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話題のダウンジャケットについてたわいない会話…貴乃花親方の本音を聞ける日は近いか

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人気ブランドのダウンジャケットを着た貴乃花親方

 大相撲春場所は横綱・鶴竜の優勝で幕を閉じた。だが残念なことに世間の耳目を集めたのは、土俵上のことよりも貴乃花親方の動向だった。

 春場所初日の2日前、元横綱・日馬富士関の暴行問題で、貴乃花親方は相撲協会の対応に問題があるとして内閣府に告発状を提出。場所が始まると会場に姿を見せない日が4日目まで続いた。貴乃花親方の動きをキャッチするため、連日の密着マークが欠かせなくなった。救いだったのは、京都・宇治市の部屋宿舎に通えば同親方が取材に応じたということ。メディアの問いかけに一切応じず、沈黙を貫いた昨年九州場所とはそこが違っていた。

 そうは言っても告発状を提出し協会執行部と激しく対立したため、貴乃花親方の周囲への威圧感はすさまじかった。「(協会に)欠勤の連絡を入れたのか」という私の問いに、「もういいじゃないですか」と怒り気味に返答したこともあった。

 事態が一変したのは、春場所8日目の事件がきっかけだった。弟子の十両・貴公俊(たかよしとし)が支度部屋で付け人に暴行。その日を境に、貴乃花親方は憑(つ)きものがとれたように穏やかな雰囲気になり、“普通”の会話ができるようになった。2年前に相撲担当記者になってから初めてのことだった。

 チャンスだと思い、気になっていたことをぶつけた。春場所前に貴ノ岩が復帰会見をした際、横に付き添った貴乃花親方が着ていた人気ブランド「ノースフェイス」のダウンジャケットのことだ。貴公俊の謝罪会見でも着ていた、あの鮮やかなワインレッドのダウン。ネット上でも「日本では売っていない」「親方が着るとかっこいい」とひそかに話題になっていた。

 ―親方、そのダウンはすてきだと評判ですが。

 「ありがとうございます」

 ―カタログにも載っていないのですが、どちらで入手されたのですか。

 「どこでだろう…。自分で買ったと思います。今年? いえ、もう10年くらい前でしょうか。暖かいですよ、これ」

 たわいもないやり取り。昨年11月の元日馬富士関の暴行発覚から、理事解任、理事選落選と続いた、一連の“貴の乱”の騒動の最中では考えられない。10年前に購入した服を大切に着ている「物持ちの良さ」も意外だった。

 貴公俊の暴行を受けて、貴乃花親方は内閣府に提出した告発状を取り下げた。メディアの前でも、親方衆にも謝罪に次ぐ謝罪。「一兵卒として出直す」という言葉も注目された。協会と真っ向対立する姿も、平身低頭して謝る姿も両極端な印象を受けた。何気ない会話から垣間見えた、飾らない横顔があることも認知されていい。不祥事続きの角界が平穏を取り戻し、お騒がせ親方の本音を聞いて記事にできる状況が、日常的になることを願わずにはいられない。(記者コラム・網野 大一郎)

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