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この言葉が聞きたかった!棚橋弘至が口にした「これからが全盛期」宣言

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↑「セクシーな表情お願いします」のリクエストに応え、ポーズを決める棚橋弘至

 わずか20分間の会見で集まった約30人の取材陣を自分の世界に引き込んでいく。これがプ女子(プロレスファンの女性)を熱狂させるスーパースターのオーラか。新日本プロレスのエース・棚橋弘至(40)の魅力を改めて感じる機会があった。

 6日、東京・中野坂上の新日本プロレス本社で開かれた来年1月4日、東京ドームで行われる「WRESTLE KINGDOM12」の第2弾カード決定会見。前夜の大阪府立体育会館大会のメインイベントで飯伏幸太(35)の挑戦を退け、IWGPインターコンチネンタル王座3度目の防衛に成功した棚橋はこの日、新日最大の大会のリングで、ジェイ・ホワイト(25)の挑戦を受けることが決まった。

 「文句言うのは僕らしくないので、決まったカードを受け入れますよ」。いつも通りの笑顔で話した棚橋だが、内心、複雑なものがあったのは間違いない。

 東京ドームのメインのリングは2011年から16年まで6年連続で立ち続けた棚橋の“指定席”。しかし、今年はオカダ・カズチカ(29)とケニー・オメガ(34)のIWGPヘビー級戦にその座を譲り、来年もオカダ―内藤哲也(35)のIWGPヘビー級戦がメインに決まっている。

 “100年に1人の逸材”として、10年以上に渡って孤軍奮闘。新日マットを引っ張ってきた自他ともに認めるエースにとって、今回、自分の背中を追ってきたオカダと内藤にメインの座を奪われての試合となる。

 それも相手は「青い目のヤング・ライオン」として将来を嘱望されるホワイトとは言え、弱冠25歳の若手。新日の複数のレスラーの口から棚橋に対する「今でもエースと名乗っている人」という言葉も聞いた。「自身の気持ちに何らかの葛藤はないのか?」―。思い切って聞いた。

 「全然、心の波風は立ってないです。非常に凪です」と、こちらの目をまっすぐに見つめた棚橋はニッコリ。「去年も6年続けたメインから外れたということがあったんですけど、今はまたシフトして、いかにして東京ドームのメインに戻るかっていうことを(目指して)水面下で面白くしていきたいと思ってます。言ってしまったら、水面下ではないんですけど…。しまった!」と“1人ツッコミ”まで飛び出した。

 うなづきながら、自分の言葉で答える明快さ。誰をも魅了する笑顔―。立命館大に1日10時間以上の猛勉強の末、一般入学。新日の入団テストにも3度目で合格した実は努力の人は、接する人間をグイッと引きつける魅力にあふれている。

 今月13日で41歳になる。体調は万全ではない。昨年は左肩剥離骨折と上腕二頭筋断裂の大ケガを負い、今年も右上腕二頭筋遠位断裂で約1か月戦線離脱。新日の顔として数多くのバラエティーにも出演するハードスケジュール。初の主演映画「パパはわるものチャンピオン」(藤村亨平監督・脚本、来年公開)の撮影も9月に終えたばかりだ。

 試合後のエアギターに「皆さん、愛してまぁ~す!」の決めぜりふ。今でも最強王者・オカダ、大人気ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」の中核・内藤をしのぎ、「GO! ACE(ゴー・エース)」という大声援を一身に集める、まさにスーパースターだが、そのレスラー人生は確実に時を刻んでいるようにも見える。

 だから、続けて聞いた。「今の自身の立ち位置と完全復活を望むファンの『GO! ACE』という声援を、どう受け止めているか?」―。

 返ってきた答えは今度も明快そのものだった。「まだまだ終わらないですから。これから全盛期を迎えるんで。皆さん、覚悟しといて下さい」。集まった取材陣を見回して言い切った。その時だ。この「全盛期」という言葉を聞きたくて、その言葉を棚橋から引き出したくて、自分は質問したんだということに気づいた。

 その後のポーズを取っての写真撮影の際も「セクシー(な表情)か、笑顔を選べますけど―」とカメラマンたちに聞き、「セクシーついでにベルトにキスをしてもらえますか?」という無茶ぶりにも「セクシーの需要が増えてますね~」と笑顔で返し、リクエスト通りのポーズを決める棚橋。

 その瞬間、実力、人気、マスコミへのパフォーマンス全ての“総合力”での新日のエースは誰なのか。私には分かってしまった。(記者コラム・中村 健吾)

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