↑79歳、元気を取り戻した梅宮辰夫
梅宮辰夫に会った。釣り好きの辰兄(にい)が主催する釣り大会「第2回梅辰カップ」に、妹分としてかわいがっている、本紙釣り面でコラムを連載中の山田邦子が参加すると聞いて、取材に出向いた。静岡市伊東市の伊東港へ行くと、豪華なクルーザーが並んでいた。その中の1隻に近づくと、デッキチェアにどっかりと座った梅宮がいた。79歳とは思えない迫力は、映画「仁義なき戦い」のワンシーンを思い出させた。
初対面だったので、あいさつをすると、すぐに名前を覚えてくれた。「高田さん、何か飲む?」「弁当は持ってきた?」「キャビンで休んでおいで」とこちらが恐縮するぐらい気を使ってくれた。テレビ画面から受けるこわ面の印象とは全く正反対の“超いい人”だった。
梅宮は昨年、十二指腸乳頭部がんの摘出手術を受けたことを公表。今年1月にかわいがっていた5歳年下の弟分、松方弘樹さんが脳リンパ腫で亡くなり、6月に行われた偲ぶ会に姿を見せた時には、足元がおぼつかない様子だった。車いすで移動している姿を見て「本当に大丈夫なのか」と心配した覚えがある。しかし、目の前にいる梅宮は元気そのもの。ゆっくりではあるが、自分の足だけで船内を歩き回り、階段を上って操舵(そうだ)室にも入るほど活発に動き回った。
海に出ると船尾にあるデッキチェアに座り、ご満悦な表情。「ずっと太陽を浴びていなかったから、今日は焼きたいんだ」と。それ以上焼いてどうするんですか、とツッコミたくなるほど、今でも真っ黒な梅宮だが、海に出ると肌を焼かないと済まないらしい。
初めこそノンアルコールのビールで我慢していたが、気がつかないうちに手にする飲み物は焼酎に代わっていた。「医者には酒を飲んでもいい、何を食べてもいいと言われているんだ」と言いながら、手製の料理をつまみに飲んでいた。「ちょっと食べてごらん」と言われて食べたのが、タコのカルパッチョとシジミのしょうゆ漬けの2品。芸能界でも屈指の料理人と言われている梅宮の料理が食べられるとあって、すぐに飛びついた。
カルパッチョはミズダコを薄く切って、塩とオリーブオイル、レモンをかけただけなのだが、これが絶品だった。タコの歯ごたえ、塩加減が絶妙だった。シジミはさっとゆでて、ニンニクなどを入れたしょうゆダレに漬け込んでいる。これもすごくうまい。ニンニクの風味が効いて、酒がいくらでも進みそうだった。
松方さんの偲ぶ会の時には「俺の弁当が食いたくなったら、いつでも、いつでも言え。すぐつくってどこにでも届けてやるから」とスピーチして参列者の涙を誘ったが、なるほど、松方さんにとっての何よりの薬は辰兄の手料理で、それは2人を結ぶ絆(きずな)であって、松方さん、食べたかっただろうなあ、とちょっとしんみりしてしまった。
クルーザーのキャビンはクーラーが効いていて、居心地は抜群だった。ほとんどの時間をキャビンで過ごした記者とは対照的に、伊東港に帰るまでの約9時間、梅宮はずっと外にいて、魚のアタリをうかがっていた。「少しは涼んだらどうですか」と言っても、「俺はここにいたいんだ」と笑顔を見せながら、決して譲らなかった。
釣り大会では、カジキマグロを狙ったものの、残念ながら、最後までカジキが釣れることはなかった。釣りの最中はラインの出し方からルアーの選択まで、クルーに細かい指示を与えていた。その姿は、かつてテレビの釣り番組に松方さんと出てマグロの大物を釣り上げていた梅宮そのものだった。
帰り際「また大会をやるから、ぜひ来てくれっ」と声をかけられた。偲ぶ会で松方さんには「またマグロの釣り方をきっちり教え込んでやる」と言っていたが、辰兄、今度はぜひ私にマグロ釣りを教えてください。 (記者コラム・高田 典孝)
😁オ😉レ😜コ😝メ✏
