◆練習試合 巨人1―11ハンファ(11日・ひむか)
巨人の岡本和真内野手(21)が11日、“御前猛打賞”でアピールした。秋季宮崎キャンプ2度目の実戦となる韓国・ハンファとの練習試合(ひむか)に「4番・三塁」で先発した。10日の練習で二岡打撃コーチから実演指導してもらった形を意識し、3安打。キャンプ視察に訪れた老川オーナーが若手の台頭によるV奪回を訴えかけるなか、目の前できっちり結果を出した。
右足にためた体重をゆっくり解放しながら、岡本は鋭くバットを振り下ろした。強烈なライナーが左前で弾む。「『打ちたい、打ちたい』だと前に突っ込むので、そこを意識しました」。8回1死一塁から、相手右腕の直球をはじき返した。チームが大敗する中、3回2死の左前打、6回無死の中前打と合わせて猛打賞。4番が気を吐いた。
師匠の教えを実践した。10日の練習では、吉村打撃総合コーチの発案のもと、同じ右打者の二岡コーチから「後ろの足(右足)を使って打つ」という感覚を実演つきで指導してもらった。体が投手寄りへ倒れるクセを矯正するためで、映像もチェックしながら形をインプットしていた。「自分のものになったとは思っていないし、二岡さんには『まだまだ』と言われている。継続していきたいです」。控えめながらも、確かな手応えはあったようだ。
試合での3安打だけでなく、その後の特打でもバックスクリーン付近へ特大弾をかっ飛ばした。二岡コーチは「1日や2日で形が変わるわけではないけれど、意識しながらやっていけば、そのうち形もよくなっていくと思う」と今後に期待し、由伸監督も「ヒットが出たのでね。これで『良くなった』『良くなってない』とか言うんじゃなく、結果が出たのなら、やっていることを継続してほしいね」と背中を押した。
試合後、老川オーナーが、来季は若手が中心となってV奪回を目指すよう訓示した。その先頭にいるべき岡本が、自覚十分の3安打を披露した。「勝ち負けも大事だけれど、守備の時も、ベンチにいる時も、『次はどうしようかな』と考えて打席に入ることができています」。“実り”はまだまだ先になるだろうが、充実の秋を過ごしていることは間違いない。(尾形 圭亮)