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26日のドラフトでまたも炸裂か!元オーナー・TBS社長も絶賛するDeNAのマーケティング力

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↑笑顔を見せる(左から)岡村球団社長、南場オーナー、ラミレス監督

 いつも冷静なTBSの武田信二社長(64)が完全に興奮モードだった。

 25日、東京・赤坂の同局で行われた定例社長会見。一通りのやり取りが終了した後、武田社長は「DeNAの話はもういいんですか? どうしても話したいんですが」と切り出すと、前夜のクライマックスシリーズ(CS)最終ステージで広島を撃破、28日からの日本シリーズ進出を決めたベイスターズへの熱い思いを語り始めた。

 「昨日、(DeNAオーナーの)南場(智子)さんに電話しまして、おめでとうございますと伝えました。南場さんは『とんでもない勢いが出ちゃって』とおっしゃってました」と同社長。同局は01年から11年にかけてベイスターズを筆頭株主として所有。その間、3位2回、4位1回、最下位8回と成績は振るわなかったが、株式を譲渡したDeNAのもと着実に力を付けた。そして2年連続で3位となり今CSでチームは快進撃。19年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。

 元オーナー局だけにDeNAのシリーズ進出によって、今回、ヤフオクドームでの第1戦、横浜スタジアムで開催される第3、4、5戦の中継権が転がり込んできた。広島がシリーズに進出していた場合、同局の中継試合はヤフオクドームとマツダスタジアムの各1試合、合計2試合だけの予定だったため、一気の倍増。武田社長の笑顔には経営者としての喜びもあった。

 「ウチも今でも2・3%の株を持つ株主ですし、喜んで、きっちり日本シリーズを放送させていただきます」と力コブをつくった同社長。「ラミレス監督のもと、若い選手が伸び伸びやって…。あの泥んこ試合もすごかったし」と話した後、「(24日の)ハマスタ(横浜スタジアム)でのPV(パブリック・ビューイング)も2万4000人を集めるなど、DeNAのマーケティング、経営努力は本当に素晴らしい。我々がDeNAさんに(チームを)お譲りして7年。こういう形になって、本当にうれしいです」とDeNAの経営手法も絶賛。「若いファンをつくる工夫とか、マーケティングを徹底的にやって、球場はほとんど満員ですよね。そういう経営努力や経営バックアップがあって、今の球団があるのでしょうと(南場オーナーに)お伝えしました」と言う言葉を、横浜スタジアムがある横浜市営地下鉄関内駅から数駅の場所に住む記者も今年、何度も実感した。

 チーム主催の女性限定ナイター、キッズ・ナイターなどのイベントで配られた限定ユニホームを着て、試合後の地下鉄に乗り込むファンたちの幸せそうな笑顔を何度、見たことか。

 今年のキーポイントとも言われる8月末の広島戦での3試合連続サヨナラ勝ちの際もファンと地下鉄で乗り合わせたが、「こんなことはもうないよ! ファンになって、最高の試合だったよ」と泣いている男性ファンを確かに目撃した。

 今年の強さ、人気の源が最高の試合内容プラス新興企業ゆえに冒険できる球団経営にあることは間違いないが、その新興企業ゆえのマーケティング手法は、ここ3年のドラフト会議でもいかんなく発揮されている。

 ▼2014年 1位・山崎康晃(亜大)、2位・石田健大(法大)、3位・倉本寿彦(日本新薬)、7位・飯塚悟史(日本文理高)

 ▼2015年 1位 今永昇太(駒大)、3位・柴田竜拓(国学大)、4位・戸柱恭孝(NTT西日本)

 ▼2016年 1位・浜口遥大(神奈川大)、5位・細川成也(明秀学園日立高)※名前の後は当時の所属。

 どうだろう。この3年のドラフトで獲得した選手たちの多くがローテーション投手、抑えのエース、チームの根幹であるセンターラインのレギュラーに定着。ドラフトの成功を武器に、あっという間に強豪チームに成長したことがわかる。

 5、6位に低迷した中日とヤクルトが今オフ、それぞれの14年のドラフト1位、社会人野球でトップクラスの評価を誇った剛腕・野村亮介と竹下真吾に戦力外通告したのと対照的なドラフトの成功率。知人の野球ライターは「3年間、ドラフトで当たり続けると、それなりの強豪チームができる。逆に3年間、外れ続けると、アッという間に弱体化します」と分析した。

 そう、プロ野球の華・ドラフトでも存分に発揮されているDeNAのマーケティング力。当初は疑問視されていたラミレス監督の監督起用も今回のクライマックスシリーズでの戦略家ぶりを見ると、大正解と言わざるを言えない。

 そして迎える26日の「清宮ドラフト」。DeNAの“マーケティング・ドラフト”から目が離せない。(記者コラム・中村 健吾)

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