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AKBリアル豆腐プロレスは是か非か…金曜8時のプロレスコラム

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↑豆腐プロレス参加メンバー(前列左3人目からユンボ島田、ロングスピーチ横山、チェリー宮脇、ハリウッドJURINA、道頓堀白間、クイウチ松村)(C)WIP2017製作委員会 (C)AKS

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↑JURINAのハリウッド式デスティーノ

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↑松村のクイウチドライバー

 8月29日に東京・後楽園ホールで開催されたAKB48グループによる「豆腐プロレスThe RIAL 2017 WIP CLIMAX」を取材した。厳密にはプロレス取材のように控え室まで選手を追いかけて話を聞くことはできず、芸能担当記者に交じってバルコニーから“見学”した形だ。競技ではなくライブショーとしては当然か。この形式は世界最高峰の米WWE(ワールド・レスリング・エンターテインメント)と同じだから、プロレスマスコミも素直に従っていた。

 女子高生だけが参加できる美しき格闘のステージWIP(ワールド・アイドル・プロレスリング)をテーマにテレビ朝日系で7月まで放送されていたAKB48グループ出演のドラマ「豆腐プロレス」を実際にプロレスの聖地・後楽園ホールで開催するという企画で、7試合が行われ、33選手(うち2選手は非AKB)が出場した。

 メインイベントはWIPタッグ選手権王座決定戦として、ハリウッドJURINA(松井珠理奈)&道頓堀白間(白間美瑠)=白金ジム、パワーストーンズ=とチェリー宮脇(宮脇咲良)&ロングスピーチ横山(横山由依)=錦糸町道場=が対戦。ドラマでのWIP最強クイーン決定トーナメント決勝戦を戦ったJURINAと宮脇のタッグでの決着戦。敵対する4人が試合前後にマイクを持ってテーマ曲の「ギブアップはしない」「シュートサイン」を息ぴったりに熱唱する完成されたエンターテインメント。

 見たかったのは試合内容。ドラマではコーナー最上段から飛ぼうとする瞬間と落ちて技が決まる瞬間の2テーク映像を絶妙につなぎ合わせて、場外へのダイビングエルボードロップなど、現実では難しそうなダイナミックなシーンを演出してきたが、果たしてライブではどうするのか? リアルな当て身でけがをしたりしないだろうか? 心配しながら見つめたが、彼女たちは選ばれしエンターテイナーだった。

 マットはドラマの時とは違い、走り高跳び用のウレタンマット風で安全性の高いものだったことに安心。「でんぐり返しすらできない運動神経がない私」と自認する宮脇のエルボー連打はJURINAの頬からかなり離れた“ネコなで”だったが、コーナー最上段に上った時の安定感は、初代タイガーマスク級のバランスだった。

 JURINAがフィニッシュに決めた大技ハリウッド式デスティーノは、か弱い宮脇ではなくグループ総監督の横山が受けてみせた。JURINAへの信頼感がなければ、とても身体を預けられない。両者の迷いのなさが、名フィニッシュを演出したと言える。

 うならされたのはセミファイナル。ユンボ島田(島田晴香)&クイウチ松村(松村香織)のヒールユニット“工事現場同盟”が、本職の女子プロレスラー、デビー・コング&シェリー・ヤマナカに果敢に立ち向かった。頑強な本物への遠慮ない当て身は説得力があったし、やられっぷりも抜群。アンコ型のシェリーを持ち上げて決めた松村のクイウチドライバーには、プロレス取材が長い他紙の女性記者も拍手を送っていた。

 JURINAが新日本プロレスのオカダ・カズチカの必殺技・レインメーカーや内藤哲也のデスティーノを模倣し、棚橋弘至の決めゼリフ「愛してまーす」で締めたことに、プロレスファンから賛否があるのも事実。だが、それを中和しているのも新日本プロレスだ。ミラノ・コレクションA.T.が技術指導し、メンバーを厳しく選抜。WIP初代タッグ王者となったパワーストーンズ(JURINA&白間)には立会人の永田裕志がチャンピオンベルトを贈呈した。

 だからと言って、新日本が認めた新しいプロレスかと言うとそうでもない。そもそも「女子高生だけが参加できる」というWIPのコンセプトじたいがファンタジーなのだから…。是非はどんどん論争してもらいたい。プロレスについて語るのは楽しい。(記者コラム・酒井 隆之)

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