↑1997年10月11日、東京ドームで行われた高田(下)VSヒクソン
「この闘いを見終わったら20世紀も、もう終わっていい」というキャッチフレーズで行われた“世紀の一戦”高田延彦VSヒクソン・グレイシー(1997年10月11日・東京ドーム)から20年がたった。そう、PRIDE1である。
PRIDE20周年でもある今年。何かイベントはないのかと期待していたが、ないまま10・11は過ぎてしまった。NHK総合で9日に「インタビューここから」で高田本部長がヒクソン戦を語ったり、書籍やムック本で「プロレスが負けた日」などとして出版されてはいるが、公式に何かイベントがあったわけではなかった。そんな中で、高田延彦統括本部長(55)がプロデュースするRIZIN福岡大会(バンタム級トーナメント&女子スーパーアトム級トーナメント 1st ROUND ―秋の陣―)が15日、マリンメッセ福岡で行われた。
この大会は、2年になろうとするRIZINでは初となる地上波(フジテレビ)ゴールデンタイム生中継だった。メインイベントの女子スーパーアトム級トーナメント1回戦、RENA(26)=シーザージム=VSアンディ・ウィン(35)=米国=、セミファイナルの“神童”那須川天心(19)=TARGET=VSボクシングアマ5冠の藤田大和(25)=リバーサルジム新宿Me,We=の2試合が生中継された。
フジテレビは11年前まで「PRIDE」を中継していたが、番組内で「PRIDE」20周年について触れられることはなかった。すでに「PRIDE」の権利は米国UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)に移っており、PRIDEの中継が終わった経緯もあり、RIZINが同一視されないよう配慮がされている。
番組が生中継に切り替わって、高田本部長がタレント・おのののか(25)とともに「天心、大和、出て来いや!」と呼び込み、流れた藤田大和の入場テーマ曲。映画「ロッキー4」の挿入歌「トレーニングモンタージュ」だった。そう、高田本部長の入場テーマ曲だ。武藤敬司戦(1995年10月9日・東京ドーム)、そして20年前のあのヒクソン戦で鳴り響いた名曲。戦いに臨む男の闘志が静かに沸き上がってくるかのような旋律が躍る。度肝を抜かれ、久しぶりにテーマ曲で鳥肌が立った。一昨年大みそかのRIZINでシング・心・ジャディブが、タイガー・ジェット・シンのテーマ曲「サーベル・タイガー」で出てきた時も興奮したが、また違う震えだ。
プロレスのコラムなので、天心VS大和の試合については、あえて書かないが、天心の“かませ犬”と思われていた大和が大善戦。判定で敗れたものの、高田本部長をうならせた。本部長は解説席で、同じくゲスト解説を務めた“世界のTK”こと高阪剛(47)に「TK、ちょっと、藤田大和を育ててよ。マジで。面白いでしょ」と呼びかけた。「(MMA)デビュー戦だよ」「超新星が出てきたね。また彼の試合が見たい」と大和を絶賛した。これでテーマ曲使用の是非は吹き飛び“高田延彦公認”になった。関係ないが、高田本部長が「最強」を名乗っていたUWFインターナショナル時代に「高田延彦公式飲料」というビタミンドリンクがあったことを思い出した。
新星の時代になっているのだから、PRIDEの20周年はもうなくてもいい。薄まりつつあった過去と今をつないだ「トレーニングモンタージュ」だった。(酒井 隆之)
「この闘いを見終わったら20世紀も、もう終わっていい」というキャッチフレーズで行われた“世紀の一戦”高田延彦VSヒクソン・グレイシー(1997年10月11日・東京ドーム)から20年がたった。そう、PRIDE1である。
PRIDE20周年でもある今年。何かイベントはないのかと期待していたが、ないまま10・11は過ぎてしまった。NHK総合で9日に「インタビューここから」で高田本部長がヒクソン戦を語ったり、書籍やムック本で「プロレスが負けた日」などとして出版されてはいるが、公式に何かイベントがあったわけではなかった。そんな中で、高田延彦統括本部長(55)がプロデュースするRIZIN福岡大会(バンタム級トーナメント&女子スーパーアトム級トーナメント 1st ROUND ―秋の陣―)が15日、マリンメッセ福岡で行われた。
この大会は、2年になろうとするRIZINでは初となる地上波(フジテレビ)ゴールデンタイム生中継だった。メインイベントの女子スーパーアトム級トーナメント1回戦、RENA(26)=シーザージム=VSアンディ・ウィン(35)=米国=、セミファイナルの“神童”那須川天心(19)=TARGET=VSボクシングアマ5冠の藤田大和(25)=リバーサルジム新宿Me,We=の2試合が生中継された。
フジテレビは11年前まで「PRIDE」を中継していたが、番組内で「PRIDE」20周年について触れられることはなかった。すでに「PRIDE」の権利は米国UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)に移っており、PRIDEの中継が終わった経緯もあり、RIZINが同一視されないよう配慮がされている。
番組が生中継に切り替わって、高田本部長がタレント・おのののか(25)とともに「天心、大和、出て来いや!」と呼び込み、流れた藤田大和の入場テーマ曲。映画「ロッキー4」の挿入歌「トレーニングモンタージュ」だった。そう、高田本部長の入場テーマ曲だ。武藤敬司戦(1995年10月9日・東京ドーム)、そして20年前のあのヒクソン戦で鳴り響いた名曲。戦いに臨む男の闘志が静かに沸き上がってくるかのような旋律が躍る。度肝を抜かれ、久しぶりにテーマ曲で鳥肌が立った。一昨年大みそかのRIZINでシング・心・ジャディブが、タイガー・ジェット・シンのテーマ曲「サーベル・タイガー」で出てきた時も興奮したが、また違う震えだ。
プロレスのコラムなので、天心VS大和の試合については、あえて書かないが、天心の“かませ犬”と思われていた大和が大善戦。判定で敗れたものの、高田本部長をうならせた。本部長は解説席で、同じくゲスト解説を務めた“世界のTK”こと高阪剛(47)に「TK、ちょっと、藤田大和を育ててよ。マジで。面白いでしょ」と呼びかけた。「(MMA)デビュー戦だよ」「超新星が出てきたね。また彼の試合が見たい」と大和を絶賛した。これでテーマ曲使用の是非は吹き飛び“高田延彦公認”になった。関係ないが、高田本部長が「最強」を名乗っていたUWFインターナショナル時代に「高田延彦公式飲料」というビタミンドリンクがあったことを思い出した。
新星の時代になっているのだから、PRIDEの20周年はもうなくてもいい。薄まりつつあった過去と今をつないだ「トレーニングモンタージュ」だった。(酒井 隆之)