二人の絆は永遠です
梅宮辰夫に会った。釣り好きの辰兄(にい)が主催する釣り大会「第2回梅辰カップ」に、妹分としてかわいがっている、本紙釣り面でコラムを連載中の山田邦子が参加すると聞いて、取材に出向いた。静岡市伊東市の伊東港へ行くと、豪華なクルーザーが並んでいた。その中の1隻に近づくと、デッキチェアにどっかりと座った梅宮がいた。79歳とは思えない迫力は、映画「仁義なき戦い」のワンシーンを思い出させた。
初対面だったので、あいさつをすると、すぐに名前を覚えてくれた。「高田さん、何か飲む?」「弁当は持ってきた?」「キャビンで休んでおいで」とこちらが恐縮するぐらい気を使ってくれた。テレビ画面から受けるこわ面の印象とは全く正反対の“超いい人”だった。
梅宮は昨年、十二指腸乳頭部がんの摘出手術を受けたことを公表。今年1月にかわいがっていた5歳年下の弟分、松方弘樹さんが脳リンパ腫で亡くなり、6月に行われた偲ぶ会に姿を見せた時には、足元がおぼつかない様子だった。車いすで移動している姿を見て「本当に大丈夫なのか」と心配した覚えがある。しかし、目の前にいる梅宮は元気そのもの。ゆっくりではあるが、自分の足だけで船内を歩き回り、階段を上って操舵(そうだ)室にも入るほど活発に動き回った。
海に出ると船尾にあるデッキチェアに座り、ご満悦な表情。「ずっと太陽を浴びていなかったから、今日は焼きたいんだ」と。それ以上焼いてどうするんですか、とツッコミたくなるほど、今でも真っ黒な梅宮だが、海に出ると肌を焼かないと済まないらしい。
初めこそノンアルコールのビールで我慢していたが、気がつかないうちに手にする飲み物は焼酎に代わっていた。「医者には酒を飲んでもいい、何を食べてもいいと言われているんだ」と言いながら、手製の料理をつまみに飲んでいた。「ちょっと食べてごらん」と言われて食べたのが、タコのカルパッチョとシジミのしょうゆ漬けの2品。芸能界でも屈指の料理人と言われている梅宮の料理が食べられるとあって、すぐに飛びついた。
カルパッチョはミズダコを薄く切って、塩とオリーブオイル、レモンをかけただけなのだが、これが絶品だった。タコの歯ごたえ、塩加減が絶妙だった。シジミはさっとゆでて、ニンニクなどを入れたしょうゆダレに漬け込んでいる。これもすごくうまい。ニンニクの風味が効いて、酒がいくらでも進みそうだった。
松方さんの偲ぶ会の時には「俺の弁当が食いたくなったら、いつでも、いつでも言え。すぐつくってどこにでも届けてやるから」とスピーチして参列者の涙を誘ったが、なるほど、松方さんにとっての何よりの薬は辰兄の手料理で、それは2人を結ぶ絆(きずな)であって、松方さん、食べたかっただろうなあ、とちょっとしんみりしてしまった。
クルーザーのキャビンはクーラーが効いていて、居心地は抜群だった。ほとんどの時間をキャビンで過ごした記者とは対照的に、伊東港に帰るまでの約9時間、梅宮はずっと外にいて、魚のアタリをうかがっていた。「少しは涼んだらどうですか」と言っても、「俺はここにいたいんだ」と笑顔を見せながら、決して譲らなかった。
釣り大会では、カジキマグロを狙ったものの、残念ながら、最後までカジキが釣れることはなかった。釣りの最中はラインの出し方からルアーの選択まで、クルーに細かい指示を与えていた。その姿は、かつてテレビの釣り番組に松方さんと出てマグロの大物を釣り上げていた梅宮そのものだった。
帰り際「また大会をやるから、ぜひ来てくれっ」と声をかけられた。偲ぶ会で松方さんには「またマグロの釣り方をきっちり教え込んでやる」と言っていたが、辰兄、今度はぜひ私にマグロ釣りを教えてください。 (記者コラム・高田 典孝)
😁オ😉レ😜コ😝メ✏
二人の絆は永遠です