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「後継者…いない」巨人支える阿部慎之助が切実な心情吐露

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プロ18年目のシーズンを迎える巨人の阿部慎之助(38)が順調に沖縄・那覇2次キャンプを送っている。昨年8月、巨人の生え抜きでは川上、長嶋、王、柴田に次ぐ5人目の偉業となる2000安打を達成。通算400本塁打にも残り12本に迫っている。一方でチームは11年ぶりのBクラスとなる4位。低迷するチームについて、なかなか育ってこない自身の後継者について、長年巨人を支えてきた大黒柱を直撃した。  ◇  ◇  ◇  ――昨年8月に巨人の生え抜きでは5人目となる2000安打を達成した。モチベーションは維持できる? 「よくOBに『プレッシャーがなくなって(これからは)楽しく野球ができるなあ』と言われるんですけど、全く楽しくないですね(笑い)。(あと12本の)400本塁打だったり、2500本(安打)を目指すと目標を立てたので、やりがいはあるし、モチベーションも失っていませんよ」  ――昨季は主に4番として打率・262、15本塁打、76打点。来月には39歳でチーム最年長になる。 「衰えはいろいろ出てくるでしょうけど、そればかり考えてもしょうがない。例えば速い球に反応できなくなったら、反応ができるところを待とうとか。瞬発力は落ちても、振る瞬発力は落とさないようにとか、頭を切り替えようと思っています」 ■「若い選手? 出てこないですね」  ――昨季は球団ワーストの13連敗を喫するなど11年ぶりのBクラス4位。チームは過渡期に入り、若手の台頭が喫緊の課題になっている。 「若い選手? 出てこないですね。勇人(坂本=29)がボクの年齢になった時、誰が引き継いでいくのかと。投手では菅野(28)だったり、彼らがいつまでも重荷を背負うことになる。そういうふうにはなって欲しくないですよね」  ――そういう自身も、昨季までは主に4番打者として、長年チームの勝敗の責任を背負ってきた。 「この年まで責任を背負えるというのは、やりがいはあります。でもその分、凄く大変でもある。誰かに引き継いでもらいたいんですけどねえ……」  ――2014年ドラフト1位の岡本(21)、16年1位の吉川尚(23)らが期待されている。若手野手では誰が後継者なのか。 「後継者……。はっきり言って、まだいないですね。じゃあ、彼らがレギュラーを張って周りも見ながらできるかといったら、1シーズンも戦ったことがないわけで、なかなかできませんよね。レギュラーを張って結果を残せば自覚も出てきます。みんな個人事業主なんですよ」  ――若手が物足りない。 「頑張れば給料は上がるし、チームの成績も上がるんだと、若い選手はもっと意識してやって欲しい。みんながそう思わないと、チームとして上がっていかない。ボクも若い時はレギュラーを取るために必死だった。それがチームのためになるんです」 昨季巨人は11年ぶりのBクラスとなる4位に終わった。7勝18敗と大きく負け越したリーグ連覇中の広島対策、自身の後継者でもある正捕手争い、一塁のポジションを争う可能性もある将来の4番候補・岡本について、長年チームを支えてきた阿部が語った。  ◇  ◇  ◇  ――昨季、チームは4位。得点力不足が最大の要因だ。 「(リーグ優勝した)カープと(総得点が)200点差ですからね。チームとしてこの差をどう埋めるか。ミーティングというか、選手だけのディスカッションが必要じゃないか。今年は少しでもそういう時間をつくりたいと思っています」  ――リーグ優勝を奪回するには、昨季7勝18敗と大きく負け越した広島戦がカギになると。 「そうですね。対カープが一番だと思います。今年はどれだけ張り合っていけるか。阪神(2位)もそうだし、DeNA(3位)もそう。去年、自分たちより上の3チームには勝たないと優勝はないですから」 ■「正捕手問題には関与しない」  ―――昨季は自主トレに(この日、侍ジャパンに選出された)小林を同行させるなど、自身の後継者でもある正捕手問題も気になる? 「捕手は“問題”なんですか(笑い)? 今年は人に構っている余裕はなかったので、捕手問題にはもう関与していません(笑い)。まあ、ジャイアンツのためにいい争いをしてくれれば」  ――正捕手に誰が近い?やっぱり小林? 「どうでしょう。ガツガツしたヤツがレギュラーを取った方が勝てると思いますよ。ボクはコーチじゃありません。詳しくは村田(ヘッド兼バッテリー)コーチに聞いてください(笑い)」  ―――ドラフト1位で入り、将来の4番候補といわれた岡本も4年目。背水のシーズンとなる。 「得意なことを伸ばして欲しい。苦手なことはもちろん練習しないといけないけど、苦手なことばっかりやって、得意なことを殺してしまうこともある。岡本の場合、得意なことを伸ばして伸ばして、苦手なところを少しずつ補っていく方がいいのかなと」  ――長所を伸ばすことに特化させた方がいいと。 「少し苦手なところを克服しようとし過ぎるかもしれませんね。自分はこれなんだと。これで絶対アピールしようというのは、彼なら長打力でしょう。ボクは練習も、長所を伸ばすためのものに比重を置いてやった方がいいと思います」  ――このオフ、球団は盛んに「若返り」を強調している。その岡本は一塁もやるからポジションが重なる。昨季4番の自身もベンチを温める可能性がある。 「そうですね。でも、いくら有望株でも、試合に使えない若手をずっと出し続けるわけにはいかない。巨人は勝たないといけないんです。だから、どんな形でも勝利に貢献すること。やっぱり優勝したいですからね」

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