巨人・谷岡竜平投手
阪神との開幕3連戦(東京D)で巨人は2勝1敗と勝ち越した。10年ぶりに復帰した上原、昨年は右肩痛のため1軍登板なしに終わった沢村が連投で好投。岡本は2試合連続本塁打で計8打点の活躍だった。
チームが好スタートを切ったのはこの男の活躍も大きかった。2年目の谷岡竜平投手だ。開幕戦で4点ビハインドの9回から登板して鳥谷、糸井、ロサリオを抑えて1イニングをピシャリ。すると、翌3月31日の2戦目には、2点ビハインドの6回2死一、二塁の大事な場面で田口に代わって登板。上本を三ゴロに打ち取って流れを引き寄せ、直後に味方が同点に追いつき、逆転勝ちを呼んだ。
オープン戦中から感じていたことだが、この2登板を見て私は改めて思った。「谷岡投手、球速が明らかに上がっていないか」と。おそらく、ジャイアンツファンも、同じことを思った方は多いのではないだろうか。最速149キロ。鳥谷から見逃し三振を奪った148キロの内角直球は抜群の球威があった。1球や2球でなく、安定して140キロ後半を計測していた。
成立学園高、東芝を経てドラフト3位で入団した1年目の昨年は5登板で0勝1敗、防御率12・00。球速は140キロ前後が多く、130キロ台しか出ない時期もあった。先日、谷岡に球が速くなった秘けつを聞いた。すると「私生活から姿勢に気をつけているんです」と興味深い答えが返ってきた。
「自分はどうしても、前かがみになってしまうクセがあるんです。豊田コーチに言われて、座っている時とか、私生活でもピンと背筋を伸ばすことを意識しています。もともと社会人の時は最速150キロ出ていた。(スピードが)ようやく戻ってきたかなという感じです。豊田コーチには、前かがみになるたびに注意されます。昨年はファームの投手コーチでずっと自分を近くで見てくれていた。その方が(今年は1軍コーチとして)近くで見てくださっているのでありがたいです」
この話を聞いた上で、昨年と今年の谷岡のフォームを映像で比較して見ると、確かに今年の方が、背中がピンと伸びているように見える。猫背を改善し、フォームのバランスが良くなり、効率良く力を発揮できるようになったというのだ。2年目の今年、実績のある田原らとの中継ぎ争いを制して開幕1軍に入ったのは、首脳陣が昨年との変化、成長を見抜き、大きな期待を寄せる証しだ。
もともと、揺れながら落ちる独特の軌道のフォークボールが大きな武器。日常生活から意識して姿勢を矯正することで、球速が見違えるように速くなり、落ちる球がより有効になった。
今年の巨人ブルペンは沢村、上原、マシソン、カミネロがいる。強力な4人の「勝利の方程式」だけでなく、試合中盤でこれ以上の失点を避けたい、という場面で谷岡の役割も重要になる。無限の可能性を秘めた2年目右腕の躍進に注目だ。(記者コラム・片岡優帆)
阪神との開幕3連戦(東京D)で巨人は2勝1敗と勝ち越した。10年ぶりに復帰した上原、昨年は右肩痛のため1軍登板なしに終わった沢村が連投で好投。岡本は2試合連続本塁打で計8打点の活躍だった。
チームが好スタートを切ったのはこの男の活躍も大きかった。2年目の谷岡竜平投手だ。開幕戦で4点ビハインドの9回から登板して鳥谷、糸井、ロサリオを抑えて1イニングをピシャリ。すると、翌3月31日の2戦目には、2点ビハインドの6回2死一、二塁の大事な場面で田口に代わって登板。上本を三ゴロに打ち取って流れを引き寄せ、直後に味方が同点に追いつき、逆転勝ちを呼んだ。
オープン戦中から感じていたことだが、この2登板を見て私は改めて思った。「谷岡投手、球速が明らかに上がっていないか」と。おそらく、ジャイアンツファンも、同じことを思った方は多いのではないだろうか。最速149キロ。鳥谷から見逃し三振を奪った148キロの内角直球は抜群の球威があった。1球や2球でなく、安定して140キロ後半を計測していた。
成立学園高、東芝を経てドラフト3位で入団した1年目の昨年は5登板で0勝1敗、防御率12・00。球速は140キロ前後が多く、130キロ台しか出ない時期もあった。先日、谷岡に球が速くなった秘けつを聞いた。すると「私生活から姿勢に気をつけているんです」と興味深い答えが返ってきた。
「自分はどうしても、前かがみになってしまうクセがあるんです。豊田コーチに言われて、座っている時とか、私生活でもピンと背筋を伸ばすことを意識しています。もともと社会人の時は最速150キロ出ていた。(スピードが)ようやく戻ってきたかなという感じです。豊田コーチには、前かがみになるたびに注意されます。昨年はファームの投手コーチでずっと自分を近くで見てくれていた。その方が(今年は1軍コーチとして)近くで見てくださっているのでありがたいです」
この話を聞いた上で、昨年と今年の谷岡のフォームを映像で比較して見ると、確かに今年の方が、背中がピンと伸びているように見える。猫背を改善し、フォームのバランスが良くなり、効率良く力を発揮できるようになったというのだ。2年目の今年、実績のある田原らとの中継ぎ争いを制して開幕1軍に入ったのは、首脳陣が昨年との変化、成長を見抜き、大きな期待を寄せる証しだ。
もともと、揺れながら落ちる独特の軌道のフォークボールが大きな武器。日常生活から意識して姿勢を矯正することで、球速が見違えるように速くなり、落ちる球がより有効になった。
今年の巨人ブルペンは沢村、上原、マシソン、カミネロがいる。強力な4人の「勝利の方程式」だけでなく、試合中盤でこれ以上の失点を避けたい、という場面で谷岡の役割も重要になる。無限の可能性を秘めた2年目右腕の躍進に注目だ。(記者コラム・片岡優帆)