット上で)どんな感じで取り上げられているんだろうと検索した」と説明し、「出たいという思いはあります。ただ、いろんなコメントを聞いて、だったら出なくてもいいかなという気持ちもあります」と複雑な心境を吐露した。

 コメント内容について聞かれると、苦い表情を浮かべながら数秒沈黙。考えた末に「そこは、あまり具体的に言いたくありません…」と悲しそうにつぶやいた。

 R―1優勝後の様々なネットニュースのコメント欄には、濱田のテンポ良い漫談に対して称賛する声が相次ぐ一方で、心ないコメントも散見された。濱田は、そうしたコメントも聞き取っていたのかもしれない。

 近年、ネット社会が拡大し、誰もが言いたいことをネット上で書き込める世の中になった。その反面、目を覆いたくなるような誹謗中傷や暴言、妄言も絶えない。こうした状況を一日も早く改善してほしいと願うばかりだが、実現に至っていない。

 濱田は初めてのR―1決勝の大舞台で、大本命と目されていたゆりやんレトリィバァを破り、史上最多の3795人の頂点に立った。その芸風は、唯一無二といえる。だから、どうかネット上にあふれる匿名の声に動じないでほしい。現実の世界で再びR―1の舞台に立ち、我々の度肝を抜く進化したしゃべくり芸を見せてほしい。(記者コラム・江畑康二郎)

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